ドゲンジャーズナイスバディ第9話

nico.ms

どこを書こうと思っているうちに土曜になってしまった。
毎週大体4つくらい書いておきたいと思う箇所があって、そのうち2つを書く感じにしているのだけど、今週はどこを書くか決めあぐねたままもう明日が放送日だ。

ゴルフ回と謳っていながら、実は花形特撮と悪の秘密結社回だった9話。色々ありすぎたんだけど、まずシャベちゃんから目が離せなかった。
修羅王丸は身代わりだったから別として、そういやヒーローハウスにいた他の面々も全員打ち上げにいたなと、たった一人ヒーローハウスで父子の修羅場に巻き込まれるシャベちゃんを見て思った。ウザギちゃんとネクちゃんだけじゃなくてカラミーくんたちも関家具さんにいるってことは、公開撮影の現場に来てた怪人はみんな関家具さんに帰ったってことなんだろうな。シャベちゃんまじで蚊帳の外。
一瞬にしてアトラクZの正体をばらすところ、自分で言ってたけどあれシャベちゃんが割って入ってなかったら陸はメイド執事さんの攻撃をまともに食らって、そうするとアトラク用のガワ着てるだけの普通の人間の陸はほんとにミートボールになってた可能性が高い。人間であるシャベちゃんはそれをわかってて、大怪我負ってまで完全に陸を助けている。
田中くんの「花形特撮さんのおかげ」に対する「それは一理ありますね」も、あれ怪人としてだとちょっと変なんだけど、シャベちゃんは人間で、しかも12.5話でグレイトAを見てたことがわかってるので、あの場で田中くんに同調できるのは陸を除けばシャベちゃんだけ。
どっちも、シャベちゃんが「怪人のふりをしている人間」だから取れる行動であり言える言葉であって、これ、「人間が頑張って怪人のふりをしている」っていうシャベちゃんの設定が好きなものとしてはたまらなかったです。

シャベちゃんが笹井さんだということは、結社の怪人も社長も知らない、と、シャベちゃんは言っている。

でもこれ面白いと思うのは、ドゲンジャーズの世界においては笹井さんは脚本家だから、笹井さんが知っていると言えば知っている、知らないと言えば知らないことになるけど、現実の方の社長はそうとは限らないと思える余地があるってところじゃないかなぁと。
現実の方の社長は、全部知った上で黙って雇ってるんじゃないかなぁと、私はそういうロマンを、ヤバイ仮面社長に持っています。
現実のシャベちゃんがどんなに「いやいや誰も知らないですよ」って言っても、脚本の外にいる現実の社長のことはねぇ、わかんないじゃないですか。
でもあれか、ドゲンジャーズの中のシャベちゃんは本当に怪人という可能性もあるんだよな。現実のシャベリーマン=笹井さんと、劇中のシャベちゃんが同じかどうかは明言されていない。
そうだとすると、touchに出ているシャベちゃんはどっちなんだ。人間の経営者なのか人間が怪人のふりしている広砲部長なのか、ほんとの怪人なのか。
私はこんなややこしいシャベちゃんが大好きです。いくらでも考えていられる。

でもほんと、今週のヤバちゃんのあの器のでかさというのか、他の人にはまだ見えてないものが見えている感じ、さすが経営者だなぁと思ったし、あの社長ならシャベちゃんの隠し事くらいお見通しじゃないのと思ってしまう。
ヤバちゃんが、グレイトZと陸を同一人物だと思っていたときに違和感を持っていたことは7話で描かれていたから、別人だとわかって色々クリアになったんだろうな。とは言え陸のみならず正蔵への理解まですでに深い。すごいなヤバちゃん。多分グレイトZとして対峙していた正蔵の正義はもうわかってるんだろうな。だから、陸にお前はどうなんだって聞く。グレイトZの正義ではない陸の正義を陸自身が理解しないと、ヤバイ仮面は戦えないから。
……社長かっこよすぎるな!
ヤバちゃんのガイドがなかったら、正蔵が手伝いを頼んできたのは、陸にいい子に戻るきっかけを与えるためってわからなかったもんな私。社長すごい。しかし社長が多いこの番組。

そんな花形特撮の社長、グレイトZ=花形正蔵。2人いるのかと思っていた初回からのグレイトZは完全にこの人一人だったとわかったわけだけど、だとすると素が「俺」で、ヒーローの時は「私」のタイプの人なんだろうか。
話はずれるけど、この、一人称が「私」か「僕」の人が多いっていうの、私がローカルヒーローを知って驚いたことの一つだったりする。
滝さんはキャスでも「私」を崩さないけど、メタルくんへのリプライを見てると多分素は「俺」なんですよね。エルさんは「私」が多いけど、「俺」も聞いたことあるような気がする。
仮面ライダーとか戦隊の主人公は、全然普通に「俺」というので、そこ気にするのかと新鮮だった。これはやっぱり、フィクションの少年がやってるのと、現実の大人がやってる違いなのかと思った。
そんな素が「俺」でバーサーカーモードになったりもする正蔵さん。陸が思っているほど聖人君子ではないのかなぁと思うけれど、あと3回でどう描かれるのかただただ楽しみにしている。

田中くんから花形特撮への感謝は、これはもうはっきりと、悪の秘密結社から東映に対する感謝であり尊敬だった。こんなにも真正面からこのシーンを作るほど、大事なことだったんだな。OPの歌詞の「いつも心にヒーローがいます」も、このことなんだろう。
当たり前にそれがある、やってもいいよと許可するのではなく、ただただ当たり前にそれが選択肢としてあり得る世界を作っておいてくれる。その偉大さとか大切さは、自分が大人になってこそわかる。
少し前の「大豆田とわ子と三人の元夫」でも、とわ子が社長をしていることに対してかごめちゃんが「あなたみたいなひとがいるだけで、小さい女の子が私もなれるってイメージできる」というようなことを言っていた(録画消しちゃったのでうろ覚え)。
前にも書いたけれど、福岡でこんなに面白いものが作れるという当たり前が、福岡でこれを見ている子供にとっての花形特撮になる。
そして自分たち自身も後追いに終わらないという気概が、「ついに始まる新たな価値観」なのだろう。

しかし次回予告を見たときにはこんなに大事な話ばかりをする回だとは思いもしなかったし(当たり前だ)、「ゴルフ回」と銘打ってまで開催されたそのゴルフが、ヒーローたちを話の核心から遠ざけておくためだったとは……ほんっとにすごいな……。
ヤバイ仮面が、田中くんに説明をしようとしたウザギちゃんを制したから気づけたのだけど、現時点でヒーロー側はまだグレイトZ=陸だと思ってるし、ヤバイ仮面には「そう思わせておいた方がいい」という判断がある。これはこの先どう効いてくるのかものすごく気になる。次回は「第一村人発見!」らしいけど、サブタイトルから何かを読み取るのはもう諦めたよ!