ドゲンジャーズハイスクール第4話

nico.ms

泣いてしまったー。4話!

元々この覚書を書き始めたのって、2期を見ながら絶対何か隠されてるけど何が隠されてるかもわからないから、自分がその時点でなにをどうわかっていないのか書き留めておきたいと思ったからだった。絶対すっきり終わってグレイトZのこと大好きになっているんだろうなと確信できるからこそ、ここまで何もわからなかったことがわからなくなってしまうのが惜しいと思った。そのくらい何がどうなるかわからなかった。
キタキュウマシンの爆破とか、メイド執事さんの変身とか、あと1期の岩船山もそうかな、3期を見ながら思い返すと、実のあるケレン味というか、さあどうですか!という演出や展開が多かったんだなと思う。新しい作品だものね。

それを経た3期、なんか別に毎週書き留めなくてもいいのかなと思うくらい、びっくりすることも考え込むこともなく、ただただもうほんとにお話自体が良くて良くて。実在の企業と実在のヒーローが、普通じゃない人だらけの架空の街福岡をありありと形作って、そこで普通に生きる人たちを描くことがこんなにしみじみガワ好き福岡好きの心に染みて人間キャストまで好きになってしまうと思わなかった。

「普通」というキーワードに、こんなにいろんな意味で光を当てるとも思ってなかった。「普通でいたくない」真子ちゃん、「普通じゃない業界の中では普通」のMAKOちゃん、「親父に比べたら普通」の2くん、そして「普通がうらやましい」明峰ちゃん。……すごいわ。

1話冒頭の英進館で、がんばって勉強しても平均点っていうの見た時に、これ相当しんどいなと思ったんでした。勉強なんてのはがんばった分結果が出るから頑張れるわけで、がんばっても平均点なのに頑張り続けるってものすごく根性がいると思う。
真子ちゃんは「普通」でなくなるために、もっと良い自分になろうと努力し続けてきた。平均以下になることで普通から脱却することを選ばなかったという時点ですごい頑張り屋さんだなと思ってたんだけど、それは普通(真子にとっての最大限)を褒めてくれる家庭環境のおかげだというのが今回ではっきり描かれていていた。
そうやって褒めて認めてもらってきた真子ちゃんだから、今回あんなに明峰ちゃんのことストレートに褒められたんだろうな。あのシーンで泣いてしまった。

2期ではまだ悩んでいたヤマシロンが、しっかりアドバイスする立場になってたのも良かったなぁ。しかしレッドロンになると台詞の一つ一つが純朴さマシマシに聞こえるのは私だけだろうか。可愛くて不器用で誠実で、本当にこの声が真逆のキタキュウマンと同じ声帯から……信じられん……。
ヤマシロンが一発解決の解答を与えるのではなく、ただ一緒にいるといういつか解決に至る道行を示すだけというのも、ヤマシロンらしいというか、ドゲンジャーズらしいというか。
ああそうか、仲間と共にあることは、ドゲンジャーズ唯一の郷土愛の形だったか。今書きながら思い出した。やっぱり書いとくのいいな。

今回のアクションはカラミーちゃんの人数も見どころだった! やっぱりあの「戦闘社員!」ってワラワラ湧いてくるのいかにも特撮って感じで上がる。ネクタリスさんにとってヤマシロンは「既存の客」。
最初に切袴が真子ちゃん庇うところから、ずっと背後からの攻撃がキーになってる感じだったなー。

画面外の覚書

恒例のNG集とメイキング。今週もありがとうございます。私これなにがNGなのか全くわからないんだけど。


www.youtube.com

今年のGWは書ききれないほど連日イベント続き、それもあっちこっちで同日に複数あったりしてもう大変なことになっている。
もしコロナがなかったら、1期からこんな感じだったんだろうか。それともイベント会社のままだったから、開催されるショーの形はドゲンジャーズ以前に近かったんだろうか。

特に楽しかったのは、5月2日の宙愛ちゃんとシャベリーマンさんの配信。シャベちゃんがすごいしっかり喋ってて、普段のキャスは結構気軽に喋ってるんだなーと思った。宙愛ちゃんのしっかり具合はいつ見てもとても十代とは思えない……。令和の若者ってみんなあんなにしっかりして気遣いできていい子ばっかりなんだろうか……。

twitcasting.tv


www.youtube.com


あとはどんたく! 中継で見られたんだけど楽しかった! あまりに楽しすぎてドゲンジャーズメンバー出ない翌日のパレードも見ていた!


