NEW YORK DREAM

ニューヨークの単独見てきた。最近はジャムセッショントークライブも行けてないけど、単独だけは無限大の初回から欠かしていない。毎回見る度に言葉を尽くして絶賛してもまだ足りないのだけど、今回もそうだった。
なにがどうとかではもはやなく、漫才も、コントも、幕間のVTRも、いや最初に出てきたときの掴みの、皆さんは誰なんですか、普段450人来ぇへんやろ、と言うあの一言からもう最高だった。最高にニューヨークだった。


ニューヨークを見ていると、なんでニューヨークだけがこんなに特別なんだろうと思う。初回の単独の、無限大の立ち見席に鈴なりになった芸人さんを今でも思い出す。今日も見学が多かったようだ。そりゃそうだよな、同業者にニューヨークいたらそりゃ見たいよなと思う。私印刷屋ですけど。
100組の芸人さんがいたらおもしろさは100通りあって、誰が正しいとか勝ちとかはない。でも、舞台に立つ芸人さんなら、大なり小なり「ニューヨークのようにやりたい」と言う気持ちはあるんじゃないだろうか。芸風ではなく、あんなにも自分たちのおもしろいと思うものを、2人揃って表現しきって、それを期待する客が会場を埋め尽くして、その期待を軽々と飛び越えながらバズーカを撃ち込むように受ける。受け続ける。90分ずっと。
ニューヨークのライブに全部行くような熱心なファンだけの客席ではないと思う。なんならちょっといじわるな、さぁやってもらおうかと言う人だっていそうだ。そんなのお構いなしに誰の区別もなくただただ笑わせる。ものすごく狭い題材をネタにしているように見えて、その実ターゲットは全国民であり、前にも書いたけれどいつもワンピースを評して書かれた「メジャーゆえのおもしろさ」と言う惹句を思い出す。どんな広い世界に打って出たっておかしくない。どんな小さい箱でやっててもそう思う。


漫才もコントも普通の顔して、とんでもないことやって、それでいて次の単独の告知で、次も同じ曜日同じ時間同じ会場だから皆さんは来られない理由はないはずです、この曜日のこの時間は空いてる人たちだとわかりました!と言うくらい、目の前の客の数しか信じない。
いつか時代のものになってしまうと思う。そのくらい特別な人たち。いざそうなったらそんな状況すら笑うかしら。時代のものじゃなくてあなたのものになりたいと言うかしら。
大切なものはいつも無くしてから気づくそうだけど、こんな特別なものは見てるときからずっとわかっている。自分が今見ているものがなんなのか。後になって、自分がどんな風に思うのか。
ニューヨークを見られて良かった。