今年最後の月笑

太田プロライブ月笑 クライマックスシリーズ
12/13 18:30 明治安田生命ホール


一年通った月笑(一回遅刻)もこの日で最後。年末って感じだわぁと言いつつ月笑に行き始めたのが去年の10月とかなので実は恒例感とかない。とてもかくてもこのライブのおかげで毎月ほんとに楽しかった。月曜からフルで遊び過ぎるからこれがある週はちょうつらいんですけどね。つまり今週だったんですけどね。(このエントリは12/19に書きました)


去年はど頭で風松とマシンガンズがやってたような気が(そして会場の空気がちょう重くて風松ってトップに向かないと思ったりとか)したんだけど、今年はランキング17位〜14位がやってから3位決定戦だった。
どの組も気合入ってて楽しくて、去年は気付かなかったけど、年末SPでもちゃんと新ネタなんだね。年の締めくくりにふさわしい楽しいライブでした。まぁ個人的にはこの後まだ年内に8回ライブ行くんですけど。
以下、全部じゃないけどざっくり感想。

関口ジョニーズ

ジョニーズ紅白。嵐→AKB→嵐→KARA。「ポニーテールとシュシュ」で、関ジョニ初登場のときくらい笑った。考えてみると今年一番爆笑したネタって、関ジョニの最初のかもしれん。あれほど笑った記憶はほかにあまりない。米騒動くらい?

新宿カウボーイ

漫才。キラーワード「人柄で〜」はなかったけど楽しい漫才だった。ここ、漫才良いんじゃないかなー。最後はほんとにサイコロ振って、5が出て「おお〜」と沸く客席。ホーム感薄い月笑だけど、こういうとこはあったかい。

ブラックパイナーSOS

合コン前。衣装いじりからだからしばらく気付かなかったんだけど、これ漫才だよね? どつき漫才。それはさておき「鼻の頭に絆創膏」は80年代すぎるんじゃないか。あれがかっこいいのはタッチのタッちゃんだけじゃないか。

アルコ&ピース

少子化」。レッカペでやってたネタだけど、知ってても笑えるのはやっぱり演技力だよなぁ。来年からはGI常連になるんだろうな。

クロヤギ

「クリスマス」。今年すっかりGI常連になったアングラ乙女の郵便屋さん。サッチンが葉月先輩に告白する日は来るんだろうか。こないだろうな。ここのおもしろさも要するに演技力だよなー。
関係ないけど初めてクロヤギのネタを見たとき、サッチンと葉月先輩はつきあってるんだと勘違いしたんだった。で、妄想だとわかった時、ああ私はすっかり大人になってしまったと思った。つきあえもしない相手にあそこまでのパワーはもう出せない。
クロヤギを知ったのも今年の話か。次の月に、アンケート配ってた岡本さんに思わず「先月のネタおもしろかったです」って言ってしまった。最近は出待ちでもすっかり人気者のクロヤギ。これからも少女漫画の呪縛にとらわれた全国300万乙女のグリモアとしてがんばっていただきたい。

メンソールライト

紫のスーツで漫談。キャラ設定なしのほんとの漫談。もっとちっちゃいところでひそひそ聞く方が毒が増したりするのかな(笑)。でも大変面白かった。年間通してメンソールさんに○つけた回数すごく多かったなー。好きなんだな。この日もつけました。

神宮寺しし丸

毒蝮三太。毒蝮三太夫の弟子の見習い毒舌漫談家という設定。小野寺とかのキャラに隠れて忘れがちだけど、この人やっぱり素で頭おかしいなぁ(褒めてます)。めちゃめちゃおもしろかった。

風藤松原

「フリーのあるある」。プレスリーのMCのとき松原さんが携帯にメモしてきたフリーのあるある、あれがほとんどそのままネタになってた。なると思ってた(握りこぶし)。
これがもうね、おもしろくてね! 間の会話決めてなかったのか、良く話すし、風藤さんがべらべらしゃべっちゃって、松原さんが次に行きたがったりとか、まぁ楽しくて楽しくて。
風松を知ってからまだ2年くらいなので、基本的に舞台で見る以外のことは知らない。だから、風松がどうやってネタを作ってるのか実はさっぱりわからないのだ。端的にいえば、どっちがネタを書いているのか。
しかも風松の大喜利タイプのネタは交互に言ったりするので、そもそもの発信元がよくわからない。
風藤さんがノート持ってきて「お題考えてきたから」と松原さんが答えるパターンも、まさかほんとにそうやって作ってはないだろう。あきらかに答えありきのお題もたくさんある。
今回は役割分担がはっきりしていた。妙なことを言いだす松原さん、それに突っ込む……というか驚いたり時に同意したりする風藤さん、脱線していく松原さん、乗っかるでもなく別に脱線していく風藤さん。
M-1の予選で見た大喜利で、確かに以前見たときと問答が逆になっているのがひとつあった。松原さんが答えてたやつを、風藤さんが答えていた。それで、以前風藤さんが言ったツッコミを松原さんが言った。これはめちゃくちゃ違和感があった。問答だけならさほど思わなかった。


