ドゲンジャーズナイスバディ第5話

日曜の夜にめちゃくちゃびっくりしたのですぐなんか書きたかったのだけど、仕事がなかなかわやくちゃで時間が取れない。緊急事態宣言下のイベントの開催の可否が曖昧すぎて、それに伴う印刷物も止まってて動いたら超急ぎっていう。うちみたいなイベントごとあんま関係ない会社でこれじゃあ、イベント専業の会社の大変さなんか人ごとでも背筋が寒くなるわ。

さてテレビの中では平和にヒーローショーが開催されている5話。4話よりエルさん回というか、4話と5話でひとつの話で、時系列も結構行ったり来たりしてました。順序通りいくととにかくフクオカリバーさんとヤマシロンの対決のアクションがかっこよかったー! 1期で息ぴったりの殺陣をしていたヤマシロンとネクタリスさんは、アクターさん的にはヤマシロンとフクオカリバーさんのコンビだったはず確か(齋藤さんのTwitterで見た記憶が)。その2人のヒーローの姿での直接対決が見られるなんて嬉しい。
ところでカラミーの声にちょいちょい笹井さんがいるような気がしたんだけど気のせいかな。声の出演は「悪の秘密結社社員」だけど、笹井さん役員だしな。


時間戻ってキタ・エルバディ。いやーーーーこれもう、これもう来たね! シャベリーマンさんが書くキタキュウマン世界一かっこいい知ってたー! 熱い語りもそうと見せかけて搦手で一矢報いるところも感動をいなそうとしてやっぱりいいとこ持ってっちゃうところも全部まじでほんとに心底かっこいいよ……シャベリーマンさんさすがだよ……。

昔とあるネタ書きの芸人さんが「相方はイケメンていう芯を通せばイケメンに見える」って言ってたのを思い出した。その芸人さんの相方さんはけっっっっしてイケメンではないんだけど(むしろぽちゃっとして愛嬌があるタイプ)、なぜかイケメンのキャラを演じさせるとイケメンに見えてしまうということを指して言った言葉だった。

「イケメンという芯を通す」っておもしろいなと。そんでその芯を通したところでイケメンに見えない人も絶対いる。

現実のキタさんはドゲンジャーズのキタさんとは別人だけど、シャベリーマンさんの「俺が考えた世界一かっこいいキタキュウマン」の芯を通すことはできて、そしてそう見せてしまえる。
演じる方の器もあるんだろうけど、なにより信頼がないと起きない魔法だと思う。書いて演じさせる方の、書かれたものを演じる方の、そして演じられたものを見る方の、演者と書き手への。

そして信頼という意味では、最古参同士に近いキタ・エルコンビの信頼をシャベリーマンさんが描くというのも熱かった。「お前がエルブレイブを語るな」は本心であれ陽動であれ、キタキュウマンにしか言えない台詞だし、エルさんの「キタキュウマンだってすごいんだぞー!」がいかにもエルさんらしい熱さでこの台詞大好きだった。
シャベさんの副音声でエルさんのとある一言がアドリブであると明かされていたけど(有料だからどこまで書いていいかわからん)、それはさらにダイレクトに現実のエルさんとキタさんの関係が反映されてると思うと余計にグッと来ちゃうね。そうかーエルさんはキタキュウマンがああいうこというのをそう解釈するんだーと。
いやーほんと全部見せ場しかなかった。最高だった。もう関家具さんの第一工場にも感謝したい気持ち。


だざいふ遊園地に場面変わってここからがまた怒涛だったんだが、ドゲンジャーズってだいたい最後の1分くらいで「えー!」って叫んで、予告でまた「ええええー⁉︎」ってなるの毎週っていうか1期からずっとそうなんだけど、性懲りもなく、えー! グレイトZ2体いるのー⁉︎
確かになんか襟足すっきりしてんなと思った。これはあれか、アトラク用と撮影用ってやつか、とこの時は納得していた。相変わらず情報量多すぎるのにミリもあらすじわからない次週予告が「特撮見たことないの?」という狙いすました煽りのようなタイトルだったので、それもあって。特撮ショーのお約束みたいなことをやるのかなと。
といいつつ私は2年くらい前に突然シンケンジャー見てはまった人間なので、特撮のお約束とかそんなにちゃんとはわかってないんですが。ただ、ほんとに数回だけどヒーローショーは見ていて(Gロッソとひらパー)、「おおそうか声が違うというのは当たり前に受け入れることなのね」とかは思ったことがありました。
だから、ドゲンジャーズのショーを見て「声が本人だ!」と感動したし、その感動を聞かされたローカルヒーローご本人たちが「声が本人なんて当たり前だと思ってた」と言ってたのも知ってました。
そんな東映のザ・特撮とは前提が違い、でも確かに特撮である彼らがいう「特撮見たことないの?」なんて、メタ好きとして楽しみすぎる。そしてメタルくんも出る! OPにずっといるのがフェイクで最終回だけとかじゃなくてよかった! 楽しみすぎるー!

