暮れの元気なご挨拶

今年もここを読んでくださった皆様、ツイッターで、ライブ会場で、飲み会で、仲良くしてくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。


KOCからずっと考えていた「ライブとテレビ」についてのエントリを上げたかったんだけど、どうしてもまとまりませんでした。今年のうちに書いておきたい部分だけ、書いていったん終わりにしようと思います。
それでは皆様、良いお年を。


トップリード・ラブレターズ・鬼ヶ島が出たKOCを見ながらツイッターを見ていた。流れるツイートの中に、ひとつ、「ライブで受けていたら正解と思ってしまうよな」と言うようなものがあった。ご本人の目に触れて気分を害しては申し訳ないのでわざと言葉を変えてあるけど、元の正確な文言も覚えている。
この一言が堪えた。私はもともと、ネタなんてものは素人の想像のつくものではなく、すべての芸人さんは100歩先を行ってそのうえで一周して今それをやっている、と言うスタンスなのだけど、それでも堪えた。「私たちが、彼らを間違った方向に導いてしまっているのか?」と。
思い上がりもはなはだしいと、一方で思ってはいる。投票だって存外気にしてない人が多いとも聞いている。客受けを無視してやりたいことをやっている人だって知っている。でも、彼らが、ライブで受けるように受けるようにした結果、テレビで伝わらないものを作ってしまったんだとしたら、その責任の一端は客席にいる私にだってあるんじゃないかと言う思いが染みのように残り、1月以上拭っても拭っても消えなかった。


12月、THE MANZAIの決勝に、磁石、Hi-Hi、ハマカーンアルコ&ピースエルシャラカーニが進出した。売れてほしいという以上に、「損をしないでくれ」と思った。彼らが面白いのは骨身にしみて知っている。誰も滑っているところを見たことがない。その日一番受けだって持っていく人たちだ。その人たちのおもしろさが、テレビで伝わらなかったとしても、そんなもんだと思われないでほしい。もう完全に後ろ向きだった。


決勝の後、3人の人が、ブログやツイッターで「ライブに行っている人がおもしろいと言っていたHi-Hiを初めて見たけど、ほんとにおもしろかった」と書いているのを見た。嬉しくて、ほっとして、涙が出そうだった。


ライブで受けているネタが、テレビで受けるとは限らないということはわかった。でも、ライブで受けているネタが、テレビで受けることもあるとわかった。
それと別の話か同じ話かはわからないけれど、テレビ、特に地上波の賞レースにおいては「ネタが受ける」かどうかより「その人の魅力が伝わる」かどうかの勝負なんだと思った。