ドゲンジャーズナイスバディ第8話

nico.ms

メタルくんじゃないけど今週もどこから突っ込んでいいのかわからないくらいおもしろかった。しかしこの番組あのメンツでツッコミ役がメタル君だけって負担の大きさよ。ガリアちゃんいたら分担できるかしら。二人とも弟だな。


2期になって、1期と一番印象が変わったのはやっぱりオーガマンさんだ。1期だけ見てた時はこんなに愉快で人懐っこい人だとは思わなかった。それがわかったのは、ルーキーと一緒にいる場面で見せる、人間的なかわいらしさや、ルーキーへの甘さのおかげだ。今週もルーキーがセキカグオー気に入っててご満悦なところ、兄弟っていうより親子か祖父と孫みたいだった。
タイトルが「ナイスバディ」だからなのか、こういうお話だからタイトルが「ナイスバディ」なのかはわからないけど、人のとある一面というのは、誰かと一緒にいることによって表れるものなのだなと見ていて思う。オーガマンもそうだし、1期よりもドゲンジャーズと一緒にいる時間が長いメタルくんを見ていても思う。漠然と抱いていた印象以上に強くて頭脳戦に長けていて頼りになるとわかったし、集団の中にいるからこそ、やっぱりキタキュウマンと兄弟なんだなと思わされる描写がある。今週でいうと、「さすが我が弟」と言われて「ヤメテ……」と遠慮なく嫌そうな声を出していたところと、作戦終了後に真っ先に帰ろうとするキタキュウマンの後を追うところ。
ロボットの内外でのコンビネーションでドローンを撃破するヤマフクバディ(カリバーさんのノールック狙撃特筆すべきかっこよさだった)と、プロテインで酔っ払ってキタキュウマンに絡むエルさんのキタエルバディ。そして、ようやく再会できたヤバイ仮面とメイド執事さんももちろん信頼の厚い良いコンビだった。姿形が変わってもずっとわちゃわちゃしているのがかわいすぎて、ほんとに会えてよかった。
しかしあの再会シーン、あの顎クイからの胸に手を当てるお辞儀はあんなにかっこいい必要がありますか。完全に惚れさせようとしていましたね。惚れました。

何組ものバディを見ていて、1期後のインタビューで笹井さんが言っていた、郷土愛についての話を思い出した。普通四六時中「福岡最高!」とか思わない、そこで出会った仲間たちと何かをして、この街で彼らに出会えてよかったな、と思うのが郷土愛ではないか、というような話*1

裏を返せば、郷土愛をゴリ押ししないドゲンジャーズにおいて、仲間と共に何かをすること、というのは、唯一の郷土愛の発露とも言える。
そんな関係性はヒーロー同士怪人同士にとどまらず、スポンサーさん同士にまで及ぶらしい。

なぜかピザクックさんからもたらされる関家具さん情報。かわいい。
誰かとの化学反応で、その人の新たな魅力が現れることは、そのまま彼らが福岡で育って出会ったことへの賛歌であるから、ドゲンジャーズを見ていてしみじみ福岡いいなぁ住みたいなぁと思うのは、自然なことだ。
とは言え、人と人とのつながりがその土地への愛を形作るなら、私のような町内会にも入らない根なし草がただ住んでも、その土地の本当の良さというのはわからないのかもしれないな(弊社のテレワークが完全解除にならない雰囲気が出てきて残りの人生どこに住むか本気で考えたほうがいいらしい)。