となってから数時間後、Twitterでこちらのツイートを拝見しました。

2人……うんガワは2体いたよなアトラク用と撮影用……。ショーに出てたのは花形特撮のアクターさんとかじゃ……それこそショーは声前録りだし……。

……(鈍いのでピンときていない)。

待てよ、今日確かグレイトZ「『私』が行かないと駄目か」って言ったよな。1話でヤバちゃん連れ去る前に、「ヤバイ仮面はこれから『俺』が面倒見るから」って言ってたぞ⁉︎(連れ去られるシーンが好きすぎて100回見てたのがばれる)笹井さんの脚本で意図しない一人称のブレなんてありえない。中身が2人いるってこと⁉︎(やっと気づいた)

いやまだショーの時は「俺」で、撮影の時は「私」という可能性もあるぞってもう布団に入ってたんだけど起きて1話から全部見返しました。
1話:ショー終わりの乱入から採石場まで全部「俺」
2話:撮影中全部「俺」(ちなみに陸の一人称は「俺」)
3話:撮影中「俺」、大賀薬局前に転移してから「私」、メイド執事さんに手を差し伸べるところだけ「俺」
4話:CM撮影時「私」
5話:だざいふ遊園地では「俺」、関家具では「私」

ショーか撮影かの差じゃない。5話の最後を見ていなければ陸が二重人格でコーラで入れ替わるとかかと思ったんだけど、もう明らかに2人いるもんなぁ。だざいふ遊園地でのショーはアフェクトシステムで立体映像出してるとか……とも思ったけど、映像ならアトラク用の軽装にする必要ないんだよな。あと、明らかに動きがよろよろしてたのもそんなんする必要ない。

話は逸れるけど、このだざいふのショーといい、福岡市博物館前の気乗りしない社長のへっぴり腰といい、アクターさんてかっこいい動きに精通してるが故に「かっこ悪い動き」もできるのすごいなぁ。

アフェクトシステムがあるないで人称が変わるわけじゃないってことは、中身もガワも2人ずついて、基本アフェクトシステムついてる方のガワが稼働してるけどダブルヘッダーの時だけアトラク用を使うのではという予想を立てたのだがどうだろう。
で、中身。多分「俺」の方は陸として「私」は誰なんだ。「私が行かないと駄目か」って言ってたあたり、明らかに自分を陸より格上と思ってそう。上司か父か兄か……?

なんにせよグレイトZが2人いるなら、先週書いた「新ヒーローなのに2期の物語の中ではラスボス的立ち位置でこれはどうやっていくんだろう」が全部解決する。だってグレイトZは結社のキャラクターじゃなくてピザクックさんのキャラクターだから(現実を加味しないわけにいかないのがドゲンジャーズの醍醐味と思う)、今後、ヒーローショーとかイベントとか結社と一緒にやってくでしょう。いくらドゲンジャーズと現実が別軸だって言っても、お子さんたちは圧倒的にドゲンジャーズ見てグレイトZを知るだろうから、倒されてたら説明が大変。
「私」のグレイトZがラスボスでも、「俺」のグレイトZがいるならそれ全部クリアだわ。すごい。すごすぎる。ただの予想だしたぶんこれ上回ってまだ想像の上をいくことが起きるだろうけど! しかも複数!
最後には陸もグレイトZも好きになると思ってたけど、こうくるかー……(まだ仮説です)。こないだ陸のこと「嫌いになれない」って書いたけど、全部笹井さんの導線通りに感情動かされてる気がするな……。だってだざいふ遊園地にいたグレイトZが陸なら、明らかに「私」のグレイトZよりかわいいもの。喧嘩してるヤマフクコンビを攻撃するどころか困ってたもの。いやほんと出てる役者に損をさせないと言えば野木亜紀子かシャベリーマンかですよ(敬称略・2回目)。

3期も決定して本来ならそれだけでも祝宴開きたいくらいめでたいことですが、今は次週ですら手一杯なのでとりあえずなんかズルして即6話見られないですかね。そんなことしなくてももう明々後日ですが。

追記:

エントリ上げた後お友達のこのツイートを見まして、あっ冒頭の所か見逃してた! 確認して追記しよ!って見直したら明らかに声が違いません!?
えっ「私」グレイトZも声は勝大くんだよね……? まさか3人目がいるの……? なんかナッツか胡桃でも砕くみたいな音もしたぞ……?
キタキュウマシン爆破にびっくりし、メイド執事さんの新フォームにびっくりし、よくこんなに隠してられるなぁとか思ってたらこっちが気づいてないことがわんさか出てくるってまじで何も読めないどんだけ仕込んでるの! 

