肩落としてる友と僕

1hコマンダンテ単独ライブ
「どーもコマンダンテの東京単独です。ほんとかな?ほんとだよ。」
10/8 シアターブラッツ 15:30


コマンダンテの単独ライブに行ってきました。
そんで帰ってきてからすぐ、自分のHDDの中のコマンダンテ映像をあさってました。
最初に見たのはたぶん、風松が出るので見たBSの「西方笑土」だと思うんですが、わー優しい漫才するコンビがいるんだなーこれ好きだわーと思って、それが2011/10/18。
オンバト初挑戦で初オンエアが2011/11/12。同じ惑星のネタ。
2012年の元旦のおもしろ荘は駅で喧嘩を見たというネタで、構造的には惑星のネタと似てるネタですね。
教えてもらって、2009年のM-1の敗者復活を見たら、「眠れない」というネタでした。それと、こないだの10/5に放送してたレッドカーペットトライアルの「緊張する」というネタ。見たことあるのはこれで全部。
まーなにしろ吉本に疎いので、ましてや大阪のコンビなのでほんとに何も知らないのですが、東京で見られるのが貴重な機会だというのはわかるので、1時間とコンパクトな単独ながら楽しみにしていました。そしたらこーれがもう、想像の上をいく好みな漫才を次々繰り出されまして、ちょっともう10/23の大阪単独行きたい……! くそーペア大喜利がなかったら20日の本戦サーキットから居続けで見て帰って来たのに……!(実際問題2日間休めるのかというのは置いといて)


たぶん内容は違うと思うのですが、大阪の単独が控えているので以下ネタバレかもと言うことで隠します。大阪の単独を見られる方は読まないでください。


「空に星が綺麗」に乗っておふたりが出てきただけで、やられたーと思うくらい好きな雰囲気でした。転換の音楽が全部斉藤和義だったのですが、特に最初の「空に星が綺麗」が良く似合ってて、帰りにすぐ購入して聞きながらwiki読んでたら、この曲が正式な出囃子なんですね。何も知らなくても、なんとなくわかるものなんだなー。
出てきてからサンパチについても拍手が止まなくて、


石井:どうもー、コマンダンテの東京単独です
安田:ほんとかな?
石井:ほんとだよ
安田:拍手が鳴りやまないですねってボケをやってるんですけど言えないですねー
石井:これはほころんでしまいますねー(にこにこしながら両手で自分の両頬をふにふにと揉む)
安田:可愛さ出すのやめてくれますー? もうベビーフェイスベビーフェイスで


わああああああああなんだこのかわいい漫才師ー!!!!!!
調べたら28歳と27歳なんですね。あら誕生日もうすぐだわ(wiki見てる)。やっぱり芸人さんて、ふつうの社会人と比べて幼いというか、してる苦労の質が違うのかなんか浮世離れしてかわいい人が多いよなぁ……。


順番とか覚えてないんですが、漫才が5本ぐらい。幕間にもご本人が出てくるという斬新さ。
それぞれネタの最初に石井さんが「コマンダンテですー」と言った後安田さんが「フランス語風に言って」とか「チャラく言って」とか言うんだけどどれもおもしろい上になに言っても拒否せず答える感じが、ネタの雰囲気の前振りになっててすっごくいいなーと。


一本目の漫才が、石井さんが「鎌倉に行ってきまして……」と安田さんに鎌倉の場所を説明するネタで、惑星のパターンかと思いきや、見事に裏切られたー。もうここで完全にわしづかみだったなぁ。ひょっとして動き回る方がイレギュラーなのかな。


何本目だったか、「詐欺に気をつけて」というネタで、安田さんがネタを飛ばした時がすごく良かったです。
安田さんが俺……俺……と言ったまま固まってしまい、石井さんが「ヤスがネタ飛んでます。」大丈夫かな、どこいった?とやりとりしながら、安田さんが「俺のネタどこいったー」と下手側に目線をさまよわせたところで「おった!」。石井さんがおったかーよかったー逃がさんようにーとか言ってたかなぁ。トンボでも取るかのように安田さんが伸びあがってなにかを捕まえて、そこからネタ続行。
もうここのやりとりですっかり骨抜き……! 完璧にネタと地続きのおしゃべり。トークライブ! トークライブ見たい!
安田さんが石井さんをただただ笑わせるというネタでも、石井さんが本気で笑っちゃう何度かが、客席の笑いも最高潮。良いコンビだ……。