話が逸れた。今週は特に脚本が巧みだなぁと思うところがふたつあった。
ひとつは修羅王丸にまつわるところ。
グレイトZ v.s. メイド執事&ヤバイ仮面戦は、アクションの見事さはもちろんだけど、初見でも違和感なく、二度目に見たらあらゆる行動や台詞の意味が違う、繰り返し見る醍醐味のある名シーンだった。
殺陣は元締だから剣技だったのかと思ったんだけれど、考えてみたら、連れ去られてからヤバちゃん一度も銀ダラブレード使ってなかった。グレイトZから棚板みたいの渡されてた。あの銀ダラブレードは無縁仏か! 剣が出てきたところで気づくべきだったのか。
しかし元締の意味深な台詞が気になる。そもそも戦う予定もなかったっぽいのに、メイド執事さんが「なぜ、そこまで」というほどのダメージを食らってまで到達したい境地があるということだろうか。元締にはドゲンジャーズにも結社にも関係ない目的があるんだとすると、それは達成されたら福岡超えるレベルのだいぶんでかい災厄なのでは。
でもそういう裏の目的があるならここまで協力的なのも頷けるような。ここにきてまた謎が増えてしまった。


もうひとつはセキカグオー208式にまつわるところ。オーガマンのポケットマネーの使い道はこれだったんですね。てっきり家具店丸ごと買い上げたのかと思ってた。
買い上げたわけじゃないとすれば、関家具さん自体はドゲンジャーズが住みながらも家具店として営業してるってことだろうか。太っ腹だなぁ。
ただ名前を借りるだけじゃなくて、ほんとの商品盛り込んでるとか悪の秘密結社も芸が細かい。しかし一番傷がつくシールドに、テーブルで一億円超えの材木使うの並の発想じゃない。あまりに盛大な値段に笑ってしまった。

家具店→住まいだから家事をやったら駆動するんだろうか。ヤマシロン以外の人が家事炊事をやっても動くのかな。

「お母さん」には引っかかってしまいました。私は引っかかる方です。ほんとうに家事を一身に担ってるお母さんがヤマシロンにありがとうって言われたらうれしいだろうとは思う。
先週の感想でも書いたけれど「当たり前」の力は目に見えずともとても強いから、家事=お母さんを当たり前と言ってしまうのは怖い。現実がそうであっても、そうであるからこそ、私はその現実に加担したくない。
自分が女だから、ゆきちゃんとアイドールちゃんの存在に知らず助けられてたなぁと2期になって実感するところもあり、でもこれは最後まで見る前にする話でもない。
女の子といえば、ウザギちゃんて女の子でしたっけ。女の子にしろ男の子にしろ今回のウザギちゃん底抜けにかわいかった。愛くるしい。しゃべるぬいぐるみ欲しい。いつの間にルーキーにあんな懐いてたんだろう。1期のウザギちゃんといえばルーキーランスでかっとばされてなかったっけ。ここも新たな組み合わせが新たなかわいさを炸裂させていた。

脚本の妙を感じたのは、桁外れのロボットで度肝を抜いてからの、花形特撮のシーン。「もう制作費がありません」の意味がわかるところ、これは完全にやられた! 謎は多くともミスリードを誘うような脚本ではないと思っているけど、これは完全に騙そうとしてたし騙されたなぁ。予告を見た時、急に物語の外に出るじゃんと本当にちょっとだけ違和感があったのだけど、爆笑にかき消されてしまっていた。くそー悔しいー。あとYABAIのPVも途中で予算がなくなりましたって作りだからそういうのが好きなのかなと思ったのもある。


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来週からいよいよ私Zと陸がはっきり別人として立ち現れるんですね。あああもう即見たい。陸が、勝大くんの陸が予告で見るだけでも表情といい立ち居振る舞いといい全部最高に見える。正木くんとの絡みも楽しみだ。
しかし鏡に写った元締を見て驚くシャベちゃん、陸が帰ってきて驚くシャベちゃん、今期はシャベちゃんが一番視聴者に近い目線のキャラクターのような気がする。それはつまり、ドゲンジャーズ陣営からも花形特設陣営からも真実を明かされていないということで、ちょっと切ないシャベちゃん。なんで大怪我してたのシャベちゃん。シャベちゃんのバディが誰でどんな知らない一面が見られるのかも、楽しみにしている。

*1:いくつかの媒体で見聞きした記憶があるんだけど例えばhttps://www.walkerplus.com/article/1004291/とか