ドゲンジャーズナイスバディ第6話

nico.ms


謎が謎を呼ぶ第6話。謎は置いといてとにかくメタルくんがかっっっっっっっこよかったっ!!!
巨大ロボの攻撃を一撃で跳ね返す登場からの、兄譲り(?)の煽り口上めっちゃかっこいい。関家具さん行ってからも仕草の全てがかっこいい。OPでひとり違うポーズとってた時から思ってたんですが、2期のメタルくんは動きがいちいちナイトっぽいですね。はーかっこいいかっこいいかっこいいしか出てこない。
関家具さんに帰って、まず「兄さん」に呼びかけてから田中くんとみんなに呼びかけるところがなんかすごく好きだった。もちろんメタルくんもドゲンジャーズという番組の一員だけど、ドゲンジャーズを「ドゲンジャーズ」という名の「戦隊」だとしたときには外れる感じがする、なんとなく。ちょうど悪の秘密結社の社外相談役である元締みたいに。ちょっと離れたところにいる2人だから、状況を見てぱっと休戦できるクールさがすごいかっこよかった結局かっこよかった。
あのくるくるーって倒れ込んでからの「びっくりはしてるけどもう突っ込まない」もなんとできた若者かと。「理解はできないけど受け入れる」はほんとの大人の態度だよ(3歳のピロン除けばメタルくんはたぶん最年少)。その後突然マスターキートンみたいな作戦が展開し始めてナイトと思わせておいて傭兵ってメタルくん何者と思ってたらほんとの傭兵が立案した作戦だったそうでこの細部の本気度が「バカに製作費(ゆめ)を持たせるとこうなる」か。

その計画をあっさり却下されても「ドゲンジャーズはいつもこうだ」ってすぐ納得するところ、考え方が違ってもメタルくんはドゲンジャーズが大好きで信頼してるんだな。しかしオーガマンがバイザー下げたとき一番近くにいるのに一番耐えてたよね。贔屓目抜きに結構最強なのでは。
シャベリーマンさんが書いたキタキュウマンが世界一かっこいいのは1期からわかってたし先週でさらによくわかったけど、シャベリーマンさんが書いてきゃんとくが撮ったメタルくんのかっこよさはまた別ベクトルで銀河一かっこよかった。やっぱりきゃんとくの「俺の推し尊い」が溢れて伝わってくるのかしら……。ありがとうきゃんとく……。

メタルくんのナイトな仕草もだけど、今週はグレイトZの仕草の一つ一つから伝わってくるものが多くて殊に見応えがあったな……。「君にメッセージだ」でちょっと腰を落とすだけでものすごく小馬鹿にしてたし、「一人で戦えないことだ」でほんのわずか突き出した首の動きであんなにも上から目線だった。
そのグレイトZの様子を見ながら去っていくアトラク用のグレイトZの捌け方も良かったなぁ。ああ、見てる方は知り得ない何かが、この2人の間には了解されてるんだと説明されなくてもわかった。

さてこの2人のグレイトZのことですよ。

先週、放送済みの回全部見て一人称で「私Z」と「俺Z」と区別したけど、「私Z」と思ってた方が「俺」って言ってましたね(グレイトダイゼンシンのところ)。後出しみたいだけど、3話のメイド執事さんに手を差し伸べるところで「俺」って言ってたから、完全に別ではないのかなとは思ってはいた(大賀組との戦闘の後に入れ替わるのは無理そう)。だから先週の見てなければ私は二重人格説を推してたんだよな。
便宜上「私Z」と「俺Z」のままで行きますが、ガワも中身も2人ずついるもんだと思ってたけど、これ私Zに中身がいないって可能性もあるよなぁ。自立可動式のガワか、まさかのこっちがアフェクトシステムでできてるなにかとか。でもそれだと1話2話の俺Zが陸って可能性がなくなるのかなぁ。
うーん、でもなぁ、同じアフェクトシステムついてる姿でも、1話2話の俺Zと6話のだざいふ遊園地にいた私Zが同じ人とはとても思えない。だって完全にグレイトダイゼンシンでドゲンジャーズ全員叩き潰す気満々だったじゃん。あのグレイトZなら、キタキュウマシンと一緒にヤバイ仮面消し炭にすると思うんだよなぁ。緩衝剤入れて梱包なんて絶対してくれなさそう。
だから陸があのガワを着られるのか否か、でだいぶ話が変わってくる。そんで私は、陸も着られて、俺Zは陸であって欲しいなと思っている。「あって欲しい」とか思ってる時点でもう俺Zのことが結構好きなんだよな……。だってだざいふ遊園地のショーやってたグレイトZ、明らかに私Zより拙いけどすごい一生懸命ショーやって子供たち楽しませてたじゃん。絶対いい子だよ。