「ドゲンジャーズ」って括りではなく、それぞれの団体であちこちにヒーローがいるの、実在の方のみんなだー!って感じですごく楽しかった。ドゲンジャーズはそんな彼らが集まって演じているフィクションということを、現実の福岡のイベントを見て実感する。相変わらず不思議な物語で、度量の深い街だと思う

ドゲンジャーズハイスクール第3話

nico.ms

ますますおもしろかった! 3話!
ピザの作り方を教えに来たグレイト2くん、前回最後に田中家で練習してたのは対高校生への挨拶だったのね。なんで新しい名乗り考えてるんだろうと思ってた。年下にいいとこ見せたかったんだなぁ。かわいいなぁ。
バイトながらピザクックさんの地産地消の精神をしっかり遵守している2くん。親父に比べたら「普通」という言葉で真子ちゃんの関心がグッと向くところが見事だった。

2くんが実はグレイトZではないこと、それを悪の秘密結社側は知っていてヒーロー側が知らないことについては、ショーの12.5話と、クラファンの台本の12.5話と、芦屋のショーでも触れられていたのでこっちとしてはそれが当然と思っていたのだけど、2くんというか陸にとっては結構重い秘密だったんだなぁと今回初めて気付いた。
考えてみたら、グレイトZはドゲンジャーズをまぁまぁ散々な目に合わせているのに(ドゲンジャーズが許したとはいえ)それを自分がやったこととして背負い込んだの、結構な腹の括りかただよなあ陸。
あ、でも、一番の大乱闘は現実にはなかったことになってるのか! あーそれはすごいな、あれがあるとないではだいぶ違う……。
超越銀河グレイトDXキャノンが養生テープまみれなの、何度も失敗してがっしゃんがっしゃん落としてボロボロなのかと思ったんだけど、よくよく見たらDXグレイトマグナムもDXグレイトボウガンもくっつけてあるのか。彼なりに父を超えようと頑張ってるということかな……。しかし3話になって初回のぶっ飛ばされてたヤバちゃんの詳細が明かされると思ってなかったよ! ほんと何一つ予想通りなことはないよドゲンジャーズ。あのキタキュウマンとの「戦ってから言って?」の会話とても好き。メイド執事さんとの会話も好き。

今回のハイライト、MAKOとグレイト2の「内緒同盟」、すーごい良かった……。なんか、内緒同盟は今まで見たどんなコンビとも似ていなくて、あの二人だからこその可愛さで、その可愛さにびっくりしてしまった自分は、コンビとか男女ペアとかについて本当にステレオタイプに囚われているんだなぁと思った。嫌いなものにこそ囚われがちなんだよな、矛盾するようだけど。
教えるようで教えられて、助けるようで助けられて、先輩後輩でありながら絶妙に対等な二人のアクションかっこよかった! あの2くんの腕にMAKOちゃんがぶら下がるみたいなアクション(技の名前がひとつもわからない)見て、ライト級のヒーローが一人いるとアクションのバリエーションが広がるんだなぁとわかった。

女子高生の描きかたも内緒同盟もステレオタイプから程遠いのに、お約束が好きなあたりのバランスがつくづく面白いと思う。好きな相手が自分が変身した姿に恋しちゃいました! なんて、もう、クリーミィマミからの伝統芸能じゃん大好き。

涼子ちゃんがあまりに働き者なので1話の選挙シーンを確かめたんだけど、別に実行委員ってわけでもないのかな。ただ実行委員長の真子ちゃんと仲良しだからあんなに働いてるんだろうか。キャンセル料で先生を丸め込むし、家庭科の先生に多分何か頼みに行ってるし、山代ガスに根回ししてるし、なんかすごく社会人ぽいというか営業っぽいと言うか、こんなふうに働くNo.2を現実の方の結社でよく見るような……副社長の……

この涼子ちゃんの働き方といい、2くんの「学校ってこんなに朝早かったっけ」といい、普通の会社組織で働くサラリーマンとして「わかるー!」ってなることが多い。大人になってからなんかの用事で学校行くと営業時間(?)の早さにびっくりする。大学に卒業証明を取りに行ったとき思った。
そんなサラリーマンとしては今期はなんか、「新人の指導係をすることは、むしろ先輩社員の成長を促す」という社内教育の基本みたいなのを感じるのだけど、先週のルーキーも今週のグレイト2もドゲンジャーズの中では新人寄りの立ち位置だから、来週のヤマシロンを見てから改めて考えたい。

