生活者ふたり

4/29 12:30 ネイキッドロフト
風藤松原トークライブ vol.3 feat.白ブリーフはタキシード


vol.1が2010年2月17日、vol.2が5月31日だったのでほぼいちねんぶりの開催。

今回は新しいこころみ。ランチライブです。
休日の午後をランチを食べながら、お茶をしながら、
まったり楽しむトークライブです。
お酒のご用意もあります。昼にビールもまた贅沢。


風藤松原がふたりで自宅で食べてる風藤レシピのランチ、
風藤松原のおうちごはん”も販売予定!

公式のこれを読んだときに私の生き霊が企画を立てたのかと思った。なにもかもがツボ過ぎた。
ネタと人柄、というのは、不可分だと思っている。正しく言えば、それが乖離したネタに魅力を感じない。
そんで、風松のいちばんの魅力は私にとって、大喜利力とか語彙のおもしろさはもちろん、それをまるっと包み込むあのふたりの「所帯じみたところ」「生活感があふれるところ」なのだ。あのふたりが、生活感丸出しにして、自分たちを「うち」って言いながらただ喋るだけでほんとうにおもしろい。
だからもう、「風藤松原のおうちごはん」のひとことの針の先でついたようなどストライク感ときたら、般若心経で言うところの「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」くらいの真理だった


晴天の正午に開場。テーブルにつくと、このようなチラシが。



もちろんこれを頼むでしょう。白っ飛びしててすいません。昼下がりがあんまりしあわせだったので、昼間っぽさを強調してみた(しかし家にフォトショがないのでこれが限界)。



掛け値なしにおいしかった。うちのきんぴらはピリ辛なので、煮物みたいなあまいきんぴらは新鮮。よそんちのごはん!と言う感じだった。ハンバーグも薄味でおいしかったな。
これがついてきたレシピ。大丈夫だと思うんだけど一応注文した人の特典と言うことなので、レシピ部分はぼかします。



昼日中から酒を飲みながら風藤松原のおうちごはん。良い天気で、おうちごはんもお酒もおいしくて、お友達もいて、これから風松が出てきて、なんかもうこんな幸せなことがあろうかと始まる前から最高潮。
前座のかねきよさん(蝶ネクタイでがっつり舞台仕様)が滑り倒した(笑)あと、風藤さんが登場。黒のロンTの上にターコイズブルーSex Pistolsの半袖Tシャツ。


  風:ちょっとまっつんが今日も無理と言うことで……


私真剣にしょぼーん。風藤さんが「ちょっとまっつんのこと説明しましょうかね」というのでそうしてくださいそうしてくださいと頷いてたら、楽屋からのそっと松原さん登場。「風:きてたの!?」。楽屋口から覗いていたらしいんだけど、風藤さんばっか見てたから気づかなかった。
松原さんは紺のロンTの上に白のLed ZeppelinのTシャツ。顔色がますます白くなって、ちょっと細くなっていた。
珍しく眼鏡をかけている松原さん(トークライブの時はお客さんが見えると緊張するので外してることが多い)だけど、「風:さっきから俺しか見てない」と言うくらいお客さんを見ない。いつものことだけど。久々の客前で緊張していると。しかしそういう風藤さんも、松原さんが出てきてから松原さんの方しか見ていないのだった。


椅子一個空けてしばらくふたりで喋る。入院中の話。いろんなところで話せそうな内容だったのであまり詳細に書くのは避けますが箇条書きで

  • 入院中は風藤さんが毎日のように病院に行っては、パンツを洗ってあげていた。
  • 良いにおいをさせてあげようと柔軟剤を入れてあげていた。「松:知らなかった」
  • 知り合いが長期入院するのが初めてで、楽しくなっちゃってた風藤さん。「松:心配6割くらいでしょ」「風:いや、心配4割、楽しいのが6割」
  • ピッピッと音がする、ベタな心電図につながれていた松原さん。どきどきしすぎるとナースがきてしまうため、動揺させるいたずらをしかける風藤さん。
  • 同室になったおじいさんの話とか、看護師さんに体を拭いてもらう話(昼間仕様)とか。
  • 入院中はラジオ(j-wave)ばかり聞いていた松原さん。レディ・ガガスクールオブロックがお気に入り。


