ドゲンジャーズナイスバディ第2話

ドゲンジャーズの2期にあたるナイスバディが始まったよー。「終わってない、続きがないだけだ、今はな!」の続きができたのがほんとに嬉しいこれ何度でも言う。ヤバイ仮面社長のあの台詞大好き。
2話まで見たところでこの物語がどこに行くのかさっぱりわからなくてほんとうに楽しみなんだけど、考えてみたらわからないのは最終回を見るまでの間だけで、3ヶ月後にはなにがわからなかったのかはわからなくなってしまうから、わからないことを書いておこうと思った。あと絶対予想したようにはならないと思うし。
とはいえ何について書こうと誰かの検索にひっかかる昨今、うっかり本の感想も呟けないのに放送途中にわからないことをわからないと書くのを見てくださいというのもなーなどと思っていたのだけどツイートしなきゃいいんだった。
何かを好きになって知りたくなって、色々知ると迷うことがあるけどそのとき自分を助けるのは、何も知らなかったときに知っていたことだけだというのを知っている。知らないうちに知っていることを書き留めておくのは自分のためだ。その意味で、私がドゲンジャーズを好きでいる間一番大事にするのはバスツアーのエントリなのだけど。だから頑張って書いた。

2話まで終わったところで、今のところヤバちゃんがずっとかわいそうなんですけど!
ヤバイ仮面をヒロインにって聞いた時はよく考えついたなと思ったんだけど、見てみたらこれ人間の女の子にやったらアウトすぎるというくらいヤバちゃんがかわいそう。誘拐して殴っていうこと聞かせて監禁してません⁉︎
でもふた昔くらい前の少女漫画って、今ならストーカーだったりモラハラだったりするような描写が「強引な彼に迫られてドキドキ!」みたいなことになってたのが普通だったのも思い出した。今も漫画サイトでTL漫画のタイトル眺めてるとそういうの結構ある気がするんだけど。
今のヤバちゃんは強引な彼氏に振り回されちゃって……とか言ってる場合じゃないくらい完全に危害を加えられているわけだけど、現代のヒロインとしての立ち居振る舞いを求められるとしたらどうなるのだろう。
ヤバちゃんは「助けてー! ドゲンジャーズ!」って叫んでいたけど、そのドゲンジャーズも「ヤバイ仮面がいないと戦う理由がないから助ける」って言ってることがかなりえげつない。今のところ、陸とドゲンジャーズはヤバイ仮面が「悪者である」という理由だけでどっちも必要としている。これは、美人なだけで見初められた古代のお姫様と同じ構図ではなかろうか。
「悪」があって初めて成立する正義なら、というか、「悪」がないと成立しない正義なら、どう考えても「悪」の方が立場が強い。ヤバちゃんの方が「お前を相手役にしてやる」って選べるくらい強い。自分で選ぶヒロインは一歩時代が進んだ気がする。でも、ヤバちゃんはそもそも「自分の意思で選ぶ」ってことができないんじゃないのか。
ここわざと現実の悪の秘密結社とドゲンジャーズのヤバイ仮面社長をごっちゃにして考えるんだけど、悪の秘密結社は、特にヤバイ仮面社長は、どんな正義とも対峙できるように悪そのものの意匠で特定のモチーフを持たない。薬育を啓蒙するヒーローに対するときには薬をオーバードーズする悪役になるように、正義があってその対称として初めて成立する「悪」そのものがヤバちゃんであり悪の秘密結社だから。そして悪の秘密結社はいつだってヒーローファーストだ。
鶏が先か卵が先かみたいになってきた。そもそもドゲンジャーズの面々は、全員掲げている正義が違う。そしてお互いの正義に口を出さない。放送前の予告で「彼らがヒーローになった理由とは」みたいなモノローグがあったけど、だからって一人ずつが己の正義を語るの聞いてヤバちゃんが自らを誰か一人に相対する悪に固定するとかそんなわけないよなぁ。
ドゲンジャーズの方が、自分たちにとっての「悪」がヤバちゃんでなければならない理由を見出す可能性は? ただの戦うための相手ではなく、ヤバイ仮面でないとならない理由。若くて美人で賢い女なら誰でもいいと思ってた高スペック男が考えを改めるパターンですね。ハーレクインでよくある。
究極のところで言えば、悪と正義の対立そのものがナンセンスとか? 恋愛至上主義そのものにNOを突きつける少女漫画はすごく現代っぽい。しかし悪はヤバちゃんの矜持でもある。

わからないことを書いておこうと書いてみたらほんとに全く何もわからないということがよくわかった。来週のヤバちゃんはとりあえず結社の面々には会えるみたいなのでちょっとだけ良かった。ヤバちゃんが誰を選ぶのか、それとも、選ぶとか選ばないとかそんな話じゃないのか、なんにせよ思いもしなかったところに連れて行ってくれる物語だと信じてる。