大阪に行ってきました

8/3 大阪・LIVE cafe道頓堀ZAZA HOUSE
14:00 東西ツッコミ芸人祭り(仮)in大阪
17:00 三四郎浜口浜村・ドリーマーズの3組のライブ(仮)in大阪


大阪に行って帰ってきまして、何をおいてもまず滋賀激推しエントリを書きたいところだけど大阪も満喫してきました。つけ麺1回うどん1回。ライブが2回。ライブはどっちも楽しかったです。


しかしナタリーさん、大阪まで来ていたとはさすがの一言。
お笑いナタリー|即興漫才も、橋本&小宮が東西ツッコミ対決


終わった後、新幹線で寝落ちる寸前に、浜口浜村が好きやよ、とツイートしていて、まぁ言うまでもなく川上未映子の名文「私はゴッホにゆうたりたい」のオマージュというかまねっこなのだけど(その割に好きの表記が漢字になっちゃってるあたり詰めが甘いんだけど)、私が「好きやよ」と書くのは違う世界の人に対する「好き」の最大級を表したいときだけで、こう書くときは、いつも、あの名文を全部を心の中で読み上げてその対象に捧げる気持ちで好きだと書いている。めったにない、そのくらい、浜口浜村が好きだと思った。改めて、初めて?
あの3組の括りが好きなだけに、終わった時3組の印象よりとにかく浜口浜村!という気持ちになったのは3組のライブの感想としては残念っちゃ残念なのだけど、しかし贔屓の漫才師のあんな良いところを見て何をか不服に思えようかというなかなかにアンビバレンツな感情をかかえてとりあえずうどんを食べに行ったのでわりと大丈夫。
しかし大阪開催でも、ほんとーにびっくりするほどいつもどーりの3組のライブだった。いやよくぐだる企画あたりは大阪では変えてくるかなーと思ってたら結構オチなく終わったので、あ、ほんとにいつも通りだわと(笑)。最初が自己紹介のネタで始まったのだけがちがうところか。ネタから始まるのはとても良かった。


昼の東西ツッコミ芸人祭りで、学天即奥田さんが浜口浜村二人を相手取ってトークした時。浜村さんは出てきてすぐなかなかのワードをぶっこんだ上、この3年くらい真面目に話すようにしてたけど今日は好きにやっていいんですよねー!と言うようなことを叫んでいた。そして奥田さんに飴を渡していた。やっぱり意識してふるまいを変えていたのかぁ。
いつのころからか浜口浜村が企画を壊さなくなったなあと言うのは感じていて、客席から見てる方としてはたいへん見やすくなったのでそれは良いことなのだ、ああいうのはやっちゃいけないことなのだと思っていたのだけど、やっちゃいけないことなんてないんだな。ひとつも。あんな全開の浜村さんを久しぶりに見たし、もしかしたら初めてかもしれない。そしたら、やっぱりすごく好きだった。もちろんあの暴走を全部笑いに変えて成立させた奥田さんの手腕あってのことだけど。いやもうほんとにすごかった。すごすぎてよく覚えてない。馬鹿にするでもいなすでも無視するでもなく、ちゃんと浜口浜村に翻弄されて、その上で切り込んで笑いにして。最後の最後、浜村さんが「2005年のM-1倉本美津留さんに絶賛された桃太郎のネタの方に……」とへらへらと話しだしたときに、まためちゃくちゃ古い話を……と驚きながらも受け止めていた奥田さん素敵だったなー。浜村さん、あれどうしても言いたかったんだろうな。
全開の浜村さんは、普段の浜口浜村の漫才に感じる良いところ、素敵なところ、毒なところ、退くようなところ、そういうのは全部ここが源流なんだな、この幹から伸びた枝に成る実を受け止めているようなものなんだなって思った。


昼も夜も企画で「浜口さんに突っ込む」というゲームが出された。課題になるほどのボケ。処理できない方が普通のボケ。そこで登場した浜口さんの小道具……と言うにはでかすぎるかぶりもの。あれを大阪で4つも見るなんて夢にも思わなかった。度肝を抜かれるとはあのことだった。たぶん、私は見ていないトッパレ(A)のドラムロールボケに端を発してるんだろうけど、東京でも処理しきれないあれを、大阪でやらせた、それもコーナーで、しかも昼夜って。苦笑いで流すのが正解かと思っていたあれも、やって良いことなのか。誰かに逃げずに対峙せよって言って良いものなのか。浜口さんの魚のかぶり物(三枚おろし後くんというらしい)が自分の小骨を飲んだ時に橋本さんが言った「セルフカルシウム!」って突っ込みは一人でも多くの人の記憶に1秒でも長く残ってほしい。


そして夜の3組のライブのでの本ネタ。浜口浜村のネタの1本目は「じゃんけん」で、それは何とも思わなかったんだけど、2本目が「空手」だったので、はれ、ずいぶんオーソドックスと言うか攻めないネタ選び……と肩すかしを食らったような気持ちになった。
ところがえらいテンポが早くて、そのままちゃっちゃとオチまで行っちゃったもんだからこれずいぶん短くないかと思ったら、浜村さんが、こういう構造(って言ったか仕掛けって言ったか言葉は忘れたけど)のネタが結構あるのでそういうネタをあと2本やりますと言って始まったのが「缶コーヒー」、続けて「サブリミナル」! そうきたかー!(ネタ名は適当です)
自分が浜口浜村のネタに「何か」を期待していることにすら気づいていなかったけど、「缶コーヒー」が始まったときのカタルシスは自分でも気づいていなかった「何か」を満たして余りあった。
大阪だから、と言うのに限らず、浜口浜村は絶対にそのライブでかける意味のあるネタをやってくれる。ライブと漫才が一期一会。実はすごく贅沢なことに慣れていたんだなとあの「空手」を見ている間の違和感で知った。


3組のライブを大阪でやると決まった時から行くと決めていた。これが行列の先頭の大阪開催だったら逆に私は行かないかも知れない。絶対確実過ぎるから。関西の方にお任せする。つまりは何が見られるかわからないから自分で見るしかなくて大阪まで行ったのだけど、それにしたってまさか大阪で、東京より濃い浜口浜村を見ると思わなかった。名古屋出身だけどそれは関係ないよなぁ。
浜村さんも浜口さんも、全開にしたらいけないんだと思ってた。それでおもしろくなるのは自主ライブだけだと。違ったんだな。勝手に好きな人の限界を決めるなんてよろしくない。ライブの限界も。
あの3組が同じ板の上にいるうちに、あんなふうに全開の浜口浜村が東京の誰かの手腕で昇華されることがあるんだろうか。あるいは浜口浜村本人によって。次回の3組のライブは8/27だけど、それはちょっと近い未来すぎるか。いや決めつけるのはよくない。