正蔵さんが元経営者で元経験者って言ってたの、今後の展開と関わりがあるかは置いといて地味に気になった。花形特撮の代表を退いたんだろうか。グレイトZは無期限放送休止って言ってたけど、グレイトシリーズ自体が止まったんだとしたらいったん会社を解散したほうが現実的かなぁ。単に正蔵さんが引退したなら陸が花形特撮で働いてそうな気もするんだが。

そんな社会を知った人々が知ったふうなことを言うのに、反抗するでもなく「大人ってみんなそう言うんですね」という真子ちゃんがすごくよかった。素直で成長期真っ最中の、こういう女の子なんだなっていうのが、なんだかすごくわかる気がした。

画面外の覚書

どうも今期は土曜の夜に前話のメイキングが上がり、本放送後にNGシーンが上がるらしい。
youtu.be

福利厚生がすごい。

youtu.be

鹿児島のショーも上がった。見たかったやつなので嬉しかったんだけど見たら主に人件費の面で度肝抜かれた。

上野のヤマシロヤさんでは福岡より一足先にポップアップが始まり、初日にダンゴさんがいたと聞いて行ったのだけど残念ながら会えなかった。しかし福岡タワーの先端ボールペンはあっという間に売り切れたようなので、行っといてよかった。

京都の方含めて、いろんな人が行っていてみんな優しいなぁと思う。映画館での舞台挨拶でシャベリーマンさんが、こんなにスタッフに愛されている作品は珍しいと言っていたことを思い出した。

ドゲンジャーズハイスクール第2話

nico.ms

今週も楽しかった!
ざっくり今期の大枠が説明された気がする2話。文化祭の明太ピザを作るために企業に協力してもらい、それぞれの企業の代表としてヒーローが高校にやってくる、らしい。
これがドゲンジャーズのスポンサーシップの構造を劇中で再現するということならば、ちょっとメタ好きパロディ好きの端くれとして楽しみすぎてどうかなりそう。
CMと今週初めて流れたOP曲・ED曲の歌詞でざわつくほど、今回のドゲンジャーズとスポンサーは切っても切れない関係で、視聴者としてはまだわからない部分も多いドゲンジャーズのスポンサーの構造を本人から! パロディで! 見せてもらえるんだろうかどうなんだろうか(予想も断定も躊躇われるそれがドゲンジャーズ)。
私は「似顔絵は時に本人より本人に似ている」現象がほんとーに好きなんですよ。ドゲンジャーズの作り方は、普通に企業向け説明会とかあるなら聞きたいくらい興味深いんだけど、パロディで語られるということは、ただ実際を説明されるのとは違って、どうありたいのか、どうなったらよくないのか、どこが誇張され、なにが語られないのか、そういうところが見えたり見えなかったりするわけで。ほんと想像するだけで楽しみだー。いやまだやるかわかんないけどー。

OPは今期も最高で、どの曲も愛されているのにこんなにも「前の曲のままじゃなくて残念」と微塵も思わせない曲出し続けられるものかね。「元鞘」ってワードにすごいシャベさんみを感じたんだけど、原田謙太さんの才能恐ろしい。
この「元鞘」で気になったんだけど、切袴くんの鞘ってもう元の姿とは違ってるんですよね。他にも記憶がないとか、山田家と黒田家ってあんま関係なさそうだけどなんで真子の言葉で目覚めたんだろうとか、切袴くんにまつわる謎が物語の縦軸になるんだろうとは思うんだけど、これはほんとに予想しても何一つかすらない自信があるので謎は謎のままにただ楽しみにしている。名字といえばふくやさんの創業者って「川原」で「山田」ではないんですよねそういえば。

EDはとりあえず各人定点カメラの「踊ってみた」を全員分ください……。私はEDで踊るドラマが大好きです……。歌詞がまた天才で、それぞれのスポンサーにまつわる歌詞でそのヒーローがセンターになってるのすっごく良い。

しかし2話までで放送前予告で出ていたことはもう全部出たような。なんだったら追い越した気がする。まさか福岡タワーのシーンが戦闘じゃないとは……。やっぱり今期の予告情報絞ってたのかなとも思うんだけど、とはいえ2期の予告がそんなに言ってたかっていうとうーん。でも「ヤバイ仮面がヒロイン」っていう大枠は最初から出ていた。3期は「文化祭の実行委員をやります」までで、「その文化祭をヒーローが手伝いにきます」すら言ってなかった。

