先頭集団

行列の先頭21
9/25 中野ZERO小ホール 19:00
キングオブコメディエレキコミック、Hi-Hi、磁石、 三拍子、THE GEESEラバーガール、鬼ヶ島、アルコ&ピースかもめんたる囲碁将棋、グランジエルシャラカーニスパローズ、バイきんぐ、 ラブレターズ、学天即、さらば青春の光


K-PROさんで一番大きいライブ。大阪ゲストとトークコーナーがあって企画はなし。このライブは大きさと豪華さゆえにかなり体力が必要で、じつは1、2回しか行ったことがなかったりします。しかし今回は2時間半という時間を全然感じさせなかったなぁ。ひたすら楽しいばかりでした。


なんでもこのライブが10月開局のCSのTBSチャンネル2とやらで11月に放送されるそうなのですが、収録のためのライブだったわけじゃないので以下隠さず書きます。放送まで何も知りたくないという人は読まないでください。


OPMCはスパローズと三拍子。こんなタイミングなのに自分たちですいません、自分たち以外はみんななんらかのファイナリストなのに……あ、グランジもだ!と言ったとたん出てくるグランジのフットワークの軽さよ(笑)。3組でわいわいと、スパローズは逗子で1番を決めるZoo-1のファイナリストだとか、三拍子はハーベスト大賞とったとか。
賞レースの翌日にK-PROさんのライブに行くと、たいていそのときいちばんの話題からちょっとはずれた人たちがOPを務めることが多くて、それがとても楽しみです。
K-PROさんはお客さんの快適さをほんとうに考えてライブを作ってくれるけど、こういう演出上の言ってみれば「残酷さ」は、観客よりも芸人さんに近いと感じます。一般人のそれとは明らかにずれた芸人さんの感覚を、演出として見せてくれる。わかりやすく言ってしまうと、「おれたちできないことを平然とやってのけるッ! そこにシビれる!」。
最初のブロックにファイナリストじゃない3組詰め込みましたね!と自虐からのスタート(笑)。誰がトリとってもおかしくないようなメンツだものなぁ。以下一応香盤順のつもりですがまちがいがあるかもしれません。

POISON GIRL BAND

漫才「しりとり」。トップバッターなのにまぁ自由(笑)! どこまで台本なのかほんとに全然わからなかった。私は今まで最も長時間彼らを見たのが神保町の「flower」というイレギュラーな客なので、なんか二人が楽しそうに「阿部:お前飛び出しだろ? ラジオで。DJ DAIGOだろ?」「吉田:DJのイメージが古いよ」とか言いあってるの見るとなんかそれだけで「二人で漫才できてよかったね……!」とどこの古参だというような感慨が湧いてきました。60分漫才一回行っただけなんですが。いやほんと楽そうで楽しそうで。オチ前に「阿部:1回間違えてみようか」とか(笑)。この後に出てきたエレキコミックでも思ったんですが、好き放題やりすぎて妙な空気になるのをむしろ楽しんでるのね。妙な空気の中で二人だけが楽しいってのがむしろ望む境地なのかもしれない。だとしたら無敵だなぁ。すべるとかすべらないとか、そういう次元の話じゃないんだもの。ポイズンの漫才はたぶん私が理想と思う漫才にとてもとても近いのでしょう。

ラブレターズ

コント「ディスカウントマン」。前に見たのはラママでだっけ。このネタ好きだー。すごくややこしいことをややこしいと感じさせず、それ以上に溜口さんのキャラクターのうざったさと塚本さんの飄々ぶりに笑わされる。感心よりも笑いが大きい。

グランジ

コント「爆弾処理」。展開こそベタなんだけど(そしてそこが良いのだけど)、三者三様の風貌が得も言われぬおかしさを加えてておもしろかったなー。満を持した大さんの、説得力ありすぎるベテランの風貌とそこからの展開の落差よ(笑)。

ラバーガール

コント「家電量販店・HDDレコーダー」。これぞラバガ! 勘違いも、いなしかたも、全部の塩梅があーラバガだーという安心感。

囲碁将棋

漫才「夢」。出てきてすぐサンパチを上げると、おお、いごしょだ!と思います。文田さんの長い長い話の間中、平坦なのにまったく飽きさせないあの話術は何なんだろう。棒読みのようにも芝居がかっているようにも聞こえ、結局のところものすごくリアルに聞こえました。