メニューのおうちごはんから、料理の話なども。松原さんがいちばん好きなのは、「ふうちゃん丼」だそう。「風:今度作ってあげる」とやさしいことを言うも、「風:俺松原さんの恋人じゃないからね!」。
この後も、こういうやりとりがとにかく多くて、たぶん字面で見るとBL路線かよと思われるかもしれない。でも、実際聞いてるとそういう感じが微塵もないんだよなー。なんでと言われるとむつかしいんだけど。
芸人の演出というより、ほんとに仲の良い男友達が、軽口で言うけど片っぽが全然乗ってこない、の繰り返しみたいな。
このふたりは、一緒に住んでるから、友達で、相方で、夫婦で、家族で、親子みたいだった。普通相方って夫婦と言われやすいしそれが一番的確なんだけど、風松の場合は風藤さんが掃除して料理して=妻なのに、外で先輩と飲んで帰ってこない=夫でもある。親と子、お世話する人とおじいちゃん、の方がしっくり来る気もする。


ゲストのやさしい雨とかねきよさんを呼び込む。登場時から滑り続けるかねきよさん。かねきよさんが入ってくると、風藤さんが途端に火消し作業モードに入るのがおもしろい。適度に救ったり救わなかったり放り出したり、つくづくツッコミとしてできる人なんだなーと思うと同時に、松原さんは喋らないことはあってもだだ滑ることがないというのもわかる。風藤さんと方向性がずれないというべきか。
アンケートを籤にして、抽選で1名に風藤さん特製オムライスをふるまいますーと料理コーナーに。風藤さんが厨房に行き、マネージャーさんがカメラで撮った映像をスクリーンに流す。かねきよさんは実況で、他3人が映像を見ながら(かねきよさんに)ツッコミを入れる。
風藤さんの料理の手際は、普段からやっているのと几帳面な性格がよくわかるものでした。タマネギをみじん切りするのに、櫛状に包丁入れるピッチが細かいのと、そのあとそれに垂直に切り込み入れるとき、3回も4回も入れていた。私あれ2回しか入れない。
もっぱらかねきよさんが滑り続け、風藤さんがいなし続ける実況の後ふつーにおいしそうなオムライス完成。後になって、うちのテーブルは風藤さんの首筋と深爪しか見ていなかったことが判明。
風藤さんは、レシピ本とかを見るのではなく、市販のレトルトの箱の裏を見て材料を調べて買うらしい。若妻じゃんと言われていた。
ちなみに風藤さん、松原さんが作った物はいちどだけ食べたことがあるらしい。「野菜炒めではなく、野菜を、炒めたやつ」だそうな。
上京してきて最初は全部作ってあげていたが、だんだん感想も言わなくなり、ご飯もよそわなくなってきたのでもう自分のことは自分でやってもらうことにしたと。完全に新婚→倦怠期の夫婦……。


掃除も風藤さんがやるが、松原さんの部屋には一切入らない。入院準備のために入ったらものすごい汚さで、我慢できずテレビを掃除したらしいが松原さんは気づいてなかった(笑)。マグカップを漂白してあげたのは気づいたと。
実際にこんな人と結婚したら「風:2年で離婚する」「松:じゃあ長く続いてるね」。ちなみに同居歴6年です。
風藤さんが結婚しても、良いというなら一部屋もらってついていくと言う松原さん。「ペットか!」と言われていた。それなら今の風松家にお嫁さんが入った方が早いんじゃないだろうか……。


やさしい雨と新宿カウボーイのけっこう仲の良い話とか(あまりオチがない話とか)しつつ、あ、かねきよさんがゆうぞうさんにおごってもらう話とかしてたな。14時でかねきよさんは離脱。この日は4本仕事が入っていたらしい!
この辺から風藤さんが顔には全然出ないけど相当酔っ払っていたようで、終始楽しそう。途中松原さんが全然喋らなくなって、「風:まっつん帰った?」(笑)。


