極北のキングオブポップを見た

第4回馬鹿よ貴方は単独ライブ
1/12 北沢タウンホール 19:00


Twitterに書きかけたんだけどとても140字に収まらないのでこっちに。


馬鹿よ貴方は単独ライブ、ソワレに行ってきた。諸々不手際をして当日券狙いだったんだけど見られて良かった。
エンドトークで新道さんが、前回がキャパ240の野方で半分くらいしか埋まらなくて、その120人もありがたかったんだけど今日は300のタウンホールが昼夜完売して、次は中野ゼロ小ホールを埋めたい、あそこが500、その次はグローブ座700……とすらすらキャパを諳んじるので驚いた。
そうやってどんどん大きくしていきたいので、ライブ情報を送るためにアンケートにメアド書いてください、あまり事務的なのもあれなんで僕らからひとこと書きます、と言う新道さんと、それを聞いてそこまで決まってるのかとすこーしだけ驚いた様子で、でもなにも意見も否定もしないファラオさん、どっちも良いなーと思った。


良く知らない芸人さんのネタを見るときに気になるのは、芸風よりも「この人たちはたくさんの人に見てもらいたいと思ってるのか?」ということで、どんなに尖ったことやってても広く理解させよう、色んな人に見てもらおう、としてる人のネタは絶対ポップで、逆に言うとポップさはそこにしか宿らない。ポップさは明るさでもわかりやすさでもない。どんなにわかりやすいことをやっていても、見る者をバカにしてたり広く理解させる努力をしていないものはポップになり得ないし、不思議なことにそれはどんなに伏せても素人目には見ればわかる。これはお笑いに限らず、消費者目線に近いんだと思うんだけど。


漫才とコントをほとんど交互に計18本。「不穏」を譜面に起こしたような出囃子はファラオさんの自作で、不安をかき立てながらも奇妙に明るかった。惜しげもなく、安い値段で、短い時間にギュッと自分たちのネタをたくさん見てもらおうと言う、大阪の繁盛してる定食屋みたいなシンプルかつ良心的すぎる単独だった。これをただ続けるだけじゃなく、恐らくは同じスタイルで、見る人だけを増やして行きたいと言う気持ちにちょっと純情すぎるんじゃないかと言うくらいの真摯さを感じた。せめて値段はもうちょっと上げていただきたい。


どのネタもおもしろかったナァ。「緊張と弛緩」は笑いの基本と言うけれど、存在そのものが緊迫感に溢れてるんだもの。弛緩の揺り戻しがでかいでかい。すぐにでもそのまま外のライブでできるだろうし、続けて見てもおもしろかったけど、色んな人のネタの中にあってぽんと一本だけ見てもますますおもしろそう。オープニングコントと、「留置所」と、「目玉焼きにマヨネーズ」が特に好きだった。その中でもことさらに「目玉焼きにマヨネーズ」。ああ今もう見たい。



前座:マザーテラサワ


オープニングコント
漫才:金持ちになりたい
コント:サナエさんをください
漫才:英語が得意
コント:拾い喰い
漫才:格ゲー
コント:留置所
漫才:目玉焼きにマヨネーズ
コント:長い
漫才:ファミレス
コント:仲裁
コント:相談
コント:電車がこない
漫才:吉本興業
コント:旅館
ファラオさんピンネタ
エンドトーク
漫才:カレー屋
エンディングコント