スパローズ

コント「自殺」。単独のネタ。漫才の時はほとんど標準語だけど、このネタの時はだいぶん方言が出ますね。とくに森田さんの語尾が。そこがいかにも同僚っぽい。

三拍子

時事漫才。思想について語るとき、高倉さんの焦点の読めない目はこれ以上なく効果的な演出でした。


トークでさらば、かもめんたる、バイきんぐのKOCファイナリストどころかTOP3そろい踏み。すごい!
バイきんぐが最後に出てきて、万雷の拍手が鳴りやまない。小峠さんがそれを受けて「この拍手全部俺らのだからな! 1個もやらん!」と言っていたのがうれしかったです。
バイきんぐは、とにかく初めて見たときから完全におもしろくて、それがそのまんまK-PROさんで頻繁にみられるようになったと思ったら、あっという間に日本一。私はバイきんぐ目当てにびーちぶに行ったこともなければ(キャプちゃん目当てに行ったことはある)、単独や新ネタライブで直接彼らにお金を落とすことをまったくしていません。おー今日のライブはバイきんぐ見られるんだーラッキーっつってげらげら笑ってただけで。
そんな何の役にも立っていない客であっても、祝福の拍手はうれしいものとして受け取ってもらえるんだなぁと、それがとてもうれしかったのでした。
決勝の一本目の点数って何点でしたっけ?とさらばに聞かれて、「小峠:俺うれしくて背中に刺青彫ったから見て」とTシャツをまくりあげて西村さんに背中を見せてました(笑)。「森田:1本目終わった後全員やる気なくしましたもんー。全然緊張せんかった」「小峠:お前めっちゃやる気だったじゃねぇか」みたいなやりとりも。


決勝の後になにか変った?という話。かもめんたるは槙尾さんが結婚したことについて。薬指に指輪をはめてらっしゃいました。もともと決勝決まる前から「決勝行けたら結婚しよう」と言っていて、決勝発表の後プロポーズしたと。彼女がすぐ入籍したいとの事だったので決勝の翌日に籍を入れてきたそうです。
う大さんいわく、自分はもう結婚しているし、槙尾さんがかもめんたるのビジュアル担当みたいなところがあるから結婚して大丈夫かな……?とちょっと心配していたのだけど、「かもめんたる」で検索してみたら気持ち悪いとかうしろシティの方が好きとかばっかりでてきたので関係ねぇやと思ったと。ちなみにうしろシティかっこいいと言ってる人のツイッターアイコンはみんな女の子の顔出しアイコンだったそうです。
バイきんぐは普段10件ぐらいのブログコメントが900件ついていて、かもめんたるは100件ぐらい。普段1桁なのですごく多いと思ったのだけど、うしろシティを見に行ったら200件ついていたので全然負けたと。
その流れだったか、さらば森田さんが「阿諏訪のフォロワーが2,000人増えた!」とご立腹。つーか嫉妬(笑)。


まーKOC後に「うしろシティ」で検索したら阿諏訪さんかっこいいって言ってる子いっぱいいたもんなぁ……。ちなみに私は槙尾さんのご結婚の報を聞いて、人気が落ちる心配より「あああんなに性がグラグラと言われながら流されなかったのは決まった人がいたからなのね」と安堵しました。


あとは松竹が商売っ気を出してきてて、「いたとん」は平仮名なのか片仮名なのか聞かれたので片仮名で商標登録するかもとか。でもいたとんの着ボイスは11ダウンロードで「東口:11那由他じゃなくて!?って聞いた」とか。

アルコ&ピース

コント「霊感商法」。こないだのトッパレで見たネタ。どうもこうもなく平子さんのおじいさんの演技と言葉のチョイスがすばらしい。国道とか。

鬼ヶ島

コント「運命の赤い糸」。初めて見るネタ。相変わらず振り切っている……。野田さんが赤い糸に気付いた後のおおかわらさんのしぐさのひとつひとつが、極端に優美で笑ってしまいました。要するに、あれは恋する野田さんのフィルタを通して見たおおかわらさんということなんですね。鬼ヶ島のコントの、あのピントの合わせ方がすごく好きです。例えば一人が独白しているときに他のふたりがサイレントになったりする演出とか。今見るべきはここなのだと、極端に焦点を絞り他をぼやかすような。肉体だけで映画を撮っているようだと思います。

磁石

漫才「短気を直そう」。さっさんの演技も全力で、とても仕上がってる感じ。途中、さっさんに頭をはたかれた永沢さんが「永沢:いたとん!」「佐々木:もう俺らのにしちゃう?」ほほえましいやり取りだけど松竹が許さないと思います(笑)。〆は「そんな感じでーす」からの「ありがとうございました」。

かもめんたる

コント「催眠術」。これも前に見たことあるネタだったんだけどまーおもしろかった! なにがどう違うのかは全然わからないんですが。途中、槙尾さんの「僕がいじめられてるから怒ってるんでしょう?」という台詞に胸が痛みました。いじめられる方に怒られる理由なんかないよ。

