実践編

あの番組の素晴らしさを全世界に発信するためには、やはし自分で作ってみなければと思い昨日と今日の夕飯で作ってみました。普段は完璧母任せなんですが書くとなると自分で作らないとまずいだろうと。まぁ出汁とったり大事なとこは母ですけどね! いやうちの母ものっそい料理うまくてさ。うまい人がいるのに下手がやることも無かろうとさ(言い訳)。

ちなみにレシピはここです。
これが昨日作った落合先生の「えびのトマトスパゲッティ」。



トマトの酸味とクリームの割合が絶妙! お店で食べるみたいな味でした。冗談抜きで感動的においしかった!


そんでこれが今日作った孫先生の「エビのチリソース」(のアップ)。



私は辛いのがダメなので豆板醤を規定量より減らしました。これがまた! 安いエビをつかったのにエビが甘くてぷりぷりでものっそいおいしかったんですよ。孫先生の仰ったとおり、いっぺん衣つけてあげてるおかげなんですかねぇ。素晴らしくエビの良さが出ておりました。


どっちもほんとーにおいしかった。おうちで食べるご飯であんなにおいしくて豪華なお味ができると、なんだかとってもゆたかな気持ちになりますね。材料費そんなにかからないのに。そしてなにより、ものすごく簡単なのです(私でもできたし)。生放送の短い時間でできることからもわかるように、めんどくさい仕込みとかややこしい技法とかほとんどない。中嶋先生の日本料理が、やっぱりちょっと手順が多いですが、料亭のお料理をご家庭でできるようにするその姿勢に頭が下がります。


ほんと、この番組はただお料理を教えてくれるだけじゃなくて、何というかこの矜持の高さに居住まいを正したくなると言うか、3人の先生の姿勢にグッとくるものがあるのです。
皆さんご高名な方だというのに、ちいとも気取ったところも高慢ちきなところもなく、お互いにお互いの技術に敬意を払ってらっしゃる。ものすごく好奇心旺盛で臆せずガンガン質問して、感心し、学び、ちょっとでもおいしいものを作りたいと言う情熱が伝わってくる。
それでいて、やっていることは「ご家庭でもできるもの」それがまた感動的なのです。


これ出典も発言も曖昧すぎるんで今まで書いたこと無かったんですが(言葉半分で読んでください)、たぶん「天声人語」で「きょうの料理」の50年記念の話題で取り上げられていた最初期の先生の発言、それを読んで泣きそうになったことがあります。その先生は、揚げ物かなにかを教えながら


「これで皆さんは揚げ物に関してどんな料理人と伍しても負けることはありません」


と言うようなことを仰ったそうです。揚げ物か煮物か判然としないんですけど。
これと同じ気持ちに、3シェフを見ているとなるのです。ご自分の技術を惜しげもなく公開して、渾身のレシピを教えてくださる。プロの料理人なのに、お店でお料理を出す人なのに、おうちで食べる物を馬鹿にせず、おうちでこそおいしいものが食べられるようにしてくれる。料理のちからを信じている。


簡単で安価で、作りやすいもの。そうでないとふつうの人は作れない。当たり前のことですが、「できる人」が「できない人」を慮るのがどれほどむつかしいことか。
家庭料理を軽んじることなく、違う国の料理のシェフに敬意を持ち、料理そのものに情熱をもってらっしゃるお三方の姿が、清々しくないわけありません。しかもいつでも楽しそう。
教えてくださるお料理以上に、お三方から学ぶものの多いほんとうにほんとうに素敵な番組です。
次の放送は2月10日ですテーマはスープです。