賞レース途中

THE MANZAI 2014 予選2回戦
新宿明治安田生命ホール
8/29 17:00
8/30 17:00


昨日一昨日はTHE MANZAIの2回戦を見に行ってました。
2回戦ともなると、全く笑いどころのない組というのはほぼいなくて……皆無ではないけど……好みの漫才でなくても、あ、このボケはすごいな、とか、この行のためだけでもこのネタ見られて良かったな、とか、色んな漫才が見られて楽しかったです。
普段はつい効率を求めて好みの漫才ばかり見に行ってしまうけど、たくさん見ると言うのは、思いもかけない物が見られて良いものですな。
まぁ、5分の漫才のために2時間のライブを、移動時間含めたら4、5時間費やして見るのがそもそも効率の良い趣味かって言われたら違うような気もしますが。


初見若しくは普段あまり見ない組でおもしろいなーと思ったのは、100W「パンとお米」、すごい論「引っ越し」、ザ・パンチ「Jリーガーのスカウト」、えんちに「新しい金儲け」、ななまがり「上野絶望園」、三日月マンハッタン「パンチ力」、マドンナ「しゃべらせろ」、ホロッコ「家でやる遊び」、イワイガワ「お化けを見た」。


すでに好きな組はどこも期待通りおもしろかったです。ドリーマーズ「紫鏡」、浜口浜村「抑止力漫才」、ニューヨーク「言いたいこと」、ぐりんぴーす「動物園デート」、ダーリンハニー「漫才!高田馬場(改名)」、相席スタート「抱かれたい男」、エルシャラカーニ「進化論」、三四郎「美容師」、POISON GIRL BAND「子供の作り方」、笑撃戦隊「サッカーと相撲」、スパローズ「お笑い卒業式」、博多華丸・大吉「お父さんと一緒」、エレファントジョン「太ってきた」、アンバランス「銀行強盗」、風藤松原「雑誌の取材」。


ジャンルではなく人につくタイプのオタクなので、漫才そのものについて、考えることはあっても人に聞かせるほどまとまった思想もなく、見て笑うばっかりですが、こうたくさん見るとやっぱり「漫才」ってジャンルではなく「文化」じゃないのかなぁなどと思ったりしました。
それで、「漫才文化」というものがあるとしたら、その中でさらに一代だけの伝統芸能をやっているようなもので、今ここで見ているものはこんなに確かなのに、なんとはかない。
むかーし子供の頃、正月に見た漫才は、タイトルと共に漫才作家の名前がクレジットされていたことがあったけど、今の漫才師はみんなシンガーソングライターみたいなものだから、その人が辞めてしまったらその漫才をする人もいなくなって、もうその型の漫才の新作が生まれることもなくなって、それっきり。


THE MANZAIにしろM-1にしろ、プラスのきっかけになるのは嬉しいというか今はこれしかないのだけど、マイナスのきっかけにしないで欲しいと切に思う。
漫才という大きなものがあって、
どんな小さなライブに出ている漫才師であっても、漫才師ならばその文化を担っているのであって。
一番組の審査にはまらなかったからと言ってその大きなものからも抜けてしまって欲しくない。


漫才の神様がいるとしたら、この先ずっと人生をかけてあなたの声を一番近くで聞くはずの人たちを、どうか一日でも長く漫才師でいさせてください。強い波や長い凪に倦んで、漫才と言う大きなものを手放してしまわないように。


と、帰り道が暗いのを良いことに、道ばたで祈ってはみたものの、日頃が不信心な奴なので手を合わせればいいのか組めばいいのかもわからなかった。漫才の神様。