さらば青春の光

コント「親子」。私のこの日一番はさらば! おもしろかったー! ちゃんと影マイクでいつもの「さらば青春の光です。コント、親子!」って言って出てきたのもうれしい。前にも見たことあるネタなのに、前よりずっとずっとおもしろかったのはなんでなのかなー。その時もじゅーぶん面白いと思ったんですが。ネタってほんとに水ものですね。さらばのコントはほとんど動きがないのに、大きい舞台でも全然見劣りしないんですよねぇ。前に座高円寺で取り調べのネタを見たときも思いました。

学天即

漫才「オリジナルヒーロー」。とある共通点で、学天即と松原さんは仲良くなれるかもしれないと思いました。


大阪ゲストコーナーが終わったところで、学天即とアルピでトークTHE MANZAIで0ポイントだった同士、ノーポインツだったかな? その話が出るも、平子さんが結構早々にいちるくんの話をし始めたのであまり深くは話さないのかなと言う感じがしたのですが、そう言う感じのまま終了。

エルシャラカーニ

漫才「雨ニモ負ケズ」。漫才冒頭、タンクトップの日焼跡を見せつけるしろうさん。ネタはいつもどおり高値安定。

THE GEESE

コント「取り調べ」。尾関さんの演じる刑事のクズさ卑怯さ小者感が、多くを説明してるわけではないのにびしばし伝わってきて素晴らしかったです。

エレキコミック

コント「やっつんドラッグストア」。実はけっこう苦手なネタが多いコンビなんですが、おもしろかったー。薬だけあってテレビじゃ絶対できないネタ満載(それだけに後で収録してたと聞いて驚いた)。客席が微妙に退くたびに「これこれー!」と言ってその空気を鼻孔いっぱい吸い込むやついさんつえぇ(笑)。受ける/受けないとおもしろい/おもしろくないって実は全然別のことなのかもしれない。トップリードのことを考えてました。

Hi-Hi

漫才「車がほしい」。出てきていきなり「上田:バイきんぐいいなー! 同じハゲでも全然違う!」。適当とぞんざいさとかわいげと。
最初に上田さんがサンパチを下げようとするんだけど下がらなくて、そのままやったらやっぱりちょっと上田さんの口元にかぶってました(上手から見てたので)。漫才師ってちゃんと客席から見て顔とかぶらないサンパチの高さを知ってるんだよなぁ。〆は湯沸かし器で、ザマを思い出しておおっと。

キングオブコメディ

コント「たてこもり」。冒頭の台詞のあまりの滑舌の悪さに客席からひと笑い来てしまうパーケン氏。不本意かも知れませんがまぁ笑ってしまうのもわかります(笑)。途中音響さんのミスで銃が暴発してしまったのですが、隠しもせず「高橋:音響さんのミスだ!」とさらりと回収して雰囲気を壊さないのはさすがだなー。

バイきんぐ

コント「ミュージシャン」。やはりの大トリ。やー素晴らしかった。ほんとに全部のコントにキラーフレーズがあるのねー。そんでそれに飽きるどころか、何度でも聞きたいと思ってしまう。くるぞくるぞくるぞくるぞ、きたー!って笑うと同時にものすごいカタルシス。気持ちいい。


EDは当たり前のようにスパローズ仕切りで告知など。ラブレターズうしろシティとさらば、両方とのライブがレギュラーであるのね。すごいなぁ。
野田さんがKOCでのコメントのことを話してパーケンさんに銃を突きつけられていました。
結構色々告知してたんですが、あっちみてもこっちみても楽しそうであまり覚えていません。上手側に吉本の芸人さんが固まっていて、そこに阿部さんもいて、相方さんが帰られても最後までいてくれたんだーと嬉しくなりました。
緞帳が降りるとき、手前にいた大和さんに向かって森田さんが、持っていたクリップボードでちょいちょいと奥に下がるよう指示していたのがなんだか可愛くてよく覚えています。
お客さんも帰り始めた頃に一度降りた緞帳がまた上がり、明らかに押し出された風のバイきんぐが舞台中央に出てきました。お帰りのところすみませんと前置きしてから「小峠:俺がチャンピオンだ!」拍手と歓声が起きました。


おまけ。さすがの収容人数で出待ちの人だかりがえらいことになっていたのですが、通用口の方から上田さんの声がするなーと思ったらなにかわめきながら小峠さんをひとりで先に行かそうとしているようでした。結局、両脇を出待ちの人が固める花道のようになったところを拍手に包まれながら歩く羽目になる小峠さん(笑)。もちろんその後西村さんも同じように花道を歩き、ふたりとも、その間は誰からも声をかけられなかったのでそれを見てまた上田さんは笑っていたのでした。