言語遊戯王感想

始めての言語遊戯王。意外だったのは「下の句の文言が結構長い」、そして上の句が「人名だけ」と言うことでした。
助詞が下の句についているので上の句が名詞だけなのは当然なんですが、それこそ「カルガモの親子」とか「3日前のパン」とかもあるのかと思ってました。
人名と言うことは、皆が知ってる有名人の名前と言うことで、その人に対するパブリックイメージや、観客それぞれのイメージがまず存在する。
下の句を出すことによって、その共通だったり各々だったりする「人」のイメージをずらしたり、別のイメージを産んだりして笑いを産む、と言うゲームでした。
まず持っているイメージ、それからずらされたイメージ、ずらされなかったりするイメージ、突然現れるシチュエーション、画面に現れるのは文字だけだけど、頭の中はかなり映像的に想像させるゲームでした。
確かに「3日前のパン」とかが入ってくると想像もつかないし意味もわかんないけど漠然と笑える文章とか、できちゃいそうだなぁ。


またそこにプレイヤーの個性とかバックボーンとかが入ってくるから、同じカードでもその人にしか産めないイメージがあらわれる。
そう言う点で、決勝のふたりはカードの引きがほんとに強かった。この人がこのカードを出すからおもしろい!てのがわかりやすかった。
1回戦第2試合で宮野氏がアニメ関連のカードを出すおもしろさとか、若林氏が「じゃない方」を出したときのあのインパクトとか。
テクニックだけでも、引きだけでも勝てないと言うことが実感できました。


せきしろ氏のジャッジも独特にドラマチックでした。ぐわーっと盛り上がっていくときは、前のカードより面白くなっていけば確実にどんどんポイントがつくんだけど、リーチになると途端に厳しくなるというか、勢いだけじゃ最後の1ポイントに届かない。
1回戦第3試合の「瀬戸内寂聴/←ラスボス」はこれは決まっただろう!と思ったけど動かなかった。そのあと一呼吸置いて、「チェ・ホンマン/飛び込む水の音」が決まり手というのは、わびさびというか、長さの割にオチはあっさりしている落語に近い緩急を感じました。


板倉氏が「袖で話してたんだけどこれどこに行ってもできるよ! もっと大きい所でやろうよ」と仰っていたのに心から同意。客席からは「頼むぞチケットとれないんだよ」と言う意の拍手が起きていました。
5ポイントがかなりあっという間でもっと見ていたかったけど、なによりプレイヤーの皆さんがもっとやりたそうだった。全部10ポイント制にしてくれないかなー。でも5ポイントでも2時間かかるんだもんな。
フットンダみたいに深夜毎週いろんな人の対戦見たいわー。そうなると大物の人名がのきなみ使えなそうだけど(笑)。


そしてなにより山ちゃんの素晴らしいMC。なんだろうな、ちゃかすでもない、無理に解説するでもない、カードの文言から受けたイメージを大きく包み込んでよりおもしろい方向にするっと誘導してくれるような、やさしく偉大な名MCでした。だれよりキラキラしてたのは山ちゃんだよ! 山ちゃんについていけばおもしろいものが見られる気がする。