ドゲンジャーズナイスバディ第3話

ドゲンジャーズ3話もおもしろかったー! 終わってしばらくあまりの情報量に呆然としてたんだけど、1時間くらいしてからもう1回見返したら「そうだ大賀じゃんけんも今週の話だった……」となった。先々週くらいの体感だった。

先週「今のところ陸もドゲンジャーズもヤバイ仮面が『悪者である』という理由だけで必要としている」と書いたんだけど、いきなり違ってましたね! オーガマンにはヤバイ仮面でないといけない理由があった。それが「友人だから」とは思ってもみなかった。
しかしヤバイ仮面がオーガマンの夢に乗ったのだとすれば、重役に反対されて意気消沈している大賀社長に「やりたいならやれよ、俺が悪役やってやるよ」って中洲の屋台あたりで大賀社長の背中を叩いたヤバちゃんがいたはずで、正直すごく見たい。
フィクションのドゲンジャーズと、実在するヒーローだったり経営者だったりは別の世界線に生きてると認識しているんだけど、実在するが故に現実の関係性がフィクションに反映されて、そのフィクションを作り上げる過程で現実の関係が深まるのがドゲンジャーズの魅力だとも思っている。なのでここでどうしても大賀社長と笹井さんを連想するのだけど、私元々「オーガマンは大賀薬局と悪の秘密結社のどっちがいいだしっぺなんだろう」というのがずっと気になっていて、どのくらい気になっていたかというとバスツアーの質問コーナーで笹井さんに直接聞いたくらい気になっていた。
自分でもなんでそこがそんなに知りたいのかわからなかったんだけど、あれは「薬剤師のヒーローを通じて伝えたいことがあるから相手役をやってくれ」と「うちが悪役やるから薬剤師のヒーロー作りましょうよ」では、正義と悪の順序が違ったからなんだなと今になってわかった。たぶん私は2期を見ている間中、先週書いた「鶏が先か卵が先か」をずっと考えるんだろうとなんとなく思った。そして、それを全く別の角度から崩すのがグレイトZなんだろうというのも。
薬を飲んで寝て欲しいオーガマンと、その敵役を引き受けたヤバイ仮面。ヤバイ仮面の方も、グレイトZに「お前みたいなヒーロー苦手なんだよ」と言っている。苦手なヒーローがいるということは、苦手でないヒーローもいるはずで、それがドゲンジャーズだと思ってしまっていいのか。ヤバイ仮面はオーガマン以上に多くを語らない気がするけど、教えてほしい。

そして今週はやっぱりメイド執事さんがね!
メイド執事さんはまだ生で見たことないし、過去のショーも動画で見られるものは見たけど、あまり深くパーソナリティを知る方法がなく(クローズドの公演だとあったのかもしれないのですが、ドゲンジャーズから入った私はリーチのしようがないので)、1期でヤバちゃんの手当てしてたりしたシーンから、なんとなーく甲斐甲斐しい忠義者なんだろうなぁと思ってた人がまさか「俺の上司は社長一人だ」って咆哮と共に強化フォームにパワーアップするって! いやこっちも叫ぶしかできんわ!
これオーガマンの「私の敵は君たちだ」「これからも仲良くケンカし続けよう」もそうなんだけど、二次創作までは行かないにしても「このキャラクターがこんなこと言ったりやったりしたら熱いよなぁ」は、フィクションに耽溺する人間なら誰しも夢想することだと思うんですよ。それのど直球が来るかね! 来るかドゲンジャーズだもんな!
1期の最終回前に、こんなに福岡とヒーローが好きになったのは、脚本をはじめとするドゲンジャーズという装置が彼らをいちばん魅力的に見せたからだというエントリを書いたんだけど(愛のなんたるか - スピンナヤーン)、今回もそうだなぁと。やっぱり脚本家シャベリーマンは、福岡のヒーローとヴィランのことを世界一愛していて、セリフも演出もいっとう魅力的な姿でさぁどうだって出してくる。敵わねぇ……!
1話の間に色々ありすぎて全部を拾いきれないのだけど、今回だってオーガマンがルーキーと仲良くなりたかったりだとか、ヤバちゃんが結社の社員に駆け寄ったりだとか、ちょっとのことがいちいち可愛いし好きにさせるんだよドゲンジャーズ。

しかしキタキュウマシンの爆破にしろ、メイド執事さん新フォームにしろ、よく放送まで黙ってられるなってそっちにも感心した。いや自慢したくならない? こんなすごいの。予告で一切見せずに本編でいきなりびっくりさせるのが慣例化してきてるけど(その時はわからなかったけど1期のメタルくんもそうだった)、なんというか充填した弾一撃にかける重さがすごいというか、全打席フルスイングしてくるっていうか。だからこその「メイド執事さん」全国トレンド入りで、狙い通りなんだと思うけど受け止める方は3週目にしてパンチドランカーだよ!

そうだ魅力的といえば、見ました? 最後のあのシャベちゃんの長いものには巻かれろ小悪党ムーブ! 最高ー! シャベちゃんはそうでなくちゃ!
出てる役者に損をさせないという点では、野木亜紀子かシャベリーマンか(敬称略)というくらいの信頼を置いているので、小悪党のままじゃ終わらないと思うんだけど、でも自分自身だからどこまでもヨゴレをやらせても大丈夫と思ってるかもしれなくてそれはそれで楽しみだけど、いやでも小悪党が義に立ち返る熱さとかもぜったいわかってるし……!とか色々考えられることがありすぎて、目下シャベちゃんの動向がいちばんくらいに気になる。予告で社長しばいてたけど、ヤバちゃんは世話女房(メイド執事さん)と尻に敷くタイプ(シャベちゃん)と女房役が2人もいるのか……ていうか女房が2人もいるヒロインてほんとに前代未聞だな。

グレイトZというか、陸くんがあんなに頑ななのもたぶん何か背負ってるものがあるんだろうなぁ。普通に考えてZってことはシリーズ最後だし、そもそも「花形特撮」の「花形陸」って、家業なの⁉︎というのもあるし。正義の意味、その正義をフィクションの形を借りて見せることの責任、みたいなのをなんとなく感じるんだけど、まだわからないことが多すぎるので保留。でもたぶん終わる頃には、グレイトZのことも陸のことも大好きになってると思う。だって脚本家シャベリーマンの目を通した彼らを見るんだもの。

来週はエルさんとキタさんコンビで、これがまたすーごい楽しみ。というのも、聞きかじりの知識ですが、リアルの関係はエルさんとキタさんがいちばん付き合い長いんですよね。確か。そんで結社が起業して最初に出会ったヒーローがエルさんなので、あの3人だとシャベさんと滝さんが知り合ったのが最後のはず(と思っているんだけど違ったらすいません)。
シャベさんと滝さんはお神酒徳利のようなビジネスパートナーだけど、結構体育会系気質のシャベさんが「自分より歴も付き合いも長いヒーローふたり」の関係性をどう描くのかめっちゃくちゃ楽しみです。