あの頃のトッパレ

行列の先頭49
5/18(土) 西新宿ナルゲキ 19:00

K-PROさん20周年の記念興行に浜口浜村が限定復活すると聞いたので、オンラインサロンに入って待っていた。慌てず取れてありがたい限りだった。
行列の先頭は、行列の先頭と言いつつメンツが明らかにトッパレだった。しかも私が行ってた、しもきた空間リバティの頃のトッパレ。
20周年の原点回帰が「行列の先頭」なのはわかるけど、なぜ内容があの頃のトッパレなんだろうというのは不思議だった。不思議といえば、K-PROさんのいう「あの頃」も。
私にとって「あの頃」は、自分が行ってた2009〜2015年しかないけど、長くやってるK-PROさんには時代ごといくつかの「あの頃」があって、それが自分の「あの頃」と合致するときだけ私が反応してしまってるんだろうと思っていた。合格発表の受験番号とか、自分の番号の有無はすぐわかるけど、その5番前の人が落ちてるかなんかわかんないじゃん。そんな感じで。例えわかりづらいな。
しかしこのライブにまつわるツイートを見ていると、どうもはっきり2014年ごろを指している。でもその理由は書いていない。
ずっと成長し続けていて、あの頃より今の方がK-PROさんの規模は大きくなっているしスタッフも多いし劇場はあるし看板犬もいるのに、K-PROさんにとって「あの頃」はなんで特別なんだろう。いつか児島さんのトークライブで聴けたらいいなと思っている。そんな児島さん、またテレビの密着がついていた。誰よりも児島さんが売れている。

OPMC スパローズ

児島さんもちょっと呼び込んでいじる。ネタのオファーは8回断った。「しゃべってるだけで漫才になっちゃうな!」と飛びつく森田さんを本気ではたき落とす大和さん。スパローズだー! 後から気づいたのだけど、どう見てもトッパレだけどバトルじゃないので集計中の企画コーナーがないんだから、 MCいなくてもいいっちゃいいライブだった。それでもスパローズに MCを頼んだということがこのライブの意味なんだろう。

前半ブロック

三拍子「7秒で伝える」
エルシャラカーニ「コップとカップ
THE GEESE「合コン」
磁石「ホスト」

がなりの代わりに懐かしの映像が流れたのだけど、三拍子久保さんがそれを踏まえてハットを被って出てきた。磁石の「えー! ちょうど⁉︎」はここだったかな? このギャグでほんとにちょうどなの初めて見たよ(笑)。

中盤ブロック

ジグザグジギー「ピザ回しの研修」
ラブレターズ高校野球
三四郎「我慢できない」
浜口浜村「ビーム→確認作業→顎はずれ男→四股(新ネタ)」

三四郎のネタ久々に見たんだけど、やっぱり最高に面白いなと思った……。力技でありながらあの他の追随を許さない洗練されたフレーズの数々よ。浜浜は懐かしいネタから新ネタまで、13分半。ネタの間だけ漫才師でいられるのだから、1秒でも長くやればいいと思って見ていた。9年ぶりの浜浜、泣いちゃうかなと思ってたんだけど、スーツ姿の浜口さんがあまりにもあの頃のままの佇まいで、立ち居振る舞いも漫才師で、先月もトッパレ(A)で見ましたっけみたいな気持ちになって全然泣かなかった。どうして9年一般人をやっていて、呼ばれたら即漫才師になって、しかもあの奇想天外な世界にスッと馴染めるの。浜口浜村の漫才は、やっぱり浜口浜村ふたりにしかできないしふたりでないとできないんだなと思いながら笑っていた。

