ドゲンジャーズナイスバディ最終話

nico.ms

楽しかったー!
ずっとおもしろかったし度肝抜かれ続けてきたけど、最後はずっと楽しくて、バディの名乗りのあたりからもうずっとわけもなく顔が笑っちゃって。すごいにこにこして見てたと思う。
10話見たときはこれが最終回じゃないのすごいなと思ったけど、ほんとの最終回は楽しいばっかりなの、ドゲンジャーズらしくて大変よかった。10話を見返すたびに泣いてたサムズアップのカットもやっと泣かずに見られた。あー楽しかった。3ヶ月あっという間だった。
最終回見て改めてブログを読み返してみれば、ミスリードに引っかかるべきところには全部引っかかり、驚くべきところには全部驚いてますね私。でもまさかグレイトZの姿が変わるというか、厳密には「陸がグレイトZになる」という物語でもなかったのには最後の最後でまたびっくりさせられた。グレイト2が生まれるまでの物語だったのか。完全に喧嘩慣れしてるだけでカラミーちゃんタコ殴りにするグレイト2こと陸強い。
グレイト2、アトラク用のガワから作ったのかと思ったら、最終回当日のかしいかえんのショーにアトラク用が出てたので、ピザクックさんのキャラクター、三体もいるってことか。すごいな。
そういえばこのショー、友達に見せてもらったんですが、ヤバちゃんだけが陸がグレイトZでなかったことを知ってて、陸もヤバちゃんが知ってることを知ってて、お互いにそれ黙ってるのは色気があっていいですね。別にヤバちゃんはそれで弱みを握ったとも思ってないところがいい。
今後はどうなるんだろうな。ドゲンジャーズショーに出るのはグレイト2なのが自然なのだろうけど、アトラク用Zさんも見る機会があるといいな。アフェクトシステムのついてるグレイトZも、ピザクックさんで活躍してくれるといいなと勝手に思っている。バイク乗れないらしいけど。
しかしドゲンジャーズが悪者を取り戻したというより、悪の秘密結社の取引先が増えた話だったような気もするんだけど、これまた現実の悪の秘密結社のお取引先も増えているからどこまでも現実と一蓮托生で、そしてどんな正義も否定しない悪役派遣業の会社だからこそ作れる物語だった。
最後の最後に正蔵さんと、それがグレイトZだったとは知らないドゲンジャーズが出会うのもにくかった。正蔵さんの病気が糖尿病というほんとうにある病気だから、現実に大賀薬局で配っているやくいく手帳で戦うことができる。どこまでも現実と地続きのドゲンジャーズが、現実と戦う力をくれる。

贔屓の二人の話をします。まず泥まみれのメタルくんがえらいことかっこよかった。あと、あの「身内が頼りないからだよ」のセリフに完全にやられた。あれはちょっとやばくないですか。
元々1期で、キタキュウマンに作用した金印の力が呼び出したのは「赤いタイツ持ったメタルくん」だったから、キタキュウマンの強化フォームは充血フォームそのものではなくて、「メタルくんが一緒にいること」だと解釈してたんですが、そのメタルくんの力の根源が「身内が頼りないから」って! それはもうニコイチなら強さ青天井ってことじゃん永久機関じゃん。あまり安直に使いたくないけど、これをエモいと言わずしてなんと言おうか。
こないだメタルくんのTシャツ買ったら「A SUPER BROTHER OF KITAQMAN.」って書いてあって、「A SUPER HERO OF KITAKYUSYU」をもじったんだとわかってはいてもこんなストレートに褒めることあるんだ……とか思ってたのもあって今北九兄弟熱がえらいことになっている。シャベリーマンさんの手になる北九兄弟スピンオフ見てみたい。

そしてもう一人、最後には社長のところに駆けつけたシャベリーマン、これは根拠も何もなくて単に「見ててそう思った」ってだけの話なんですが、ヤバイ仮面社長が「お前なんでなにも変わってないんだ」って言ったところ、あれ、「社長は結社の怪人を全部パワーアップさせたつもりだったのに、人間のシャベリーマンは変わらなかった(でも社長は人間て知らない)」ってことなのかと思った。中等採用云々は人間なのをごまかすための舌先三寸なのかなと。
しかし人間なのにあんなものすごい攻撃受けて大丈夫だったかしらシャベリン。

そういえば12.5話の金印の力が出てきたことによって、「ドゲンジャーズ1期はフィクションなのかリアルなのか問題」を考える材料が一つ増えた。
ドゲバースでのリアル世界である2期が12.5話の続きならば、それにつながる1期もリアル世界ということなのかなと私は思った、というか、私はずっとそう思いたいんでそう思ってるんですが。なぜかというと、1期放送中にかしいかえんでやったショーがすごく好きだったので。

youtu.be

ドゲンジャーズというドラマの中で、本気で福岡を制圧しようとしてどんぱちやってる最中に、「ビジネスとしてヒーローショーをやっているがヒーローに嘘の日付を教えてほんとに制圧しようとする」っていうあまりに絶妙にリアルとフィクションの間に立った設定のショーをやったことにめちゃくちゃ痺れた。
なんかそんなふうに、ドゲンジャーズにはフィクションとリアルのあわいにいてほしくて、なので私は「ドゲバースのリアル世界で福岡を制圧しようとした悪の秘密結社をやっつけたドゲンジャーズは人気が出て、その実話をドラマにして人気を博して架空の2期以降も作ったけど人気が落ちて、ナイスバディの時間軸になる」という解釈をしている。
まぁ緻密な考察とか一切できない上に(あと根本的に特撮の知識も福岡の知識も足りない)、フィクションは受け手が好きなように好きになるもんだと思っている薄情なタチなので、そう考えたら一番好きだなぁと思っているのが上記の解釈です。


終わってみれば、「最後には絶対陸のこともグレイトZのことも好きになってる」という一点以外、何一つ予想は当たらなくて、それどころか想像の範疇だったことなんかひとつもないくらい、予想外で、スケールが大きくて、言いたいこともやりたいことも、込められた信念もこれからへの誓いも、あとスポンサーの懐の深さと設備投資も規格外だった。
「自分でも知らなかったけどこれが見たかったんだ」なんて綺麗にまとめることもできない。想像すらできない、夢にも思わないような未曾有の物語なのに、こんなにも夢中になっていた。きっとわかっていないことも追いついていないこともたくさんあるけど、同時代に同じ現実を生きながら、この物語を見られてよかった。楽しい。