久しぶりの漫才

早稲田祭2010 わせだお笑いらいぶ 1部 13:00〜14:00


正月の調布営業以来のオードリーの漫才! ハマカーンも来るよ! ってことで私学の底力におののいていたらスラッシュパイルが制作に関わってたようで。2部の吉本も良い人選だったし、やっぱり私学はすごいなぁと貧乏公立出身者が口あけて行ったら学祭の規模と人出と商業っぽさにひれ伏しそうになった。すごいわー。私学の人に面接で勝てないわけだわー。
大教室は立ち見を含めて650人! 教室の椅子に着席して机を前にして見るライブってしんせん。メモ取りやすいこと(笑)。お客さんも若くてノリが良くて全組片っ端から受ける感じ(笑)。普通の営業ともまた違う受け方。拍手笑いって言うよりただの拍手が起きまくっていた。

矢じるし「ラッパー保育園」

宣材と全然別の人出てきた(笑)。「エビバデセイホー!」にありえないほど完璧なレスポンスが返ってくる。明るくてこの日のライブの雰囲気によく合っていた。トップバッターにぴったりでしたね。

ねじ「秋田弁漫才」

漫才っていうのかな。初めて見たもので普段はコントやってるのか漫才やってるのかも知らないのですが。色違いのシャツでシュッとした感じの人たちが出てきたと思ったら秋田弁(笑)。でもあの「どさ?」「えさ」のくだりを知ってたんだけど、どっかで見たことあるのかなぁ。
クララが立った!を秋田弁で再現は、外国語みたいなわからなさ(笑)。でも元のセリフどおりじゃなくてちゃんと盛ってるのがわかっておもしろかった。
最後はよりによってGReeeeNの「キセキ」を秋田弁で(笑)。これもともとの持ちネタなんだろうなぁ、たぶん。しかし観客のほとんどを占めるであろうオードリーファンにハマりまくりのナイス選曲。歌はうまいわ秋田弁おもしろいわで大喝采。拍手が全く鳴り止まず、お客さんも悪乗りして何度も盛り返す。どうするのかと思ったら二人同時にステージに大の字になる「玉置浩二スタイル」で切り返した! お見事!

ハマカーン「ラーメン」

営業らしくつかみの自己紹介(神田うの実弟)をたっぷりと。そこからすでに炸裂気味の浜ちゃん。「神田うののバーターのバーターですよ!」
「ラーメン」はこれがフルサイズかな?「下種の極み!」「鬼畜の所業!」に続くワード「鬼たちの宴!」どれも拍手起きまくりの大爆笑。個人的には最後のレンゲのくだりでの「浜:あいつはチャーハンといるときの方がお似合いだろうが!」がツボ過ぎた。レンゲがラーメンどんぶりに沈むジェスチャーとか、最高!

