王者の候補

KOC2011のファイナリストが発表されましたね。金曜日。
どうも私は賞レースのチケ取りに疎くて、あと、なんとなーく自分はどっちかと言えば漫才寄りだと思っているので、予選は見る機会なく過ごしました。
だから、誰がよかったこうだと思ったとかはなんも書くことがないのですが、結果については、なんかもうこんな嬉しいことがあるのかと言うくらいの結果でした。

私の知る界隈で、お客さんも芸人さんも皆さんこの3組をひとくくりにして喜んでいたのがすごく心地よかったです。
以下、単に3組について長々と好きだ素敵だと言ってるだけなので隠します。ほんとに彼らについて書きたかっただけ!


ラブレターズについては、まずびっくり。そして「よくやった!」と誰目線かわからないけどとにかく褒め称えたかった。作戦が素晴らしすぎた。準決勝で「校歌」をやったときいたとき、よくぞそれを採用したと思ったのでした。
何度か書いてますが、このネタはトン子vol.1での「苦手克服企画」で作ったネタでした。事前にそれぞれの苦手とするテーマでネタを作ってきて、オチ台詞をステージ上で籤で決めてそこだけ即興。ラブレターズのテーマは「歌ネタ」でした。
皆から絶賛され、これは一本ネタにできると。実際に数ヶ月後から各地のライブでこのネタで爆笑をとっていると聞いたときに、すでになんだか誇らしい気持ちになったものでした。
しかし、彼らのネタの中にあっては異色であるこのネタを、準決勝に持ってくると思わなかった。ラブレターズはまだ若いから、「自分たちの色の強いネタで勝ちたい」みたいな気持ちがあったりしたら採用しないだろうなと思っていたのです。
それが校歌をもってきた。今勝つならこれしかないという冷静すぎる判断に感服しました。その結果見事な決勝進出。
ライブを見ているだけでも、準決勝のコント師のレベルの高さは察するにあまりあります。おそらくは、受けだけでなくインパクトや勢いが加味された結果だったのだと思いますが、それを射止めたラブレターズのいまこのときを把握する力にはシャッポを脱ぎます。ほんとうにおめでとうございます。


鬼ヶ島は三回戦で大爆発したって聞いたときの、私のタイムラインの沸き方がハンパなかった(笑)。とにかくみんな期待して期待して期待して、みごとに期待に応えた鬼ヶ島。
都内のライブでは必ず中MC前、鬼ヶ島の後のステージは焼け野原。何が面白いのかさっぱりわからないけどとにかく面白い。でもテレビ向きじゃない。それでも鬼ヶ島に決勝に行って欲しかった。うちらが見てる人たちはこんなにおもしろいんだ、うちらが見てるライブにはこんなすごい人たちがいるんだ、そんなお笑い好きな人の悲痛なまでの思いが実を結んだような、満を持しての決勝進出。鬼ヶ島にはもちろん、鬼ヶ島好きな人みんなにおめでとうございますと言いたいです。


そしてトップリード。彼らが決勝進出したと聞いてちょっと泣きました。なんだかんだ言って、いちばん好きなコント師なのだと思います。
彼らについておもしろいなぁと思うのは、以前風藤さんがアクトビラかなんかで「2009年のトップリードの勢いはすごかった、止められなかった」と言っていたことです。トップリードは2009年も2010年も月笑年間王者ですが、2009年の方が印象に残ってるんだなーと思ったのでよく覚えています。そして今年は、月笑の1位がけっこう変動しています。もちろんトップリードがいまのところ年間トップではあるのですが。
個人的には、イッピキムスメ以後のネタには首をひねるものもあり、確かに2009年のトップリードの圧倒的な圧力は、事務所ライブにおいては今年は感じていませんでした。しかしオンバト優勝以後の周囲の追い風のすさまじさは肌でわかりました。今年行かなきゃ嘘だ、そう思える波がオンバトからずーーーっと途切れなかった。
そう、鬼ヶ島とトップリードについては、ひとつ同じことを思っていました。今年の鬼ヶ島とトップリードが上がれない大会なら、そんなのはなんの価値もないと、そこまで思っていました。私は賞レースはその日の受けひとつが相当物を言うと思っているので、なにが起こるかわからないけど、それでも無視できない流れとか勢いとかこの時代のひとつの波とか、そういうのをすくい上げるのが年に一度の大会の意義だろうとも思っているのです。それができないなら前年度優勝者が敗者復活するような事態の繰り返しになってしまう。


それでも去年の「紙一重」のことを思い出すと、どう転んでもおかしくはないよなぁと。
去年も、鬼ヶ島はものすごく受けていたと(本人たちから)聞きました。そのときに、紙一重を掴んだのはしずるとラバーガールでした。しずるとラバーが突破できた紙一重を、一年間で鬼ヶ島とトップリードが突き破れるのか、それが不安でした。
彼らを目当てにしていたわけではないけれど、コンスタントにネタを見る機会はあり、その間に決定的なブレイクスルーがあったかといえばそんなわかりやすいものは、少なくとも私は目撃しなかったのです。だんだんと何かの高まりは感じていても。
だからやっぱりその日がすべてなのだろうと、どちらの目だってありえるのだと思っていました。それでも今のライブシーンの熱を、わかってほしい、もうこうなると予想じゃなくて祈りです。


ラブレターズが通ったと聞いたとき、その祈りは通じたのかも知れないと思いました。鬼ヶ島とトップリードは、都内ライブではトップクラスですが、今、その次の世代のコント師も実に熱いのです。私はその辺門外漢だし若武者も行ったことないのですが、うしろシティラブレターズに代表される新世代感満載の若いコント師が、ライブを楽しくしている。これにカレーもカノンもいたんだからプレスリーはすごかった(遠い目)。
その世代代表のようにラブレターズが全国ネットでネタを2本やる。こんな素敵なことがあろうか。きっと同世代みんな発憤する。上が詰まってるとか知名度じゃない、ひとつ強いネタをあやまたずぶつければ、チャンスはあるんだと。


決勝進出決定後、トップリードと鬼ヶ島が忙しそうにしている様子がツイートから伝わってきます。その姿に、彼らを慕う多くの若い芸人さんが夢を見られたらいい。決勝進出という時点で、もう十分報われているのだと思います。それくらいすごいこと。後はとにかく彼らのおもしろさがひとりでも多くの人に伝わりますように。そして彼らがお笑いだけで食べていけますように。
そんでできれば、彼ら目当てのお客さんが増えて都内ライブが満員御礼になってライブ芸人さんの収入も増えてK-PROさんの経営が潤いますように。