ドゲンジャーズナイスバディ第4話

エルブレイブ回かと思いきや、キタキュウマンがトレンド入りした4話。いきなり予告の話するのもどうかと思うが、ロッカールームにいるのがエルさんだとしたら「脱ぐ」は来週のことなのかな。
エルさんに限らず、伏線というか前振りというか、後々効いてくるんだろうなという描写が多かった。全部わかってから読み返して「見当違いだったわー」というために書いているとはいえ、明らかに明かされてない(変な言い方だな)ところを無理に想像するのも違うし、逆張りも書きたくないので今回一番好きだったところを書きます。

ヒーローハウスにいるシャベリンの衣装最高!

あの、会社に行く服しか持ってない感素晴らしい。プライベートがなさそうなシャベリンのパーソナリティを端的に表している! ていうかヒーローハウスにいるときのシャベリンの言うことも立ち居振る舞いも全部好きだった。「グレイトZ様の御前ぞ」「お電話ですよ」「あっ、お出になられた……」とかの絶対台本にないであろうちょこちょこしたセリフ、ドゲンジャーズはどのキャラクターでも多いけど、これは「役者が本人役をやってる」みたいな特異な状況だからあり得ることだよなぁ。何しろ本人だから、いかにも本人の言いそうなことをよくわかってらっしゃる。これのあとのガリア君の「クソエイム!」もそうだけど。
こういうちょっとのことが楽しくて、片っ端から拾ってしまうからつい「情報量が多い」と言ってしまうけど、それもちょっと違うんだろうな。それぞれがそれぞれらしく画面中で好き放題してるから目も耳も足りない。
シャベリンが博多弁で社長張り倒すところなんかうわーこういうの好きなのばれてますねーと言いながらすでに何回見たかわからないのだけど、ここ普通に話が進んでるけど、微妙に捻れてるのが面白いなと。
社長は自分を裏切ったシャベリンを裏切者と言い、シャベリンは会社を裏切ったメイド執事さんを裏切者と思っている。
メイド執事さんにとって会社=社長なのは明らかだけど、シャベリンがここどう思ってるかだよなー。会社の安泰=社長のためと思ってるのかどうなのか。思ってそうだと思うんだけど。シャベリンに夢見すぎかしら。
あの「裏切ったんですよ」からの社長とシャベリンのトーンが変わるところとても良かった……。やっぱり結社の怪人はみんなセクシーだ……。ところでメイド執事さんがドゲンジャーズ倒したらまずいんじゃない社長。

捻れてるといえば、グレイトZって新ヒーローなのに2期の物語の中ではラスボス的立ち位置でこれはどうやっていくんだろうと思ってたら、まさか前作でいいとこかっさらっていったキタキュウマンが4話ほぼ全編悪役ムーブしていて、こんな方法あるかいと大笑いしてしまった。いやいくら修羅の国でも、背後から銃突きつけて不意打ちするヒーローいる⁉︎(笑)メイド執事さんもエルさんも煽る煽る。でもこっちのが素というか、実在ラインに近いんだろうな(改めてすごいヒーローだな)。
キタキュウマンの銃が使えなかったのって、ほんとに壊れてたんですかね。オーガマンはやくいく手帳で、ルーキーはエンブレムでチャージしてたから何かしないと使えないのかと思ったんだけど、エルさんは普通に撃ててたよな。
強い武器も強い相手役も出てきたのに強さがインフレしない、なぜなら銃が壊れてるからって斬新だ……。

そんな強すぎるグレイトZ、今更ですが勝大くんの声めっちゃいいな!
アテレコに強いってのはニチアサ出身者の強力な武器だけど、それにしたってうまい。見るまではグレイトZは見た目もごついしなにしろ高岩さんなので重々しくて、勝大くんの声は若々しすぎて合うのかしらとか思ってたんだけど失礼しましたすごい合う。特に「やっぱり話になんないな」のあのイラッとした感じなのに華があるとこ、すごいセンター感だった。

