10ヶ月ぶりにセンターにいる風松を見た日のこと

THE MANZAI本戦サーキット 第一戦
10/20 ルミネtheよしもと 20:00


何から書いて良いかわからないから、見たことそのまま書こうと思ったらまさかの見たものが上がってるって言うね。すげー時代だ。



当日はブログ書く余裕が無くてツイッター使ったんですが、そのときに書いたことを多少書き加えて直すとこんな感じ。

一位で風藤松原!と呼ばれて、風藤さんはすぐ出てきたけど松原さんが出てこなくて、下手見たら人垣の向こうに見えてた頭が見えなくなってたから倒れたかと思った。風藤さんが寄ってって、誰かが「道開けて!」って声掛けたら前にいた芸人さんがザァっと二手に分かれて、視線を落としたら松原さんがしゃがみこんだまま両手を握り拳にして頭のあたりに上げてた。何度も両手をよしっ、よしって感じで上下させてた。
松原さんはしばらく立ち上がらなかったけど前に出てきてからははきはき喋ってた。「松原:勝って兜の緒を締めよ」「風藤:事務所の隣がサンミュージックで、KOCをかもめんたるにとられたから社長が怒ってる。あとアルコ&ピースがド下ネタをやって怒られた」だから僕らがしっかりと……みたいな話を。

これほんとに見たまま書いたつもりだったんだ。風藤さんが松原さん迎えに行くのに動画の倍くらい、芸人さんがよけるまでにさらに動画の倍ぐらい、松原さんが立ち上がるのには動画の三倍くらい時間かかってると感じてました。だから「しばらく」って書いたんだけど、動画で見ると嘘ですね。でもあの体感の方が私には本当だから。松原さんが出てくるまでがすごく長く感じました。ここはカットされてないと思うんだけどなぁ。その後のやりとりはカットされてますね。トンカツ食ってきて良かったーの後にあべちゃんが松原さんにもトンカツ食べたの?って聞いたら「松原:胸焼けしちゃうんで……」「風藤:実は胸焼けしてます」。


*  *  *


THE MANZAI本戦サーキット第一戦を見に行ってきました。まず本戦サーキットってのはとにかくめっちゃくちゃ良いライブだなって去年以上に楽しみました。ネタはみんなすさまじくおもしろくて、MCのあべちゃんはおもしろくて楽しくて優しくて、結果発表待ちの時間がまた、吉本も他事務所もごったまぜでギャガーの競演になっててほんっとに楽しかったです。こんな良いライブ年間通して数回ですよ。


第一戦はすべった組はいないと言うくらいみんなおもしろくて、私が感じた1番受けはオジオズ、2番はエルシャラでした。風藤松原は全体通してちょうど平均、まったく真ん真ん中くらいの受け具合だなーと思いました。FKDでの風藤さんのキャッチフレーズは「FKD48の平均」でしたがそれはさておき。
2位でスパナペンチの名前が呼ばれたときも結構驚きました。へええ! 確かに受けてたけど出順2番ですごいな!という感じ。それでも1位はオジオズだと思ってました。
そしたらまさかの(って言ったらあれなんですが)風藤松原。松原さんがしゃがみ込む瞬間を見逃してるあたり、完全にノーマークだったのがばれますね。いやもう、驚きました正直。泣いたりはしないですが固まっちゃって、記憶が飛び飛び。
風藤松原のネタは「友達の作り方」。2回戦でひやっとしたくだりは省かれてました。爆発はしなかったけど、4分ずっと受けてた印象。松原さんのワードが全部はまってた。
ただ、これが1位ならなんで去年1位じゃなかったんだってのがもういちばん率直な感想でした。そのぐらい、いつも通りの風松でした。
風藤松原は、ライブ後に「今日は風松が一番おもしろかった!」って言われないコンビです。ライブ後感想探してもあまり出てこない。企画はそつなくこなすけど主役にはならないし、EDは前に出てこないし告知もしない。それが良いとか悪いとかじゃなくて、そう言うもんだと思ってます。
それが本戦サーキットで、1位。もうちょっとよくわからない。


