ザンゼンジのこと

今月中に耐久ライブのことは書きたかったんだけどさすがにもう無理だ。
見事総合MCを勤め上げたザンゼンジのことだけ先に少し。


ザンゼンジを初めて見たのは2012年5月のSpark!。ここ1年くらいのザンゼンジの印象は、「ネタ被りが残念じゃないコント師」でした。
私が見た限りの話ですが、ザンゼンジは、同じネタをやっても、それがその前に見たときと全く同じと言うことが一度としてありません。必ずどこかをブラッシュアップして、必ず以前よりおもしろくしている。書けば簡単なようですが、10割の打率でこれをやっていると感じられるコント師は、私の知る中ではザンゼンジだけです。
細かいチューンナップとか、その日だけの流れとかはもちろん全部の芸人さんがやってると思うのですが。何というか、ザンゼンジの変え方は、コントに疎い私が見ても改訂の意思が感じられるくらい大胆なのです。
だから、意識して見に行くことはなくても自分が行くライブにザンゼンジがいると嬉しいです。知らないネタでもきっとおもしろいし、知ったネタでもきっともっとおもしろい。ザンゼンジのネタに対する信頼は、これはもう最上級の褒め言葉なのですが、トップリードに対する信頼に近いです。ネタと限定するのは、平場とか芸人さんとしてどうとかを、語れるほど知らないからです。


今回の耐久ライブは、終わってみれば、ザンゼンジだから見たいと思った部分が多々あったことに気づきました。
私は意識的に10公演全部は見ないようにしたのですが(自分で書くとあれですが心身共に絶好調ではなかったので)、7.5公演、ご贔屓が出ていない公演も見たいと思わせたのは、ネタを通じて持っていたザンゼンジへの信頼と、1公演目で見えたあの世代のまぶしさでした。
3組の大阪のときも似たようなことを書きましたが、このMCが若ベ会やFKDの誰かだったら、こんなに「見届けたい!」と言う気持ちにはならなかったと思います。だって絶対大丈夫だから。
ライブに対しての真摯さと若さ故の未知数が同居するザンゼンジと、それをほんとに理屈抜きで支え盛り上げようとするあの世代の仲間が作ったからこそ、何が起きるかわからなくて、見れば見るほどますます見たいと思った夏のお祭りでした。


以前とあるコンビのDVD収録を見に行って、長時間拘束された後急速にそのコンビに対する興味を失ったことがありました。だから今回も、これを境にザンゼンジのネタを楽しめなくなったら嫌だなぁと言う心配があったのですが、全くの杞憂でした。
23:00の終演時には、朝よりもザンゼンジのことが好きになっていました。三福さんの言葉が実現して単独をやるときには馳せ参じますよ。朝の7:30開演でも。