後にも先にも

FKD48 8th LIVE〜念願〜
3/5 なかのZERO小ホール 19:00


久々のFKD本公演。レポートはナタリーさんにお任せして、日付詐称でざっくりと。


前半は各組の新ネタ祭。
タイムマシーン3号「旅行に行きたい」
マシンガンズ「時事ネタ」
流れ星「スキー」
トップリード「合コン」
キャン×キャン「訛り→聞き間違い」
オジンオズボーン「良いとこ見せたい」
ななめ45°「上京」
Hi-Hi「旅行」
磁石「結婚式のスピーチ」
アルコ&ピース「あゆ」
ダブルブッキング「アンドー先生」
風藤松原アナグラム
三拍子「早押しクイズ」


風松がまさかのホワイトボードネタ!「松原:大輪助教授ですー」だって! ネタは「アナグラム」。確かにこれ漫才では難しそう。
風藤さんはツッコミと言うよりほぼホワイトボード消す係でかわいかった。松原さんがネクタイ外して襟元緩めててえらいかっこよかった。四十路の色気! アナグラムの説明を丸投げするし、「はい消して」って風藤さんを顎で使うしどうしたどうした(笑)。
何年か前はみんななんとなく風藤さんがネタ書いてると思ってたし、風藤さんがネタ主導してたし、パワーバランスで言ったら完全に風藤さんにウェイトがあるコンビに見られてたと思うし私もそう思ってた。変われば変わるもんだなぁ。結論としては、健康って大事。
ネタは三拍子で一番笑った。三拍子は、ちょうど去年のサーキットのあたりからずっとめっちゃくちゃにおもしろいんだけどあんま次のサーキットまでに騒ぎすぎないよう黙ってようと思っている(言ってるけど)。



後半はユニット。
今回はもう、「劇団チリヨウ」と「劇団D-kon」にやられた。
最初の演技うまい組のときはほんとにどういう感情で見て良いかわからず、みんな若干演技クサいねーくらいにしか思っていなかったのだけど、その後に出てきた人たちが同じことを始めたとき、やられたと思った。今まで見たことのない笑い方を、一瞬にして示して、理解させて、笑わせる。こんなことができるFKDは、やっぱりとんでもない人たちの集まりだったんだと思った。


前々回だったかなぁ、本公演を見て、ちょっとマンネリだなぁって思ったことがあった。でも、マンネリって、続けることの難しさっていうものすごい壁の向こうにしかないもので、そこに行けたのがまずすごいことではある。
でも、観客が、お金と時間を費やす対象として、続いているからこそ次でいいか、いつも通りおもしろいのはわかってるから次でもいいかって思ってしまうのも仕方なかったりする。
私は見続けようと決めてるから行くけど、それはそれでまぁ健全ではないっちゃない。
今回みたいな新しいものを示されると、理屈も感情もすっ飛ばしてやっぱり次も絶対行く!と思う。それで、たぶん次回もこの2つの劇団を見られたら嬉しい。でも、その次もやったら、またマンネリだなぁって思うかも知れない。
その辺の勝手な観客のニーズと飽きっぽさを、見極めなきゃ行けないんだからやっぱり興行って大変だ。
だからこそ、そういうのを軽々と飛び越える物を見せられるとたまらない気持ちになってしまうね。


久しぶりに、これだけのものが、たったこれだけの人数に、たった1回きりしか見せられないことを心底惜しいと思った。ライブに行っていると、その尊さに慣れてしまうんだけど、これは惜しいし、悔しいと思った。日本中に、これを見たらおもしろいと思う人はきっといる。
FKD48は、彼らが全員これだけに専心できる環境だったらもっととんでもないことになってて良いと思うんだけど、事務所ばらばらだし、お金儲けできないし、テレビの仕事もたまにあるし、そんな中で、ただ(打ち上げ含めて)楽しいから、おもしろいからって以外にさしたる報酬もなさそうなこんな大変なことを続けていることは奇跡みたいなことだ。それの貴重さを忘れさせるくらいに続けていることがまた。


ほんとうは、彼らが全員売れて、FKDができなくなってしまうことが幸せなのかも知れない。でも、それが現実になっても、彼らが年をとって余裕ができたらまたFKDやろうよってなるんじゃないかしら。


今手元にないのだけど、万城目学氏のエッセイに、学生時代の釣りの話があった。昼間から釣りをしながら、おもしろいかどうかわからない本を読んでいた、それが、どんなに贅沢なことだったか今になってわかったけど、あのときはそれが贅沢だなんて全然思わなかったと。


ならば、FKDができている今が、結局一等幸せなんじゃないって、言ってしまいたいよ。問題は、彼らがバイトをしているという現実だけど、でも、そんなん関係ないあの輝く舞台の上では、一等幸せなのはきっと今だと。



今回の本公演は風松ファンとしてもほんとに最高だった。D-konで松原さんがセンターで声張って熱演してたり、五人漫才で風藤さんが一人ツッコミで奮闘してたりでご活躍だったし、ああやっぱり大好きだなぁって思っただけじゃなくて、私の好きなコンビはこんなに素敵だったのかぁと初めて知ったような気持ちだった。ファンとしてとても幸せなことです。FKDありがとう!