幕間では、暗い舞台に上下にわかれて立つおふたりにピンスポがあたり、ムーディーな音楽がかかって客席が笑ったら「まだムーディーなのに慣れてないんでしょうね。大阪ではいつもこうなんですよ。コーヒー飲みながらね」(笑)。
幕間の内容は
「一言大喜利」スクリーンに出るお題に一人ずつ答える。ゆるふわ系漫才師ってみんな大喜利が得意なんだろうか。
「ショートコント」パン食い競争とか、スイカ割りとか。
「1分トーク」石井さんが「夏の思い出」で定食屋の思い出を。安田さんが「相方の話」。
幕間とも本ネタともつかなかったのが「ハイテンション漫才」で、スクリーンにこの文字が出たときから笑ってしまいました。


最後は「2013年の予定表を作ろう」と、ホワイトボードに12カ月区切った紙をはったものを出してきて企画っぽいコーナー。「石井:前回の東京の単独では漫才ばっかり15本ぐらいやったんですが、僕らのことを知ってもらおうということで……」。もう今年のあと3カ月は捨てると(笑)。


1月にまずABCお笑いグランプリで優勝する、と書いたものの、石井さんがCを勢いよく書きすぎてほとんどOに見えるので、その後ずっと「ABO(アボ)」と呼ぶことに(笑)。
安田さんは今年もR-1に挑戦するから、石井さんにはピアスを開けてほしいらしい(笑)。「安田:男前なんだからもっとかっこつけてほしい」
見てる間中石井さんが誰かに似てると思ってたんだけど、いまだに思いつきません。ゴッホくんにちょっと似てるなーと思ったんですが。
ところでこの日は二人ともダークシャツだったのでことさらにシュッとして見えました。そんで、雰囲気はふわーっとしてても、ちゃんとスーツ着てるあたりがなんか大阪の漫才師っぽいなーと思って見てました。
東京の漫才師って、ふつうのスーツ着るのになんか照れがあるというか、かっちりスーツよりわざとどこかに隙を作ってる人が結構いる気がします。風藤さんはネクタイしてるけどスーツじゃないし、松原さんは下Tシャツで、スパローズ森田さんもオジオズ高松さんもそうか。ネクタイしててもジャケット着てない人だと清和さんとか浜谷氏とか。三四郎は相田さんがカーディガン着てるし。そう考えると二人揃ってがっつりスーツって浅草以外だとほんとにいない気が。磁石はうーん、衣装だから銀シャリとかU字工事に近い気がするんだよなぁ。


話がそれました。夏ごろから次のTHE MANZAIに向けて本格化して来るので、5月とか6月ぐらいにまた単独できたらいいですねーなんて話も。わーわー待ってまーす!
安田さんがファンのことを「ピーチ」と呼び、若干客席が退いたりしながら(笑)、半年分ぐらいまで書いたところで時間切れ。そのままEDで、ホワイトボードを捌けに出てきた人に歓声が上がりました。御茶ノ水男子おもしろ佐藤さんだそうです。私以外会場の全員がわかってた雰囲気に思い出す外様感!
おもしろ佐藤さんは前説に来るよ!と言っていたのに、間違えて笹塚ファクトリーに行ってしまったのでEDに出てきたそうです。仲良しなんですね。ちょっと喋って、最後はお二人でーと捌けていく姿が好感度大でした。


コマンダンテの漫才を生で見たのはこの日が初めてで、どのくらいバリエーションがあるかとかもまだ全くわからないのですが、ある限り見たい、きっと全部好きだと思いました。
まずテレビで見て優しい漫才だなと思って、でも、実際見るとずっと無表情なまま同じ説明を淡々と続ける石井さんに、不気味さまでは行かないものの、ふっと暗い淵を覗くような怖さを感じたりもしました。怖いまでもいかないのかな。さびしい?
わからないと繰り返す安田さんと、わからせようと怒ったり別の手段を用いたりせず同じ事を続ける石井さんの間に、実は関係は成立していないのかも知れません。安田さんは安田さんでやりたいことを曲げなかったりして、石井さんは最後に諦めてしまう。
そんな石井さんも、安田さんが次々に詐欺の手口を持ちかけるネタでは、ただただ疑うこともなく提案を受け入れて、心配する安田さんの声は届きません。
終始お互いののれんに腕押しをし続けて、関係の破綻と優しさを紙一重でいったりきたり、ゆらゆらしながらそれでも見終わった時に胸に残るのが圧倒的なかわいさと心地よさであるのは「安田くん石井くん」を超えたコマンダンテという漫才師のなせる業なのだと、予想するのです。まだ予想。回数見てないから。でも回数見ていない時にしかわからないこともあります。


そんなに頻繁ではないであろう東京での単独が見られてほんとによかった。彼らが東京の劇場に出る時は、無限大ホールでも怖がらずに行くぞ!と決意した次第です。うう、ほんとはもう今すぐ見たい。なんなら客電がついた瞬間からもう見たかったです。もう一度最初から何度でも。