毎週飽きもせずわかりっこないことをああだこうだ書いてますが、本気で予想してるわけでもなければこうならないと嫌だとかでももちろんなくて、どういう思考を辿ったか残しておきたいだけです。どうミスリードされたか、というほど向こうに意図があるかもわからない。どっちかというと、私が定型に引っ張られやすい方だからという方が大きい。
先週グレイトZが2人いるってわかったときも、深く考えずに絶対敵対してると思ってしまった。思い込みって怖い。例えば花形特撮が家業だとしたら私Zが陸のお兄さんで、2人は跡目争いをしていて、陸はヤバイ仮面を使って自分の正義を示すことで正統なグレイトシリーズの継承者になろうとしてるとか。
でも全然違ったね。だって私Z、明らかに陸を慈しんでるもの。あの伸ばした手だけでどんなに言葉を尽くすより伝わるのすごい。やっぱりアクターさんはすごい。
私Zがあんなにヤマシロンに当たりがきつかったの、ヤマシロンが不用意に「本物」って言葉を使ったせいじゃないかと思うくらい。私Zを本物と呼ぶことは、陸を偽物呼ばわりすることになるから。
もしも私Zに中の人がいなかった場合で一番スタンダードな展開だと、花形家の跡取りにはバディのロボットがいるとか。でもそれだと陸が26代目ってことになって田中くんがグレイトA見てたのと全然計算が合わんわ。
そもそも花形って名字だけで跡取りって言ってるけど、それも安直な予想だしなぁ。陸、スタッフジャンパー着てるし。
まぁそして何をどう考えても1話のあからさまに声が違うグレイトZの説明はつかない!
予告の陸、泣きそうな顔でヤバちゃん見てなかったか。もうどうなるのかほんとにわからないほんとに楽しみ。

こんなになにもわからないのにこんなにも毎週楽しみというのも稀有な作品だよなーと思ったんだけど、考えてみたら、1期も「ああこれはこういう物語なのか」ってわかったの、全12話中の11話を見終わったときだったわ。
わかった、と言っても、フィクションなんて受け手の数だけ物語があるわけで、私の中でドゲンジャーズの全容が見えて腑に落ちた、と感じたのが11話だったというだけだけど。どういう物語なのかもわからないまま夢中になってて、わかってないことすら気付いてなかった。
普通フィクションて、無意識のうちにこの辺りのターンで起きるならこう、みたいな予想をしながら見るからなんとなく受け身が取れるんだけど(21時開始の2時間サスペンスで、22時15分に逮捕された怪しい奴は絶対真犯人じゃない、みたいな)ドゲンジャーズってそういうのなに一つ通用しない。むしろ無意識の思い込みのせいで勝手に逆方からパンチ飛んできた、みたいになることすらある。自分がどれだけ「お約束」に頼って解釈をしているのかを思い知らされるし、それは未知の物語を浅く見積もることだと恥入る。
話数的には折り返したけど自分が今ナイスバディという物語のどの辺りにいるのかすらわかってなくて、今期はわかっていないことはわかっていて、やっぱりわからないまま夢中になっている。