休憩明けはアクトビラの収録。ここは放送があるので割愛。6月に配信て言ってたかな。収録になった途端、よっぱらいは相変わらずだけど、歴然と声を張る風藤さんにプロを見た。松原さんは特に変わらず(笑)。てか、ちょいちょいマイクに通すのを忘れていた。
あーでも一個だけ。最初、風藤さんがホワイトボードに書く係だったんだけど、「三大欲」と書くところでまず「大」がどの字かわからなかったらしく松原さんに聞き、次に「欲」を聞く。松原さんが空中に書いてあげるがわからず、ホワイトボードごと松原さんに渡す。ホワイトボードに書く松原さんの字は相変わらずきれいだった。ふたりでホワイトボードをのぞき込んでるときがなんともちまっとしててかわいらしかった。


収録終了後あたりから記憶がごちゃっとしてるんだけど(私にしては破格の3杯飲んでいたので結構酔ってた)、松崎さんの2次元の嫁の話とか。何度も救急車やらヘリの音がして、そのたびに風藤さんに「お迎えきたよ」と言われてた(笑)。風藤さんと吉本さんがトイレで離脱して、松崎さんと松原さんだけで話したり。けっこうちゃんと会話になってたなー。風藤さんと吉本さんが、楽屋口からしばし眺めていた(笑)。
アンケートの悩み相談(風松この質問好きだな)で、夏に生まれる子供の名前&親になる心構えを聞いていたご夫婦に話しかける風藤さんの口調と目線のまぁ優しいことといったら! あのときだけ昼下がりのネイキッドが薄暗がりのピンスポに変わったようだった。この人稀代のペテン師になれると思った。
なんの流れだったか、趣味を無理に持たない方が良いと訥々と語っていた松原さんに、うしろからぴたっとくっつくように聞いていた吉本さんが「それほんまでっかTVで言ってませんでした?」と言って結果ほんとにそうだった(笑)。「風:耳だけ赤レンジャーみたいになってる」
部屋探しの悩みについては、風藤さんが「絶対100%満足することはないので一回失敗した方が良い」という持論を展開。途中の「風:このでっぱりさえなければ〜!」と言う叫びがたぶん今の家になんか邪魔なでっぱりがあるんだろうなと実感させる魂のこもったものでした(笑)。ちなみに松崎さんの家には冷蔵庫がないらしい。


流れがわからなくなったけど覚えてる話としては、

  • 松原さんが「子供はふたりほしい」と言ったら「風:ふたりは産めなぁ〜い」と突然オカマ口調に。「ひとりも産めないでしょ」と珍しく突っ込まれる。
  • 10年以上前に一緒に合コンに行った風松。当時女性としゃべったことなかった風藤さんは「まっつんとしゃべる〜」と言ってずっと隣に座っていた。
  • 松崎さんは良いことも悪いことも一晩寝たら忘れてしまう。反省も後悔もしない。春日氏みたいだなと思った。


時間いっぱいまで3時間半、終始和やかで楽しい会話だった。芸事の話とかをするにはやはり昼間は向かないけど、風松にはこの昼間の平和な明るさが奇妙に似合っていた。ネタは結構ブラックなのもあるのにね。
3月は11日以降地震のためにライブ出演自粛、4月は10日から松原さんの体調不良で、風藤松原はライブに出ていない。5月1日のBBQは風藤さんのみ出演で、松原さんは出られてもちょっとだそう。5月のライブ予定もそろい始めているけど、風松の名前はない。
久々に見た「そろった風松」は非常に相変わらずだった。相変わらず、「松原さんの言うことを風藤さんが一番に聞いて、一番に笑うコンビ」だった。私にとって風松はどこまで行ってもそういうコンビなのだと思った。松原さんが何か喋るたび、風藤さんはいつだって嬉しそうで必ずおもしろがる。ネタでもネタ以外でも、風藤松原の良さは変わらない。きっと病院でもおうちでもそうなんだろう。そこにきんぴらもオムライスも洗濯も部屋選びもすべてふたりぶんで全部地続きでつながっている。
そんな彼らの生活があまりにもいとおしい。願わくば、丸ごと芸として昇華されることを祈る。そう出来ると思えるくらい、彼らの芸と人格と生活は希有で不可分でおもしろい。
またふたりがそろって舞台に立てる日を待つ。私もきんぴら作ったりしながら。


しかし和みも過ぎるとどっと疲れると言うことを実感した。あきらかに糖分足りてなくてその足でケーキ食べに行ったよ……。