事件はここで起きている

漫才5・コント5
4/16 しもきた空間リバティ 19:00


OPMCはトップリードとハマカーン。明転板付きでMCが出てくるって珍しくないかな? このライブはいつもこうだっけ?
とにかくぱんぱんの客席を何度もみる二組。なんでだったかスペオルの話になり、昔はほんとにスターが出てたけど、最近じゃこのへん(自分たちを指さす)がトリだもんねぇ……とか。

漫才5

  • エルシャラカーニ「動物」
    • ちょっと驚いたんだけど、笑いどころが全部清和さんきっかけだった。今まではしろうさんが変なこと言って笑いが起こる部分があった気がするんだけど、完璧に清和さんのつっこみで、しかもひとつもはずれなく笑いが起きていた。すごいよなー。一撃一撃、バズーカ打ちこんでるみたいに受けてた。
  • 浜口浜村「自己紹介」
    • おおこのネタできたか! 浜村さんの独白の間中、ちゃんと嗚咽している浜口さんの演技が良いなぁとこの日気付いた。受けてて嬉しい。
  • 三拍子「時事漫才」
    • AKBからダンスの授業のこととか、ネーミングライツのこととか。最後の新しいコンビ名と芸名のところ、技量がすごい!
  • ハマカーン「お肌の手入れ」
    • ケイダッシュライブでかけたネタ。この漫才がどこに行くのか私にはわからないけど、このネタにも「新橋」並みのキラーフレーズがある。なかなか頻発できるクオリティじゃないと思うんだけどすごいな……。
  • 磁石「不動産屋」
    • 同い年だからわかる。さっさん、そのほうれい線は消せるぞ。頼むから顔筋マッサージさせてーーーーー! むくみすぎだよー! 久しぶりに「そんな感じでーす」を聞く。

中MC

三拍子とジグザグジギー。久保さんがジグザグ大好きらしく、ジグザグがいる日は「あたりの日」、ツィンテルがいる日は「はずれの日」と呼んでいるらしい。ひでぇ(笑)。そのことをツィンテルから言われるらしく「池:こっちに苦情来るんですよ」。
ジグザグジギーが「ポっと出てきた」印象がある三拍子。何年前から?とか色々と質問する。役者とかはやってません、ずっとお笑いで、スクールはナベプロでしたとジグザグジギー。スクールはお互い別のコンビだったそうで、宮澤さんが「ビッグバン」、池田さんが「かんたんドリル」。ビッグバンって韓流の?という流れから、宮澤さんに「久保:通訳の人ですか?」(笑)。
なんでお笑いを目指したかという質問に、「池田:これ真面目な話になっちゃいますよ」。大学を出て、研究室に残っていた池田さん。CGで映像を作った時に「これ人間でやった方がおもしろいんじゃないか」と思って、芸人になったそう。大学まで行かせてもらっていて、すごく真面目なお父さんに芸人になったと言えていないと。お母さんの話は特に出なかったんだけど、お母さんは知ってるのかな。


久保:いつ言うの?
池田:もうちょっと売れてから
久保:今ちょっと売れてる自覚はあるんだね


この会話おもしろかった(笑)。今自分たち来てるぞ!ってのはやはりわかるものなんですね。問題は、何回目のきてるぞで世間とぴったり合うかなんだろうな。
最後に久保さんが宮澤さんに「お父さんはなにやってるの? ピエロ?」で終了(笑)。宮澤さんがお笑いを志した理由が結局わからん(笑)。

コント5

  • ピテカントロプス「よそ見」
    • このネタは見えない人がいるんじゃないかと毎度心配になるけど、良いネタですねぇ。
  • ダブルブッキング「ふたりの先生」
    • 黒田さんが眼鏡なし! ここのコントは決して陰と陽という単純な二極じゃないところがおもしろいよなぁ……。川元さんがあんな漆黒なのに、黒田さんもズルいっていうのが。言ってみればリッチブラックとK100の違いというか。伝わらんなこれ。
  • バイきんぐ「離婚」
    • 途中で出す小道具が、間に合わせのように見えて絶妙という。
  • ジグザグジギー「狼男」
    • 問答無用で良いネタですね。いつ見ても面白い。
  • トップリード「しゃっくり」
    • 今月の新ネタ。月笑から変更点はほぼなかったかと。

企画:シャッフル漫才orコント

仕切りは高倉さんと和賀さん。出てきて開口一番「高倉:すごいねこのライブ! 全組はずれなしじゃない!?」知ってます(笑)。
企画は恒例のシャッフル即興。組合せと名前はK-PROさんブログからお借りしました

■三拍子久保&バイきんぐ西村『四十肩』コント:医者と患者

ふたりともツッコミだねの声に、「西村:(バイきんぐは)ボケと雰囲気でやらせてもらってます」(笑)。コンビって色々あるなぁ。前に黒田さんはは「ツッコミじゃなくてリアクション」って言ってたっけ。途中で西村さんがなんかうまいこと言おうとして出てきたのが「バウンサン症候群」(笑)。「久保:ホモの方に行くかと思った」。西村さんがずっとおなかをなでまわしていたから。ふたりとも上手だったー。

