狭き門

朝から「いつ発表なんだよおおおおおお」と叫んでは寝るの繰り返しでしたが15:00にナタリーさんが更新してくれてやっとわかった認定漫才師。公式より早く、解禁時間ちょうどに教えてくれるあたりが、一日千秋の思いでいるファンの気持ちを良くわかってくださっているナタリーさん。


「THE MANZAI 2014」認定漫才師50組発表


何はともあれ浜口浜村初認定おめでとうございます。もう「良かった」以外に言葉がない。
浜口浜村ほど、やっていることと評価が釣り合わない人たちもまぁいないと思っていて、ライブを見ている人たちはその天才も努力も惜しみなさも骨身にしみて知ってるけどもううちらが褒めても仕方ないんだよ! いい加減えらい人が褒めてあげてよ! と言い続けてはや数年。ようやく、よーーーーやく浜口浜村がひとつ認められたかと思うとこっちまで本当に嬉しいです。ずっと認めて欲しかった。浜口浜村の、漫才へのあの思いに報いる何かに。
このたったひとつが、これまでの浜口浜村の漫才へのラブコール全てに応えるものだとは思わないけれど。思わないけれど、でも、これをきっかけにこれまでの全部がひとつずつ、オセロがひっくり返るように報われていって欲しいです。


で、風藤松原が初めて認定から外れまして。
私は29日と30日しか見てないので判断材料が少ないですが、風藤松原はまだしも、エルシャラカーニが落ちていると言うことは、決勝経験者には決勝経験者だけのハードルがあったのかなと思います。単純な受けの量で上からとっていったなら、エルシャラカーニが落ちるはずない。


私は去年風藤松原が決勝行ったときに一番心配してたのが「ネタ飛ばすんじゃないか」と言うことで、基本的に賞レースの彼らを安心して見てたことがないんですが、そんな私が今年の2回戦を見て「ああもう完全に一段上の段階に行ったんだなぁ」と思いました。松原さんの一言一言全部でドカンではないけどどしんとした笑いが起きる。「この人はおもしろいことを言う人」と認知されて、前のめりの姿勢で待ってもらえる。
その段階にいる人と、「まず君たちは誰なんだ」というところにいる人たちを、笑いの量だけで比較したら、それはもう逆に不公平になる。そのくらい、「この人で笑って良いんだ」という前提があるとないでは笑いの起こり方って全然違います。
風藤松原も、去年のサーキットで1位になってから後はライブでの受け方が如実に変わりました。三年連続認定漫才師で、FKDで、ライブにあれだけ出ていても、それでも「お墨付き」があるとないってこんっっっっっなに違うのかと驚きました。それもテレビならまだしも、ライブで。
だから浜口浜村は、認定された今日からの方が、これまでより格段に受けるようになると思います。同じことをやっても。


決勝経験者でも認定になってる組はもちろんいますし、その上がった状態では、風松の受け方では足りなかったと言うことなんだろうと思います。
風松やエルシャラの受け方より、浜浜や三四郎の受け方の方を上げると言うのは、賞レースとして納得できます。
ただ、中堅に「君たちはもう次の段階に行きなさいね」という審査をするなら、次の受け皿を作ってからにしてくれよとは思います。


THE MANZAIも4年目で、この番組の中で新味のある内に結果を出さないといけないとなると、これをよすがにいつまでもただ頑張ればいいと言うものじゃないんだなぁと今年思い知りました。
だいぶん前の磁石の「フタリシャベリ」で、ナイツが「自分たちで若手の枠から出るためにTHE MANZAIに出ないことを決めた」と言うようなことを話していました。ナイツはテレビに出てるし浅草という軸足があるから決断できたことだとは思いますが、そうやって、自分たちで軸を作って、出たり出なかったりして利用していくものなのかなと思います。賞レースって。でもそれを出来るほどの余裕がある組が果たして今の若手にいるのか。


8/10のトンファー×タモンズ×ゲスト○○で、決勝行って何か変わりましたかと聞かれた風松は何も変わらないと言っていました。決勝出たくらいで食べていける時代じゃない、だから今年はモチベーションが低いです、認定になれれば御の字!と。
しょーじき、今年はネタを見てて、「今年も決勝行けるよう頑張ろう」って言うテンションじゃないんだろうなーとは思ってました。だからここで聞けて逆にほっとしたというか。
ちょうど良いので今年見た風松のネタを一覧表にしてみたんですが、私が見た63本の中でまるっと新ネタで1本ネタっぽいのは「接客業がやりたい・コンビニ編」と「冤罪」くらいじゃないかなぁ。「語尾」「接続詞」「色のつく言葉」「なぞなぞ(母とママ)」は、1本ネタと意識して作ってない気が……なんとなくですけど。少なくとも見てる方としては1本ネタっぽくないと思った(そういや3月頃何度かホワイトボードネタやってたな……すっかり忘れてた)。
見る側がわかる事なんてとても少ないけれど、それでも漫才が客席に向けて演じられるからには見る側にしかわからないことがきっとあると思って見ています。
昨日のワラネタFULLで、松原さんがパンダの形のビーズクッション持って出てきて「腹話術を覚えた」と言いながらがっつり口動かして喋ってパンダに突っ込んでたまに鉄板のボケの焼き直しが入って風藤さんは2、3言話すだけで最後の挨拶が「もういいよ」じゃなくて「すいませんでした」というとんでもねーネタを見て、これTHE MANZAIダメだったんじゃないかなと思いました。
じゃあ何のネタをやってたら通ったと思ったのかと言われるとわからないんですけど。まだ全然調整する時期じゃないし。


去年見て、「決勝に行くようなネタは一生で1本できれば良いんじゃないか」と心底思ったので今年のネタををはがゆいとも思っておらず。続けてくれて、ここから自分たちで次のステージを見つけてくれるならやっぱりそこでやる風藤松原の漫才を見に行くんだと思います。
ただ「なぞなぞ(母とママ)」はほんっとーに良いネタなので、これをサーキットで見たかったなと言う気持ちだけはちょっとあります。ちょっとだけ。サーキット行っててもこれかける可能性は低かったとは思うけど!