闇市

闇市
3/30(日)AHK studio
昼の部13:00〜15:00
夜の部17:00〜19:00
残業の部19:01〜

イベント後(前でも)にこういうの出してもらえるとすごく助かる。直後は覚えていても、しばらくして何かのタグつけてあげるときに、どの写真が上げちゃダメなのかすっかり忘れてたりするから。まぁXではもうタグ遊びをすることはないとは思うけど。

前日のバスツアーを断念してこっちにした理由はチケ取り記録の方に書いたのだけど、そもそも発表になった時から闇市は絶対行くつもりだった。なぜなら行った人に話を聞いたところで、どんなイベントだったかさっぱりわからないだろうと思ったから。

内容は、文字で書けば、物販のセールと、闇オークションと、チェキなのだけど、これでは何も説明できない。とはいえ他の言葉を尽くしたところで、やっぱり説明できない。あのイベントがなんであんなに訳わからないくらい楽しかったか。

私は、いまだに行きたかったと臍を噛むイベントがあって、それが結社が警固にあったときの最後のグッズ販売と、ど平日に突然あった撮影会である。ヤバちゃんがもくてるりぶに、2くんがピザクックやよい坂店に出たやつ。どっちも無料。前者はコロナ禍の移動制限があって行けず、後者は平日開催で告知が前日か前々日くらいで何をどうやっても行けなかった。

高額なイベントにも、立派なホールのイベントにも行って、それでもまだあの無料のイベントに行きたかった。行ったイベントの記憶はどんどん薄れるくせに、行けなかったが故にいまだに覚えている。

闇市でグッズ販売すると聞いて、あの時警固にいけなかった気持ちが少しはおさまるのかしらと思ったのだけど、別に変わらなかった。そりゃそうだ別物だもの。でも闇市がすごく楽しかったので闇市に行けてよかった。

「失ったもの、与えられなかったものを思って、嘆くのはやめよう」。駅から結社に向かっている時に、このフレーズを思い出した。そうね、その域に達したいものね、と思う。

さっきのフレーズは北村薫『スキップ』の一節で、この後にかの有名なこの文章が来る。

昨日という日があったらしい。明日という日があるらしい。だが、わたしには今がある。

行けなかった過去のイベントを悔やみ、とれるかわからない未来のチケットにくよくよしてばかりいる私がこの境地に至れるのはほんとうにごく僅かな時なのだけど、闇市にいる間中楽しくて楽しくて、今ここにいられてよかったなと思った。こんなふうに、終わる前から今ここにいる私を未来の私は羨ましがるだろうなと感じるイベントはそう多くない。

だからなるべく覚えていたいなと思った。笹井さんの背中が丸かったこととか、ユーダイさんがライターを探していたこととか、大塚さんにチェキカメラを貸してもらったらいじけてたこととか、奥からどんどん椅子が出てきたこととか(出してくれてたのはイベント出演者ではない社員の方だったので名前は控える)、ロッカーに貼ってあるテプラが可愛かったこととか。

ユーダイさんがヘリウム吸ってる絵がなかなかやばかったこととか、笹井さんが片目が光ってるサインを気に入っていたこととか、笹井さんがチェキの撮りすぎで魂抜かれそうになっていたこととか、たまにチェキに呼ばれて駆けつけるユーダイさんと大塚さんとか。

「私がやりました」の写真を撮られるユーダイさんとか、マスクの行商をする笹井さんとか。

手紙を書いたりしている時にふと、先のことばかり考えているであろうイベント主催者の人たちと、もう行けっこない過去のイベントのことを考えている私の間には、どれほどの乖離があるのだろうと途方に暮れる時がある。でも、イベントの間は同じ時間を過ごしている。どちらを見ていても、今、この瞬間はあるのだと。

今となってはまた過去を懐かしむことになってしまうのだけど、あの時は今だった。今の全部の瞬間が楽しかった。