私が面白いと思う漫才は、若林氏の言葉を借りれば「人柄の延長で漫才」しているものばかりで、風松は最初からそこのところを疑ったことがなかった。あまりに独特で、風松以外がやっても意味がない漫才がほとんどだったから。そこの先のところ、ひとりひとりの違いって、そういえばあまり考えたことがなかった。
二人が似てるとは全然思わない。でも、風藤松原は、名前からして不可分で、ふたりでいるとそのたたずまいがあまりに独特で、どんなときでも「風藤松原」としか見ないので、そこをひとりとひとりで考えたことがなかった。大喜利は、どっちがどっちのを言っても別にかまわないものだと思っていた。
違うのかもしれないと思った。無意識下で、違和感を感じたりするのかな? 松原さんが考えたことを、松原さんが言って、風藤さんがそれについて思ったことを、風藤さんが言う。至極当たり前のことだけど、これが明確だった今回のネタはすごくすとんと入ってきた。まぁほんとに単にネタになる前の姿を見てるからかもしれないけど。


などと思っていたんだけど今月の順位がまぁー低かった……。しょーじきこれは、贔屓目と言われても良いけどどうにもこうにも低すぎる気がする。月笑でのこの票の取れなさは何なんだろう。アウェイのほうが受けることが多い気がする。長い目で見てどっちが良いのかなんてわからない。


思い入れすぎないように、悩んだりしないように、楽しいだけでいられるように、そう思ってもうすぐ2年経つけどこれがほんとにむつかしい。つい色々考えてしまったけど、「ネタを一番考えているのは芸人さん、彼らは私が思うようなことは3周前に通って実践してまた考えて今あのネタをやっている」ということを忘れないようにしないといけない。
なぜかおそろいのメタリカのTシャツだったこの日の風松を思い出して、いつもの感じに戻る。


3〜1位の組。

インスタントジョンソン

じゃいさんが悪役の、医者と遺族のコント。じゃいさんて、純粋無垢なようにもちょう腹黒のようにも見えて恐ろしいくらいに役者。この日はなんかくしゃっとした顔をして悪役を演出してるのかと思ったら、堺雅人を意識してたらしい(笑)。尺が短いのが残念だったなー。

マシンガンズ

時事漫才。この1年で見たことをぎゅっと固めたような漫才。年の初め頃は、二人が同じように同じ事にキレていると思ってたけど、最近は役割分担がはっきりわかるようになってきた。まぁすごい迫力でしたよ。

トップリード

タクシードライバー」。先月のから引き続きの演出、あれ気に入ったんだろうなー(笑)。次々楽しいびっくり箱みたいなコント。イメージとして、紙吹雪とか、おもちゃとかが出てきて、ゲテモノが飛び出してこないのがトップリードらしさかなと。


EDではダチョウ倶楽部の太陽様こと上島さんがプレゼンターに登場。とにかく緊張してらして、優勝者の名前が書いてある紙が震える震える(笑)。発表前だったか後だったか思い出せないんだけど、肥後リーダーが駆けつけ、心底安心したように涙目で抱き合う上島さん。何もしてないのにものすごい窮地を救われたような感動の再会(笑)。
ケンカしてキスのくだりも、足をドン!てやってピョン!のくだりも見られた。ドン!はお客さんもやるんだよ!と言われてやり直し(笑)。普段全くやってないのになかなかのチームワークでしたな。


当たり前の話なんだけど、客席は暗くて、ステージは光り輝いてて、その中に立つ芸人さんは皆かっこよかった。
上島さんが「久々の客前だから!」と何度も叫び、取り巻く後輩芸人が笑うその光景になんかぐっと来てしまった。大先輩だけど、このステージの上は今ネタをやったばかりの後輩の方がホームなんだな、と。後輩たちも小道具で紙持ったりするとめちゃくちゃ震えてますが。
来年もまた、輝く舞台で自分たちにしかできないネタをやる芸人さんをたくさん見たい。でも、今俗に「成功」と言われることはその舞台を降りることなんだろうか。サンパチマイクを置き去りに、コントの衣装を脱いで。
わかんないんだよなぁ。ここんとこが。わかんないけど、好きな芸人さん皆に幸せになってほしい。それだけです。