ヒーローに役割が振られて来週の2くんが「調理係」ってことは、今週の「企画係」はMAKOなんだろうか。真子は初回の「至って普通の食パン少女」だから、どっちかというと「企画係」は涼子ちゃんな気がするんだけどヒーローじゃない。でも真子ちゃんも普通の少女とヒーローを兼務してるわけだから、人だヒーローだの区別はないのかな。涼子ちゃん企画係として優秀すぎた。

涼子ちゃんと真子ちゃんが微笑ましいほどに仲良しとか、真子ちゃんが結構軽くてどこまでも一生懸命とか、大輔くんの煩悶は後悔なのかい恋に落ちちゃったのかい⁉︎とか、人間若者パートはひたすらに可愛いんだけど、この可愛い人たちが住んでいる世界がこれまで見てきたドゲンジャーズの世界と地続きに感じられる理由が、朝ごはんのシーンのお母さんの受け入れの速さでわかった気がした。
動機もポリシーもバラバラなヒーローたちがお互いを尊重し合っていたように、異質な切袴くんをあっさり受け入れるお母さん、そして真子ちゃん涼子ちゃん。さすが太古の昔から大陸に向かって開かれていた土地福岡だなぁ(福岡市博物館常設展による洗脳)。

そんな福岡の悪事を一手に担うヤバイ仮面社長がー! もう! かっっっっっっっこよすぎて! どうしたらいいの!
かっこいいところ書き残そうとしたら今回の社長のセリフ全部起こすことになりそうだったからやめたわ。「こんなガキに負けたの?」からやられっぱなし。あの終始新しいお取引先を品定めするような余裕綽綽の戦闘シーン、あんなかっこいいことあるかね。「セールスポイントは?」とか「普通だねぇ」とか、いかんやっぱり起こしたくなるわ。そして柔らかい腹にねじ込まれる銃口! たまんねー! ルーキーも自分が育てたと言わんばかりだった。「まず俺の一勝ね」「また来週」、爆発四散しても退場はしないというドゲンジャーズ独特のヒーローと悪役の関係が、すっかり定着した自信のあるセリフだった。

先週のシャベリーマン(実は人間・絆された直後に襲いかかってくる・怪人よりやばい)といい、今週のヤバイ仮面(社長の貫禄・めちゃくちゃ強い・すっごいずるい)といい、こんなにも最高のワルやってる悪の秘密結社を見せてもらって良いんですかといいたくなる。ほんとに変わった、魅力的な悪役だ。

画面外の覚書

書き残しておきたい、番組内容とは別のこととしてまず特筆すべきダンゴさんのツイート。


発想も企画もタイミングも素晴らしすぎて絶対買いたい。



さらに今年は主題歌CDの発売が例年より2ヶ月も早く、しかもポップアップに間に合う。



www.youtube.com
さらにさらに、4月10日のショーの動画がもう上がっている。

まだ本編編集中で、放送と同時配信までやっていて大変だろうに、なんかほんとうに働く人が増えたんだな……!って感じる。去年の放送中はやりたいことやこうやればいいということはわかっているのに時間も人手も足りないんだろうなぁと思うこともよくあった。どんなに人が増えてもひとりひとりの大変さには変わりはないと思うけれど、こんなにも楽しませてくれてありがたいなぁと思う。全てが当たり前じゃない。放送されていること自体も。

あとこれは2話放送前のことだけど、YouTube全世界配信のおかげで、韓国で話題になっているらしいことを受けてのシャベさんのツイートもあった。

私も修羅様の写真上げたらすごいたくさんいいねがついた。修羅様の美しさは言葉を越える。

韓国の人がシャベキャスで「女性主人公で興味を持った人が多い」みたいなコメントをしていて思ったんだけど、MAKOって戦隊センターの女性レッドと言えなくもないのかと(そのコメントした人がそういう意味で言ったかはわからない。女性主人公ということから考えて私がそう思い至ったという話)。その視点はなかった。「また赤いわ、明太子の色だわ」と思っていた。
真子ちゃんが恋愛だけではない動機で動いて、男女で区別された役割に囚われない戦いを挑んでいる物語を見ながら、そこに拘泥する意味があるのかどうかわからないし、今まで見てきたフィクションに「女である意味がなければ女は主人公にはなれない」と呈示され続けてきたことの仇を取ってほしいわけでもないのだけど。
恋があっても一人一人を性別に押し込めない物語の登場人物は、こんなにも活き活き輝くのかとただ見惚れている。ずっと当たり前にこういう話が見たかった。