オードリー「引退セレモニー」

書き忘れてたけど教室の都合上、下手側から入場。若林氏が先に立ち位置につくのも自然。いつも通り冒頭数分漫談をするんだけど、どっかんどっかん受けてた教室がものすごく「聞く体勢」になってて、この日一番笑いのない時間が長かった。ガンガン期待値が上がる中静寂を全部引き受けて喋り続ける若林氏と黙って立ってるだけの春日氏の盤石ぶりって言ったらもう、あ、ぜんぜん違うわ、と。
国民的人気者で何言っても受ける場ってのは、漫才師的にやりやすい舞台ではないだろうけれど、知名度とか、キャラの浸透ぶりとか、「実は素の顔は」と言う裏笑いとか、全部をフリにして笑いに持ってった。見事としか言いようがない。そこまで考えてこの形を作ったわけじゃないだろうけど、なんて柔軟性のあるフォーマットなんだろうと感動した。
早稲田と言えば春日がお世話になりましてねー、ポストの中を写メ撮られてmixiにアップされるっていうねー、その節はほんとにお世話になりました! という毒なんだかなんなんだかわからない若林氏の漫談の後、満を持しての春日氏の「みなさん」客席どかーん!
四文字で受けるのおかしいですねー、「み」と「な」と「さ」と「ん」なんですけどねー、と、若林氏のけれどもツッコミも炸裂。若林氏が春日氏の真似をして「みなさん」と言うも受けず、「ポテンシャルが違うんでしょうね」と言うと春日氏が若林氏に「ありがとう」と耳打ち。ピンマイク付いてるんですけどねーと若林氏。
ちなみに第一声は「春:みなさん、本物のこけしですよ」「若:ほんもののバカなんですけどね」わかんねぇ(笑)! なんでこけし!?
10年後は何してますかねという若林氏に「春:10年後は100円ショップの店長だよ!」あとは「春:雇われだよ!」とか「春:個人経営だよ!」とか言ってた。たたき合うのは前半だけだったんだけど、春日氏が若林氏の肩をたたく音がえらい大きくて、どんだけ強くたたいてるんだろうと思った。若林氏の方はふつうだった。
そこから引退セレモニーに。本編はアドリブやら悪ふざけやらがたぶん満載。途中ちょっと「選挙」の行があった。オードリーの漫才は、どこまでがアドリブでどこまでが台本かさっぱりわからない。
バラク・オバマがくれた祝電(ドラえもん電報)に続いて読まれた祝電が「上原美優」で、これはほんとに春日氏がぶっこんだらしく、「若:これ後でほんとに怒るからな! 上原さんに対して嫌な感じしか残らない!」と本気で怒っていた(笑)。あやまりなさいよと言われていつも通りごめんね茶を出したと思いきやきん○まをひっぱっているんだと。そこから最後まできん○まが付きまとう(笑)。
基本的に立ち位置が近くてほとんど動かないオードリー。一回、春日氏がたけしさんの物まねをしたときだけ若林氏が立ち位置から2、3歩動いてエビぞりになって大爆笑してた。しかしなにがはまったのかはさっぱりわからない。
最後にカスカスダンス、ラストカスダンですと春日氏。若林氏が「花男みたいにいってんじゃねぇよ!」って言ったらそのあと春日氏がつられたのかいつもの産地直送芸なのか「花男」って言っちゃってちょっと妙な間が(笑)。20年後のカスカスダンスは手ぶりがマイナーチェンジしていた。くるかなーくるかなーと思ってたら若林氏も参加きたー! オモバカの感動再び! カスカスダンスの若林氏参加は、「観客とともに春日をコケにしている」から「とつぜん若林が春日の共犯に変わる」と言うオードリーの漫才の根本のところを体現するオードリー二人のギャグだと思うのよ。若林氏のカスカスダンスは角度も速度もほんとにぴったり春日氏のそれといっしょだもんなぁ。


ネタ終了後、トークコーナーがありますと言って4組を呼び込み。トリだったから大丈夫だろうとは思いつつも、オードリーは飛び出しの可能性もあるなぁと思ってたのでこれは嬉しかった。
学生からの質問に答えるコーナーで、並びは下手からオードリー・ハマカーン・ねじ・矢じるし。
「学生時代に戻ったらなんのサークルに入りたいですか?」
春日氏は大学デビューするつもりで水上スキー部に入るはずがそのサークルがなかったと。
「相方の好きなところを教えてください」
若林氏は「まじめなところ」。春日氏は「えー、昼間に言える範囲でしょうー?」と上から下まで舐めるように見た挙句何も言わない(笑)。浜ちゃんは神ちゃんの「出がいいところ」。何のことかと思ったら、良い家出身だということ。腐りそうになっても横に貴族みたいなやつがいるから落ちないですむとかなんとか。ねじはとにかく仲良しらしい(笑)。ネタも書いてくれるし完璧な相方だとか褒めまくり。矢じるしは時間切れで若林氏が「言おうと思ったことの最後の文字だけ言って」。「梅:「い」ですね」「若:やさしいか、おもしろいか……」って意地悪!


半分後輩とはいえ、芸人さんと横並びで喋るオードリーが見られてほんとに嬉しかった! ライブシーンにいたころは、こんな感じでEDやってたのかなあって……と書いて思い出したけどカンペに「ED」って書かれて当然のように男性の機能不全のことを連想してまたきん○ま祭っていう(笑)。なんだったか、浜ちゃんと春日氏がならんで「一番弱い数字のワンペアできた」と言っていた。
とにかくライブではこんな感じだったのかなと。きっと若林氏は仲良い人にはからんで困らせたりしてたんだろう。仕切りはやってたのかなぁ。


久々にオードリーの漫才を見た。もちろん笑いどころで大笑いしたけど、それ以外、平場と言うのが正しいのか分からないけど、笑っていないときになんとも言えず幸せな気分になった。おもしろいとおもしろいの合間にただただ口角が上がる時間が来る。
考えてみると、こういう風になるのは、見てる間も終わってからもずーっと微笑んでしまうような漫才師は、私にとってはオードリーと風藤松原だけで、それで、あの2組だけが特別なんだろう。


無理に寄せようというのではないが、この直後に行ったBBQで風藤さんの第一声が馬場さんに向かって影マイクでの「死んじゃえー。すべり死んじゃえー」だったので、なんかこういう悪童みたいな舌鋒鋭い芸人が好きなのかなぁと笑ってしまった。