ひとりなのに

大橋トリオ A BIRD TOUR 2009
7/17 東京キネマ倶楽部 19:30


大橋トリオを聞きたかったのが半分、キネマ倶楽部に行ってみたかったのが半分。
いやー、素晴らしいハコだった! ざっくり調べたので確かではないんですが、そもそもは
キャバレーで、その後無声映画を観ながらお食事できるレストランになって、今の形、らしい。エレベーター降りた途端に出てくるカウンターの無駄な曲線! 無駄な大理石! 無駄に毛足の長い絨毯のような壁! ここですでにだいこうふん。ホールに降りるのは螺旋階段で、もう、高い天井のホールで酒飲んでるだけで気持ち良かったー。
ヨエっ子の最後ここだったんだよな。ぴったりだったろうなー。見たかった。
最近の服装のテーマが「気分はもう戦後」なこともあって、今の気分にぴったりだった。またあそこ行きたいー。できれば2階の椅子席で見たいー。


会場を意識してか出囃子が「ラブユー東京」だったのがいちばん滾った(笑)。実は「そんなことがすてきです。」1曲しか持ってなくて、今回のアルバムも聴かずに行ったのでどれがオリジナルでどれがカバーかもわかんない状態だったんですけどね。あの会場で週末にお酒飲んで聴くゆったりした曲たちはひじょーに贅沢な気分にさせてくれました。
いっこ前のアルバムの曲だからやってくれるかなーと危惧していた「そんなことがすてきです。」はアンコールでやってくれました。やっぱりいいなー……。この曲は、良い曲だし、ほんとに貴重な曲。なんだろうな、夢とか、希望とか、なくても平気なタイプの人間の幸福って生活って、と言うことに答えてくれる希有な曲です。ラブソングじゃない、壮大じゃない、旅立ちもしない、夢も追わない、でもしあわせな曲って、日本にあんまないからさ。


終わった後延々階段を降りて外に出るんだけど、そのときちらっとみえた「ダンスホール新世紀」の内装がまったくキネマ倶楽部のそれと一緒で、この「ワールド会館」の底知れ無さと言ったら、階段中に張り巡らされた張り紙から、この建物が文化財なんかじゃなくがっつり現役でなにかしら(私が知り得ようもない)文化の一端を支えてるんだと思った。
半田先生ここで歌謡曲ナイト開催してくれないかなー。