今作はタイトルに「バディ」を掲げているけど、一期からすでにドゲンジャーズは一対一の対話役、各々の理解者を結構大事にして配置していた。その意味だと、今のところ陸くんの一番の理解者って社長なんだよなー。まだ全然わからないグレイトZの正義を、少なくとも社長は「苦手だわー」って程度に理解している。
なんだかんだ言って結構仲良くなってるんじゃないだろうか。「これでもうさみしくないな」ってたぶんヤバちゃんはさみしくて駄々こねてるんじゃないと思うよ⁉︎ でもそのズレてるけど自信満々なとこ、ほんとヒロインを振り回す王道主人公で嫌いになれないよ……! あと距離が近い。勝大くんのガワにぐいぐい行くお芝居がニックあってこそという話をニコ生で聞いて、ゴバス大好きなものとしてはかなりグッときました。
そうか、書いてて気づいたけどオーガマンと田中くん、ヤバイ仮面と陸くんって対比として物凄くちょうどいいな。正義と悪の最強同士、変身前同士。グレイトZありきで考えてたけど、そういうこともあるか。
社長、ほんとに誰を選ぶんだろう選ばないんだろう。

選ぶとか言いたくない

1日から5日までまるっと博多に行ってるつもりで飛行機もホテルも取ってたんですが、コロナの感染拡大状況を見て直前でやめました。
一人なら外でご飯食べてもまぁ大丈夫だろうと思ってたんですが、変異株の感染力の強さを聞くとこれ外でマスク外したらもうアウトなのではという気がしてきて、自分で考えて自分で決めたので納得してたはずなんですが。
4日になってみたらかしいかえんに行けなかったことに自分でもびっくりするくらい落ち込んで、こんなに落ち込むなら結果コロナになろうとも行ったほうが良かったんじゃないかと真剣に思いました。
そんでまぁ、私は「見たいものが見られない」ということを本当にはわかってなかったなと思ったりしたことを書こうかと思ったのだけど、何書いても拗ねてるか水差してるかにしか見えないだろうと思ったので、気持ちを立て直すために読んだ『急に具合が悪くなる』から何節か引きます。

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる

確かに未来の死は確実ですが、しかし、なぜ、その未来の死から今を考えないといけないのでしょうか。それはまるで未来のために今を使うみたいじゃないですか。(P27・宮野)

数多くの「かもしれない」を無視することにも困難が伴います。なぜならこの「かもしれない」は運命論的な物語の中で示され、そこで示される数々のリスクがあたかも自分の身に降りかかるかのようにしめされるからです。(P40〜41・磯野)

不運という理不尽さを受け入れた先で自分の人生が固定されていくとき、不幸という物語が始まるような気がするのです。(P116・宮野)

不運は点、不幸は線と考えるとすっきりすると感じます。貯蔵庫が休憩中に倒れたきたのは不運だけど、それを自分の人生の中にどう位置づけるかでその意味付けが大きく変わり、不幸にも、笑い話にも、取るに足らない出来事にすることもできる。その意味で、不運は他にもありえた可能性を横一列に並べて指差すことで作られます。
一方で、不幸は起こった出来事を過去と未来の中に位置づけ、そこに意味を与えた結果の産物です。(P124・磯野)

結局、私たちはそこに現れた偶然を出来上がった「事柄」のように選択することなどできません。では、何が選べるのか。この先不確定に動く自分のどんな人生であれば引き受けられるのか、どんな自分なら許せるのか、それを問うことしかできません。そのなかで選ぶのです。だとしたら、選ぶときには自分という存在は確定していない。選ぶことで自分を見出すのです。選ぶとは、「それはあなたが決めたことだから」ではなく、「選び、決めたこと」の先で「自分」という存在が産まれてくる、そんな行為だと言えるでしょう。(P228〜P229・宮野)

ほんとうに具合が悪くなって、モルヒネを打ちながら書いた哲学者の言葉を、たかが現場に行けないだけのオタクが頼りにするのもあれかもしれない。しかしこの1年、一応命の危険に晒されて、選択とその結果を自己責任として負わされ続けた(そして現在進行形で今が過去最悪に状況が悪い)ことは、こういう知を借りないと正気でいられない事態だと思う。
私は自分で行かないことを選んだと思ったけど、その選んだ結果現れる「行かなかった自分」を想像できていなくて、当日になってあんなにずどんと落ち込んだんだなと、とりあえずそれだけはわかった。最後の引用の次には「選択において決断されるのは、当該の事柄ではなく、不確定性/偶然性を含んだ事柄に対応する自己の生き方であるということ」という文章もある。
ただ現場に行くか行かないかではなく、行った後の自分、行かなかった後の自分を肯定できるかどうかということで、単に見られなくて悔しいとかそういう話ではないんだと思う。だからこんなに悩むしこんなに落ち込む。
私の周りはオタクばっかりなので、私が悩んでるときに相談しても頭ごなしに遠征を否定されることはなかったのだけど、人によっては娯楽と死ぬかもしれない病気に罹るリスクは比べられるもんじゃないと言われるかもしれない。でも、オタクとしての自分が死ぬかもしれないなら秤にかけてしまうと思う。そうやって生きてきたんだもの。