ヤーレンズの沼が思ったより深そう

法話17」
10/9(金) シアターミネルヴァ 19:30


ドド博の感想書きたいと思いつつ日々の雑事に取り紛れております。9月は社会人になって最長の12.5連休なぞ獲って九州行って山口画伯の展覧会を見に行ったりしていたんですがなんも書いてないですね。書いとかないときれーに忘れるからやなんだけど……まぁ仕方ない。


ドドんが毎月やっている「法話」というトークライブ、たまにしか行けないんですが行くたびに溢れんばかりのホスピタリティ精神でほんとーに楽しませてくれるんでとっても信頼を置いているライブです。ドド博の後だから今月は行きたいなと思っていたら、ゲストがヤーレンズ
しかも「ドドんトークライブ"法話"17〜メガネとスーツが、メガネでスーツのアスコットタイ兄さんをお出迎え!そーいえばいつから東京きてたっけ?いつからこんなに当たり前にいたっけ?よく考えたらすーっと馴染んでた謎多き2人を徹底解剖スペシャル〜」って、こんなに今のライブシーンのニーズを捉えたサブタイトルがあろうか。ヤーレンズってほんとーに良くわからない。モグフェスの後にちらっと書いたことがあるけど未だにわからない。私が外のライブでたまに見る客だからなのかと思ったんだけど、ケイダッシュファンの人も良くわからないという。


法話」は毎回ゲストにちなんで会場をデコレーション?するんですが、今回は「ヤーレンズアイコン撮影会」と題して、ヤーレンズツイッターアイコンの写真を切り抜いて壁に貼ってありました。楢原さんのアイコンの出井さん、出井さんのアイコンの楢原さんが貼ってあって、その前に立ってポーズをとるとあのアイコンになれるよ!と言う趣向(笑)。ステージに上がらないといけないので実際にやっている人はいませんでしたが、もーこの着眼点だけで石田さんはほんとうに信頼できる興行主だなぁと思いました。
私がヤーレンズのことを油断ならないなぁと思うのは、まぁ毎回どんなライブでも告知に出てくるところとか、アスコットタイとか、楢原さんの眼が笑ってない所とか、色々あるんですけど、一番はツイッターのアイコンと現在地。サンパチの前でコンビで手を合わせて「みなさんから見て真樹の右側 (出井さん)」「 皆さんから見て隼之介の左側 (楢原さん)」ですよ! もーすごい。 もーあざとい。なにこの全部わかってる感!


法話」は前半がドドんふたりでお喋り、後半がゲスト交えてお喋り、いったんドドんだけで締めて(DVDにゲストが収録できない関係)、その後改めて4人で写真とかサインとかに応じてくれる時間があります。
後半ヤーレンズが出てきてから結構すぐこのアイコンの話になり、石田さんがこのアイコンは100点だ、将来お笑いの教室をやるときはこれを教えた方が良いと絶賛していました。私もそう思う。
石田さんは、普通コンビでこれやろうと言っても恥ずかしがってやらない、二人が目指しているところが同じだと言うことだ、とも言っていました。でも、当の楢原さんは、きょとんとした様子で、いや1枚で全部わかるのが良いかなと思って、と言いました。コンビでやってて、サンパチあるから主に漫才で、どっちに立ってる人ですよってわかるからと。
私としてはあのきょとんぶりの方が驚きでした。しょーじき、全部、ほんとーに全部計算だと思っていた。どっちがネタ書いてるかとかも知らないけど(そしてそれは法話を見てもわからなかったけど)、勝手に出井さんがすごくお笑い好きな人で、楢原さんはこの先のビジョンとか全部あって全部計算でやっている人だと思っていた。なんなら社会人経験とかあるのかと思っていた。まさか18歳で三流大学に落ちて浪人して四流大学に行く意味が見いだせなくて親から専門学校感覚でNSC勧められて芸人になったとは……予想だにできない志の低さというか無さ……。
いやもうほんとにびっくりしました。トークライブなんで細かくは書きませんが、この日話に出た限りではとにかく活動の動機が芸人さんぽくない。折れる鼻っ柱がないから挫折しないって斬新……。
と言うことはあのアイコンも、計算じゃなくて、ほんとにわかりやすいからあれが良いと思ってやっているのか。
芸人さんて、ツイッターとかをどこかプライベートなもの(趣味とか)と通じさせたい人が多いように感じます。それは芸人という仕事がネタだけではなくて人生丸ごとであると言うことに拠るある種の尖りみたいなものかなーと思っていて、芸事のツイートだけをする人はよほど割り切ってやっているのかと思っています。でもヤーレンズのあれやこれやは、ふつーの社会人である私が至極真っ当だと思うあれやこれやは、メンタリティが芸人さんぽくないからなのかしら。


1時間ドドんがふたりがかりでそれはもう色々と聞いてくれたのだけど、それでも全然全くちっとも底が知れず、肝心なことは煙に巻いて、でも終始楽しくて、しかし全部計算だと思っていた私としては、計算じゃないのかもと思ってしまったことで俄然興味が湧いてしまいました。
家に帰ってからもヤーレンズのことを考えたくて仕方なくて、でも考える材料もなくて、こないだぴあから出た雑誌以外に資料もなく、ここはやはりブログかとおふたりのブログ読み始めたら朝の四時になっていました。いや出井さんのブログで「真樹」、楢原さんのブログで「隼之介」って検索してもらえばきっと誰でもうこうなります。
あんなに衒いなく相方の名前出して相方の写真載せて相方と旅行行ったこと書いて相方への感謝を述べているのが、「こうすべき」の結果ではなく「こうしたい」の発露だとしたら。しかもふたり揃って。
なんかちょっと、ちょっと思ってた「すごい」とは別の角度からの「すごい」が、しかも元の「すごい」を上回ってきた。


ヤーレンズがいつの間にかスッといた、と言う石田さんが、彼らが東京に来てからまだ1年ちょっとだと聞いたとき

まだ1年なの!? 僕の感覚で言うと5年! じゃあこの4年の一緒に頑張ってやってきた思い出は誰となの!?(横に並んで肩を組んで体を揺らすジェスチュア)

みたいなことを叫んでいました(メモ取ってないので言い回しは曖昧です)。
てっきり彼らは計算通りの1年を過ごして今の場所にいるのかと思っていたら、どうもそうではないらしい。
この次の1年を、5年を、芸人人生を全部準備していると思っていました。でもその通りに行くならばそれを目撃する必要はないとも思っていました。いつだって誰にもわからないものが見たくて、ご本人の頭の中にさえ先にあるものをなぞって見るのはつまらない。でもそうではないらしい。ならば俄然見たい。



結構屈託無く笑う。なんでこの日に新衣装お披露目だったのか、それも計算なのかたまたまなのか、やっぱりわからないままなのでした。