以下くだくだ書いてますが、書くことによって整理したいだけです。そのくらいびっくりした。私はジャンルではなく人につくタイプのミーハーなオタクなので、お笑いだの審査だのを分析する能はないというのはさっき書いた「これが1位ならなんで去年1位じゃなかった」などと言う冷静さのかけらもないことを宣ってるあたりからもよくわかると思うのですが。今年1位の結果を受けて、「風松は大喜利漫才じゃなくしたから良かったんじゃないか」みたいなことも聞いたのですが(ちなみに去年の本戦サーキットは「言葉を付け足す」と「ことわざ」で確かに両方とも大喜利漫才)、大喜利漫才でも設定に入る漫才でも風松のエッセンスみたいなものはほぼ変わらないのでそれでそんなに評価が違うのか……って書いてて気づいたけど、これ他の漫才師だったら「あっこのコンビはパッケージ変えて俄然おもしろくなったね」とか言うわ私も。風松の場合はそのエッセンス部分が好きすぎて、ガワが変わってもあんま気にならないだけだわ。てかそもそも大喜利漫才が大好きなんだよね……。今年のネタで好きなの「お葬式の仕方を教えて」に並んで「松原小咄」だもんね……。なんかもうこうなってくると好みがニッチだとかじゃなくて見る目がないだけなような気がしてきた(そしてうすうす気づいてはいた)。
あと、今年はスタイルをいろいろ試してるってご本人も言ってて、去年も設定に入る漫才をやってはいるので、今年明確にこうと決めてスタイルを変えたと言う感じじゃないというのもあるんだけど。まぁ本戦サーキットだけの話だとそういうことになるのかなぁ。


去年も会場受けと順位は完全一致ではないと思ったのですが、今年はそれ以上、なにか確固たる審査基準があるみたいだと思いました。あと、帰ってきてから読んだんですがおわナタさんでのインタビューでも、THE MANZAIのFacebookでも、「一戦目に番狂わせが起きる可能性がある」みたいなことが書いてあるのがどーにも気になって。どちらも第一戦には優勝候補がいないからって言う文脈なんですが、実際風松1位スパナペンチ2位は番狂わせだと思うのです去年の基準に照らせば。てことは、はなっからもう去年とは違う基準で行くぞってことだったのかなぁ。


あくまで私の体感ですが、あんなに受けてたオジオズもエルシャラも2位までに入らなかったと言うことから考えられることは2つあるなーと思いました。ひとつは、決勝経験者にめちゃくちゃ点が辛いんじゃないかと言うこと。
もうひとつは、ギャグ漫才にしろキャラ漫才にしろ、相方を邪魔するタイプのネタが多いので、そうではなくふたりが会話をするところが高得点だったのではないかと言うこと。単純に第一戦に多かったのもありますし、一昨年のHi-Hi、去年のオジオズから続く「相方の言うことを邪魔するボケ、それを邪険にするツッコミ」のパターンが避けられたのかな?と。エルシャラは邪険にはしないけれど。
もうひとつそれに付随するみたいなことで、「成田屋!」的拍手が受けとしてカウントされていないのではないかと言うこと。良いボケのフレーズが来た、うまいことツッコミが決まった、よくやった!と言うような拍手を私が勝手に成田屋って言ってるんですけど、それが一番大きかったのがオジオズでした。2回戦ではそれで明治安田を揺らしたのが三四郎で。そう、三四郎で思い出したけど、2回戦までは受け順と認定が相当一致してるなーと思ってたので、THE MANZAIもここにきて種目が変わるんだろうかと思うと認定の段階でもうちょっと本戦の審査基準に寄ってても良いんじゃないかと言うのが最大の戸惑いなのですが、まぁそもそも「本戦の審査基準」自体が推測に過ぎないので何を言うても。


そんなわけで今は、早急に本戦サーキットで磁石が見たいです。磁石は言わずと知れた決勝経験者で、私が見る限り、今の非吉本東京ライブシーンの漫才コントの最高峰は磁石です。
磁石がすべると言うことはまずないので、磁石が上位に入ったら「決勝経験者への減点より会話や筋立てがしっかりした漫才への加点の方が高い」と言うことになりますし、磁石が沈むようなら「決勝経験者へのハードルの高さハンパない」と言うことになるんじゃないかと。
ただ、なんと言っても2位までしか出ないですからねー。5位くらいまで出るなら傾向もわかるだろうけど、2位までだとわかるもわからないもないような気がします。


なにはともあれ風松はあともう1回、全体で見たらあと4回もあるんですから今何を考えてもって気もしますが、でも考えちゃうなー。考えるのが楽しいんだもんなー。
風松はとにかくお身体にだけは気をつけて、コンプライアンス的に変なことしたりってのはないと思うので、とにかくもうお身体にだけ重々気をつけて、もう1回いつも通りの漫才を披露していただきたいです。
第一戦のEDでも、中央からちょっと下手に避けて、いつも通り緞帳が降りきるまでふたりともずっとお辞儀をしていました。発表の瞬間感情をむき出しにして、その後しばらくあの錚々たるメンツのセンターにいた以外は、ほんとにいつも通りの風藤松原でした。