浜口浜村・浜村&トップリード新妻『シンカース』コント:ホスト

Yシャツで色合い的にジンカーズの再来だ!とにんにん。まさかの設定をすかす浜村さんに必死でコントを進めるにんにん。にんにんが保護者のようだった……。

エルシャラカーニ清和&ジグザグジギー池田『ドルフィンズ』漫才:ディズニーランド

始まる前、あまりに堂々とした池田さんに、浜村さんから「若手なのに堂々とするな」とクレームが入る(笑)。飛び出しをやってみたい池田さんの希望で、両袖から飛び出してクロスするも立ち位置と逆なのでまた入れ替わる。そのクロスするの昔キャン×キャンがやってたと外野。ディズニーデートの話を思いきや、池田さんが清和さんを質問責めにして元カノの話をさせるさせる。最後オチをつけられない清和さん「帰ろう!」外野がマシンガンズだと総ツッコミ。「清:どこでも終われるスタイル」。いやー清和さんに元カノの名前言わせるとか、池田さんすごすぎた。

■磁石佐々木&バイきんぐ小峠&三拍子高倉『TYPooooN』コント:ジャニーズ新ユニット

ここから小峠無双。デビュー目前にしてユニットからはずされたらしき小峠さんが、さっさんと韓国人の高倉さんにまくしたてるんだけどワードのことごとくが面白い! 笑いすぎて記憶が曖昧なんだが、さっさんがロボットダンスやったときは「小峠:どこの国のロボットだ!」だったかな。もう周りで見てる芸人さんも泣くほど笑ってえらいことに。きれいにオチもつけて、高倉さんとさっさんが口々に楽だったーずっと喋ってくれてたーと。

■バイきんぐ小峠&浜口浜村・浜口&ピテカントロプス大和田&エルシャラカーニしろう『奥さん洗濯しませんか』コント:ジャニーズ新ユニット

みんな小峠さんが見た過ぎて、次は小峠さん残しで4人にしようと籤を引く。若手・若手と来て最後しろうさんが出たときの歓声よ。
そもそも小峠さん残しの時点でおかしいのに小峠さんはまったく異議を唱えず、もうずっと臨戦態勢なのね。暗転する前に立ってる間からずっと。明転したら、小峠さんはオーディションの面接官と言う設定。ピテカン大和田さんの自己アピールは「エアチャーハン」。大和田さんできる子だ……!「小峠:俺エアチャーハンのクオリティーわかんねぇよ!」「大和田:高い方です!」「小峠:低い方想像するとぞっとするよ!」一方浜口さんは設定を壊すかと思いきや、それも収拾する小峠さん。とりあえず浜浜、自由なのはすごくいいけどもうちょっと協調性……! 最後にしろうさんと小峠さんががっつり肩を組んで、予想外ながらもきれいなオチ。
2本のネタの間中、小峠さんの発する全てのワードで爆笑が起きていた。舞台上も客席もひーひー言って大変なことになってた。和賀さんなんて進行表抱えて座り込んで笑ってたよ。EDの告知も、わざとダラダラやって小峠さんに突っ込んでもらう流れに。なんかもう小峠さん、千本ノックを全部ホームランで打ち返してた……。EDで下手側に控えてつっこみ待機してる小峠さんかっこよかったな。バイきんぐ、K-PROさんのライブが続々決まるんじゃないの?の流れで上手の端にいた永沢さんが颯爽と小峠さんに歩み寄って「FKDに入らないか?」契約の握手を求めてた(笑)。


いやーもう、これが無双かと。一人の人が言うことが、こんなに過たず受け続けたのを見たのは去年の夏のFKDトークライブの上田さん以来。しかも今回は、即興とはいえネタの中のワードで百発百中って!
私はずっとバイきんぐはこないだの交流戦で初めて面白さがわかったと思ってたんだけど、ブログ検索したら最初に見たのは2010年2月で、その日いちばんおもしろかったらしい
「ブレイクはバカに見つかること」という有吉氏の名言を待たずとも、たぶんバイきんぐはずっとおもしろくて、今回K-PROさんの客層に見つかったということなのはもちろんわかってる。
だから「確変中」って言うとわかりやすいけど、ちょっと違うのかなとも思う。ずっと確変は起きてて、それに人が気づくか気付かないかなんだけど、じゃあ気付かれるタイミングってなんなんだろう。
事務所ライブに行ってる人だけが知ってるおもしろい人ってたぶんたくさんいて、でもその人たちが表に出てくる、見つかるときのあの、なにも止められない勢い。実力だけでも、運だけでも、売れない。だれがいつ売れるかなんてさっぱりわからない。でも、ライブで見れば、その神がかった勢いと気迫となによりおもしろさを、理屈すっとばして納得させられる圧倒的な何かを目の当たりにできる。要するに、見ればわかる。小峠さんは、全方位におそろしいくらいなにかを張り巡らせていた。


漫才5・コント5はたいていトッパレと連日で開催されて、いつもどちらも楽しくおもしろい。でも、楽しさおもしろさの内訳はすこし違っているように思う。トッパレは、K-PROさんのオリコンのようなもので、真っ当に面白い。漫才5・コント5のおもしろさは、化学反応の爆発だ。どんな風に爆発するかはやってみないとわからない。でも、ほんとうなら奇跡のような化学反応を毎回毎回起こさせるK-PROさんのブッキング力に舌を巻く。ここに来れば何かが起こる。なにが起こるかわからなくても、足を運ばせるには十分以上の何か。


もうもうと土煙舞う戦場のような記憶の中で、エンディングの頭だったか、西村さんの「(小峠さんの)影に隠れてるけど俺もそこそこハゲてるわ!」がひじょーに印象に残っている。理由はわからない。