この漫才にチケ代全部

こないだのトッパレと昨日のyard、立て続けにお笑いライブに行ったことのない同僚と一緒に行く機会があったのですが、ふたりとも「会場の雰囲気が思ってたのと全然違った」と言っておりました。そもそもふたりとも始まる前に「自分だけ笑いのツボが違って変なところで笑っちゃったらどうしよう」と言っていたので、「始まったらだいたいみんな笑いっぱなしなのになんでそんな心配をするんだろう?」とは思っていたんですが。
yardに行った同僚は、お客さんがあんなにあったかいと思わなかったと。お笑いライブに行く客はみんなお笑いに一家言あって、「そう簡単に笑わないぞ」としかめっ面して腕組みしてるようなイメージだったそうで、それ聞いてこっちも驚きました。てことは私もそう思われてたんかい(笑)。ライブ楽しいよといつも言ってたんですが、その「楽しい」が批評的「楽しい」だと解釈されてたとは夢にも思いませんでした。違うよただただ娯楽として楽しいんだよ! 余暇活動でそんなしんどいことしないよ! 同僚はどっちもライブこそ行かなくても私より全然長いことお笑いを見ていてとても詳しいので、ふたりの前で批評的な話をしたこともなかったんですが。


とはいえ、「お客が女子中高生ばかりだったら浮きそうで怖い」ということも言っていたので(同僚はどっちも男です)、どうも「お笑い評論家みたいのが怖い顔してる」と「芸人さんをアイドル的に好きな若い女の子がキャーキャー言ってる」と言うどっちのイメージとも違ったので戸惑ったそうで。
K-PROさんの客層は、まぁどっちにも当てはまらないよなぁ。ネタそっちのけでキャーキャー言うような分別のない人はいないけど、芸人さんに対する変な意味でない好意はむちゃくちゃある。時として親目線。甘いと言われることがあるのも知ってますがそれはそれとして。
お客さんが厳しいライブもあるからそっちにも行ってみるかい私は行かないけどとは言ったんですが、ともあれ楽しんではもらえたようで次のトッパレは行くそうで。


しかしこれを聞いて、ライブに行きだしたころから不思議だったお笑いライブの驚異的な動員力の低さってこういうイメージも関係してるのかなーと思いました。てっきり、テレビのタレントとしての芸人さんには興味あるけど本ネタは別に見たくないと言う人が大多数だからだと思ってたんですが。
確かに私も、落語の寄席にはこだわりが強くてよくないと思った高座にはガンとして笑わないみたいなご年配のお客さんが多いのかなと思ってる節があるので人のことは言えません。好きな落語家さんの高座を軽やかに楽しんでいるおともだちがいるので、そればかりでないことはわかっているくせに。


これが音楽のライブだったら、客が全員過去にバンドやってたとかでない限り「ライブハウスで腕組みしてしかめっ面してこれは良いの悪いの言ってる」ってイメージは「音楽を楽しみに行ってる」イメージに先行することはまずないだろうに、ことほどさように「お笑い」は見るの楽しむの通り越して批評の俎上に乗せられやすいコンテンツなんでしょうか。好きな歌手の歌を聴くのも、好きな芸人さんの漫才を見るのも、同じく娯楽だとしか思っていなかったよ。
なので、もし身近にお笑いライブに行くのを躊躇してる人がいて、それが「客席が怖い」「自分のお笑い偏差値を試されそうで怖い」とか言う誤解から生じているなら、コンサートか映画と同じノリでこい!と言うのは有効かもと思いました(うちを読んでくれている当人はとっくにライブ行ってると思っている)。