後半ブロック

流れ星⭐︎「読み聞かせ」
ハマカーン「おじさんの話/コンビで一致」
モグライダー「大谷選手」
ウエストランドパワハラ

流れ星⭐︎、ちゅうえいさんのあの何でも盆踊りの歌にするスキルと歌唱力、なんらかのお金を生めるのではないか。何歌ってもドラマチックにしてしまう溜口さんと双璧だと思う。途中で「ゲートボーラー米蔵」やってくれたー! いつ聞いても素晴らしい完成度。もはや伝統芸能ハマカーンが年を重ねて、ネタの内容とニンが一致してますます面白くなっていた。そして浜谷さんの腕と胸囲がすごいことになっていた。今浅草出てるのか。モグライダーは、枕で訥々と話す柴さんの佇まいが素晴らしかった。ライブ以外にも話題が豊富にあることが裏打ちになっているのか泰然としていて、「テレビで見ない日はなく」が冗談でもなんでもなく、ベテラン漫才師の風格が出ている……と思ったらとんでもねーネタだった(笑)。問題作すぎる(笑)。ウエストランドは謝罪から入ったもののいつも通りの安定感で、二人とも紺とピンクのスーツだったんだけど、靴下の色がそれぞれ紺とピンクなんだなと思った。

全組めちゃくちゃ面白くて、特に流れ星⭐︎と三四郎では体を折って笑ってしまった。あの頃もトッパレは全組受けてたし、事務所ライブ追いかけてるコンビでない限りそこで初めて見るネタも多くて、改めてどんだけ贅沢だったんだ。
トークコーナーで、たきうえさんが浜浜が解散してたことを知らなかったり、池田さんが森田さんに二億を振られてたり、井口さんが尾関さんと池田さんに挟まれてたり、もうあの頃とぜんっぜん変わってなくて、あと今書きながら思ったけど、個人名を調べるまでもなく知ってる人しか出てなかったんだなと改めて(最近のライブ行ってないけど、ごく稀に行くとコンビ名はギリわかっても個人名がわからないのでブログ書こうとすると全部ググらないといけないのでものすごく面倒。宣材写真の名前のところに立ち位置の左右が書いてないと殺意を覚える)。
どんな仕事してるの?って聞かれた浜口さんが、顔色ひとつ変えずスラスラと嘘を言うの、懐かしかった……。一般人のスキルじゃないよね⁉︎

奇しくもお笑いゾンビが墓から出てくるTHE SECONDの放送日で、しかもこのライブがチケ代5,000円だったものだから、「タダで見られるTHE SECOND見ないで5,000円払ってここにきてる客全員頭おかしい」って言われる言われる。懐かしかったー。あの頃も散々言われたわ。こんなん見にくる客全員おかしいって。ばばーりんだったかな、かつて「お笑いドスケベ」って言ってたのは。懐かしかった。好きだったなーああやって罵倒されるの。共犯だと思わせてくれてたんだよな。
共犯といえば、私も「ナルゲキ行ってるからザセカのTLに混ざれないのは残念だな」とはちょっと思った。もう死に体のXにそんな連帯を感じることもまずないので、それも懐かしかった。











あの頃当たり前に見ていたものが、K-PROさんにとっても20周年の記念に据えるほどのものだったなんて、あの頃は知る由もなかった。でも、比較対象を知らずともそんなにおもしろいものばかりだったから、あんなに通ってたんだよなぁ。
今振り返ると、在宅勤務もないフル出勤で、しかもあの頃千葉に住んでたから下北沢まで1時間半とかかかってたのに、「ライブは平日2日、土日どっちかの週3がちょうどいいわー。土日両方はきついわー」とか言ってたの、正気の沙汰と思えない。どうやって仕事してたんだろう。そしてあの頃の友達に会うとみんなが言う、「ご飯も食べずにABCマートのシャッターの前で延々突っ立って喋ってた」。芸人さんどころか撤収作業済んだK-PROスタッフさんが降りてきて顔合わせてしまうこともよくあった。出待ちする芸人さんもいないのに(全員とっくに打ち上げに行っている)なにしてんだろうって思われてただろうなぁ。楽しかったんです。帰るのも惜しいくらいに楽しかった。

これはエモすぎる。あの時は太田贔屓の私もオレンジ見に行ったもんな。こんな揃ってるなら見ておかないとって。NSC何期という概念がない他事務所で、世代が揃っていることの大切さを教えてくれたのはマセキだった。

ラブレターズが「階段腰掛け男」で、浜口さんの話をしていて(24分40秒くらい)

www.youtube.com


その答え合わせのような三福さんのつぶやき。