シン・ドゲンジャーズ第10話

「さんを付けろデコ助野郎」
リヴァイアってことはリヴァイアサンかー、あぁだから水族館、くらいはわかるけど、まさかそれがサブタイトルの「さんを付けろ」で「リヴァイアさん」って誰が思いつくのよwww どんなにシリアスでもどっか脱力させるんだよなードゲンジャーズ。
急に神話の話が出ることに戸惑うより、結社作品の中にアニメも入れられるんだ!ということに感心してしまった。雄は殺されたってことは雌はいるんだろうか。


1期の時に「ああこの番組はこういう物語だったのか」ってわかったのが11話で、他のシーズンも大体10話〜11話くらいでそう思う。それまでがわからなくてつまらないなどということはなく、めちゃくちゃ面白がって見ていたこの物語は、全く想像もしていなかったこの景色を目指していたのかって終盤になってわかるのがもう快感みたいになっている。

で、今年は今週それがきた。シン・ドゲンジャーズはこういう物語だったのか。まぁあくまで私がそう思ってるだけで、あと2話でもう一回それがきたとしても驚かないけど。ドゲンジャーズならありえる。
1期でずっとオーガマンがいなかったのは、オーガマンがいたらひとりでみんな倒しちゃうからかなと思ってるのだけど、今回宇宙に、しかもヤバイ仮面と一緒に飛ばされたのが、ここに繋がるなんて、つくづく予想も想像も追いつかない。

共に経営者である二人の間だけに成り立つ関係だった。こんな二人が見られるなんて思いもしなかった。「困難を託す」という今まで聞いたことのない言い回しは、一度耳に引っかかって、なるほどこの二人の関係を言い得て妙だと腑に落ちた。
バトル漫画は連載が長引くにつれ「強さのインフレ」と揶揄されたりするが、現実には、延々と強くなり、成長し続けなければならないものがある。会社の経営だ。
ヤバちゃんも笹井さんもよく借金借金というけれど、お金を借りて、事業を大きくして、さらに大きな金額を借り入れて、さらに事業を拡大する、会社経営にはそれしかない。現状維持はすなわち死だ。

先週も書いた『経営中毒 社長はつらい、だから楽しい』を読み終えて痛感したのだけど、会社って、ただお金を儲けて社員を養うものではなく、商品やサービスを通じて、より良い社会を作る、そのことに貢献するものなのね。
一応会社員なので、自社のサービスの社会的意義とか、全く考えたことないわけじゃないけど、20年も雇われをやっていると、自分が食っていけるくらい儲けててくれればいいな、もうちょい給料上がんないかな、くらいしか思わなくなっていく。顧客満足度くらいは考えるけど、それが社会にどうこうなんて、日々忙しく仕事してて考えるわけがない。
でも、経営者は、特に創業者は、自分が新しく作り出すこの商品が、サービスが、あった方が社会には絶対いいと思って会社を始める。その視点が私には全然ない。ここ5年くらい1日の大半は博多の企業のことを考えていたというのに。

「企業理念」と「企業のキャラクターがやるヒーローショー」をすごく断絶して考えていたというか、オーガマンがいるから薬育活動をしているのではなく、大賀薬局の理念があって、それを伝えるためにオーガマンがいるんだよな、というのを今更わかったというか、主体と客体が逆転していたというか。
企業活動は社会に働きかけるもの、という視点がないせいでこんなことになってたんだと思う。
ヒーローショーは企業が実現したいことを啓蒙するもの、企業活動は商品を通じて企業が思う理想の社会になるよう働きかけるもの。
そう考えると、ヒーローショーと企業活動ってほぼ同じことをしているのではないのか。

「お前とヤバイ仮面は違うのか。ならば私の相手ではないな」
「相手ではない」という言い回しは、普通ならば格下で相手にもならないということ。
ドゲンジャーズに限って言えば、取引相手ではないということ。
ナイスバディが特に顕著だけど、ドゲンジャーズは、同等の覚悟があるもの同士でしか戦わない。それはずっとそうだった。
ヒーローショーがイコール企業活動なのだとしたら、この鉄則についての理解が深まる。そりゃ真剣味の違う相手をビジネスパートナーに選んだら命取りだわ。

成長するためには壁を乗り越えねばならず、その壁を次々繰り出してくるヤバイ仮面は正しくビジネスパートナーだ。
考えてみたらそもそも初っ端から、オーガマンと白ヤバちゃんは宇宙に吹っ飛ばされたのだけど、白ヤバちゃんがいなかったらオーガマンは宇宙に行くことはできなかった、ということもできる。
「どうする、ついに宇宙まで経験してしまったぞ」
オーガマンのこの時の、感極まったような口調。経営者としての器の大きさと、ヤバイ仮面という取引先がいることが嬉しくてたまらないのだというのがひしひしと伝わってきた。岸さん素晴らしかった……。
生きるという物語が面白くて仕方ないように、きっと経営も面白くて仕方ないんだろうな。

そんでそれに応えるヤバちゃんの、「今はネタ切れだ。でもすぐに、どうせ思いつく」ってあの投げやりなセリフを言う姿、資本も後ろ盾もないけど才能一つを武器に大企業と伍するベンチャーの若き社長に見えるんだよーーーー。「どうせすぐに思いつく」じゃなくて、「すぐに、どうせ思いつく」ってとこでぐわってなった。自分で自分のひらめきを制御できてない感じが最高すぎて。
ほんとに今週のヤバイ仮面社長、ちょっ……とかっこよすぎた。意識がないのに敵に立ち向かって力ないパンチとかみんな好きなやつじゃん私も大好きよ。
壁に縋って立ち上がる時の、BGの入り方かっこよかったな。オーガマンに倒れ込む寸前の首の角度とか、呼びかけに応えてゆらーっと起き上がった時の顎の上がり方とか、ひとつひとつの仕草にダメージが見えて、切ないくらいたまんなかった。それでも立ち上がる諦めの悪さと健気さを際立たせていた。

あとこの一連を、全部マーク4ヤバちゃんの姿でやってくれたところがわかってるー!ってなった。白ヤバちゃんは白ヤバちゃんで可愛いけど、やっぱこの激熱展開は我らが社長の姿で見たい。見られて嬉しい。

来週ヤバちゃん元気に戦ってたな。何思いつくんだろうな。きっと思いもしないことなんだろうな。オーガマンも、視聴者も。だから5年ずっと楽しい。

しかし地上と宇宙のシリアスさの差がすごかったな今週。地上部分の覚書まとめて。
決戦がほぼ遠足。ていうか結社が遅刻したから今のところ完全に遠足。
最終決戦の相手の番号を普通に(いや「田中キュン」だから普通ではない)登録してるところが、普通のヒーローものの敵味方と違うところで愛おしいところだ。「そんな金ないって」と誰より結社を理解しているキタさんも。
「ごめんねー! 寝坊したわー!」のところ、素がでてないかシャベさん。尾澤さんと長岡さんのコンビと共演嬉しいなー。エンドロールで「へんな気象予報士」ってなってたけど。私は今でもこの二人とシャベちゃんのトリオで街ブラロケが見たかった。

画面外の覚書


これは番宣ではなく体育祭の宣伝だったけどおもしろかったので。県外民は録画の術がないので事前告知ほんとーーーーに助かる。


そしてこれを書いていたら大ちゃんさんのポストが。翁長監督ほんとーにお疲れ様でした! お礼の言葉はまた最終回後に。