爆ぜる

トッパレvol.59
10/19 しもきた空間リバティ 19:00
【MC】スパローズ
【出演】アルコ&ピース、トップリード、ジンカーズうしろシティ夜ふかしの会ランチランチエレファントジョン、ゴールドラッシュ、ツィンテル、R藤本、ソラシド


なんで風松が出てたのに前回見ていないんだろう、こういうときツイログは便利。仕事が忙しくて当日になって諦めたんだった。そうだそうだ、このとき営業さんが私用電話で20分以上私の作業を止めたから、私あの人を信用してないんだった。そうだそうだ思い出した。根に持つタイプです。


以下で、アルコ&ピースの銀行員のネタと「ドルチェ&ガッバーナ」のオチに触れています。ダイレクトにネタばれはしないつもりですが、展開くらいはわかってしまうので、このネタを見たことがない方は読まないでください。


前回を見ていないので、アルコ&ピースが1位をとるところを初めて見た。ネタが終わった時「これはアルコ&ピースで決まりだな」と思った。風藤松原がキャンセルになったので、今回は11組。コント師が多かった。
2位まで発表された後に平子さんは、1位は自分たちだと嘯くコントを始めて舞台の中央に出てきた。私はアルコ&ピースが1位と信じて疑わなかったので、どう収拾をつけるんだろうと思っていた。1位で名前を呼ばれ、平子さんはただ真っ赤になっていた。袖から見ていて、R藤本かエレファントジョンだと、思ったのだそうだ。
でも2位まで発表されてから、喋っていないときの平子さんの表情は厳しかった。緊張しているように見えた。


アルコ&ピースは銀行員のネタ。名刺のようによくやる平子さんが人質になるネタではなく、支店長に理不尽なまでに怒られてストレスをためている銀行員平子さんの窓口に、酒井さん扮する強盗がやってきて……と言うネタ。
ずいぶん長い尺でやっていた気がする。途中、酒井さんに声を出させたりするところは人質のネタとちょっと似ていて、どうなるのかなーと思っていたらオチで全部持っていかれた。


最近、アルコ&ピースは「ドルチェ&ガッバーナ」と言うネタで評判をとっていた。おかしくってうまくって、オチでほぉっと言わせる良いネタだけど、ただ一点瑕疵があるとすればそのオチで、おそらくK-PROさんのライブを見ている人なら同じ感想を抱くだろう。「トップリードみたい」と。
正確に言うならば、トップリードそのものと言うより、トップリードが好きな人が好きそうなネタ。行列の先頭でみたときへぇっと思った。月笑でもかけた。狙い撃ちに来てるのかなと思った。


うまいなぁと思う反面、一抹の寂しさもあった。アルコ&ピースまで、トップリードに与してしまうのかと。ほんわかメルヘンなトップリードとダークファンタジーの鬼ヶ島の対比が目を引くけれど、皮肉屋のアルピだってトップリードの好敵手だと思っていた。思っている。


前回の月笑の結果は、トップリードが2位、アルピが3位。その差たったの2票。肉薄したと言っても良いけど、同じ路線では勝てない。
それもわかっていたんだよとでもいいたげな、今回のオチだった。トップリードのネタが好きな観客の、眼前で手をたたくような。アルコ&ピースにしてやられた。


このネタが新しいのか古いのか知らない。オチだけ変えたのかも知れない。どちらにしろ、これからいろんなところで見られるだろう。でも、KOCが終わり、鬼ヶ島がライブシーンから少し遠ざかり始めている今、長い長いホームを維持してきたトップリードも新しい舞台を見た今、見たからこそ、私にはまるでアルコ&ピースが白手袋をたたきつけたように見えたのだ。トップリードにではなく、今の観客と、これからのライブシーンに。


とは言え「イッピキムスメ」終演後に会場中を満たしていたあの幸福感を知る者としては、トップリードの人情話はそうやすやすと凌げるものではないと思うし、なによりほっこり人情話は、トップリードの持ち味であっても武器のすべてではない。


要するに、ここからますますおもしろいということ。
この日は「ユリオカ超特Qのおしゃべり検定」に、ぽ〜くちょっぷラブレターズが出演していた。言うまでもなく、若い若い世代の、認定漫才師とKOCファイナリスト。
エルシャラカーニトークライブ「エルシャカラーニ」には、米騒動仲間のヴィンテージが出演していた。
さらに松竹角座では「各芸能プロが薦める 腕はあるのに全然人気がない芸人のライブ」が開催され、なすなかにしピーマンズスタンダードマシンガンズ、三拍子、かもめんたるが出演していた。
そして都下トップクラスと言って間違いないトッパレ。
わけがわからない。
誰が売れても、きっと驚かない。清和さんは、風松トークライブで「今年はこのまま誰も売れず仲良くやっていこう!」と仰った。でもライブシーンは変わると思った。昨日でそう思った。