この3組で60分

Simple Set HARF
3/8 V-1 16:00


この60分のライブはいつもセレクトが魅力的。三四郎と浜浜とドリーマーズの3組のライブ(仮)も出発点はこのライブだった。今回の出演者はザンゼンジ、ドドん、モグライダーで、K-PROさんによる惹句は「今回は次世代MC候補3組です!」。
出勤になりそうだったので予約していなかったのだけど、休めたので当日券で行ってきた。普段は出演者(つーか風松)で行くライブ決めるのがほとんどだけど、次世代MCと言う括りと企画に惹かれて。やっぱり何が起きるかわからないものほど足を運びたくなる。
ちょっと遅れたので(頭痛がひどくて薬も効かず、15分だけマッサージ屋に駆け込んでいたと言う間抜けな理由)、最初は見られなかったのだけど、OPから趣旨説明を3組それぞれがやり、観客の拍手で一番を決めようという企画をやっていた模様。1位の組がネタ後の企画のMCをやると。私が入ったときはちょうどザンゼンジかつお節を配っていて(笑)、3組そろい踏みした後はケータリングのお菓子を配りまくるという賄賂合戦(笑)。投票結果はドドんの勝利。


モグライダー「バスの運転」
ザンゼンジ「ストーカー」
ドドん「苦行」


ネタはモグライダーで一番笑ったー! 相変わらずどこまで本気かわからない絶妙な掛け合い。そしてバスのアナウンスを異様なまでに完璧にこなす芝さんの底知れなさ。ザンゼンジは尺が長い分、三福さんのねっちょりぶりが増して素晴らしい。ドドんは、石田さんがぶち切れる場面でタイムリーなアメトーーク話を(笑)。


企画は「MC中のハプニングに対応しよう」。
モグライダーによる「ライブにマナーの悪い観客がいたら」(観客役:ザンゼンジ
ザンゼンジによる「MC中に暗転してしまったら」
ドドんによる「MC中に出演者が倒れたら」。


モグライダーはマナーの悪い客をいじったり、混ざったり(笑)。ザンゼンジは武田さんがずっと客席に声をかけ続けて、明転したら三福さんが倒れていて笑いにして素晴らしい。その武田さんを「天性のパニック声」と評した石田さんも素晴らしい。
そしてドドんよ。本物見せてやるーと石田さんが客席を指さしてねめつけ、しゅたっとばかりに前に出て跪くと手を合わせるや読経を初め、その後ろにすーっと安田さんがやってきて客席に向かって一例、すーっと戻ってお焼香の台を回そうとするという流れるような葬儀! 芝さんがその手際に感嘆していた。安田さんが葬儀屋にしか見えないと(笑)。いやほんと、あのいっぺん出てきて戻るのなんて経験者しかできない動きじゃないの!?


3組それぞれの瞬発力の高さが見られたし、正解として森田さんと清和さんからコメントとってきてるのがさすがK-PROさん。よいライブのために、事務所の別なく今の東京随一を持ってこられるのが素晴らしいなー。
森田さんの答えは「確かに言いそう!」と言う感じでちゃんと答えてくれてるのがわかった。清和さんの答えは何かのマニュアルを引き写したのかと思える真面目さで、芝さんだったかが「ANAの機長だよ!」って言ってた。ちなみに「MC中に出演者が倒れたら」のケース、森田さんの答えは「第2の風藤松原が誕生しました。拍手でお送りください!と言って捌けさせる」だった。


企画中、MCやってたドドんの順番になり、安田さんが持ってた進行用のボードをなにげなくでも当たり前のように芝さんに渡したところで不思議とグッときてしまった。安田さんがここからって言っただけでするっと進行し始めた芝さん。この世代が回す未来が見えた気がした。
これは、演出じゃないし、企画の主旨とも関係ないただのワンシーンだけど、私はこれを見にこのライブに来たんだなと思った。
そして、こういう未来への萌芽のような、記録には残らない最初の一滴のようなものが生まれるのは、このメンバーを選び、企画を考え、丁寧に丁寧にライブを作ったからこそで、K-PROさんと出演者が尽くせる人事を尽くしたからこそ、意図を越えたものが生まれるんだろう。
こう言うの見たくてライブに行くのよ私は。


これからもSSHではこういうことがきっとたくさん起きると思う。そこから始まるものもたくさんあると思う。良い作り手は少ないけれど、名編集者はもっと少ない。時間は短くとも、実はどのライブよりも名編集者たるK-PROさんの手腕が遺憾なく発揮される貴重な枠だと思っている。