国さえ揺るがせ

6/24 漫才米騒動
シアターD 19:00
キャン×キャン・ヴィンテージ・ラヴドライブえんにちエルシャラカーニマシンガンズハマカーン


シアターDは腰痛持ちにはつらい会場なので、なんとなく避けがちなのですがこのライブだけは行きたい!と思っていました。漫才米騒動
今回は前売りが即日完売で、それについてはオードリーがらみの噂があったとかなかったとか。
出演者の耳にも届いていたらしく、OPで清和さんが「若林がラジオで今度の米騒動出れるかもって言ったって?」と言っていました。ANNリスナーとしてはちゃんと聴き直したい所だったんですがいかんせんどの回かわからない。
私は「出られる」と言ったのではなく、「ナイツはこないだの漫才米騒動出てましたよ」というメールを受けての、「米騒動は出たいがスケジュールは全く自由にならない」という主旨の発言だったと記憶しています。
どうなんですかね、うーん、私もオードリーファンですが、どうしても行きたいと思ったのは、8月のライオンさんのこの激賞記事を読んで次は絶対行こう!と思ったからです。「オードリーとナイツが立ち上げに関わったライブがどんなものか見てみたい」という気持ちも、ないことはなかったですが、でも漫才ばっかり見たいって気持ちの方が強い程度です。
客席にオードリーファンはいたと思います。でも、オードリーだけが目当てという人はいなかったんじゃないかなぁ。つまりは、オードリーがいないからといって文句言ったりライブ中態度が悪かったりするような人はまったくいませんでした。
清和さんが「しょーじき、オードリー見に来たって人?」と聞いても手を上げる人はおらず、ライブ中も終始爆笑、それはもちろん、第一に、観客がどうこう気にするヒマもないくらい拍手笑い連発のものすごいライブだったからですが。
オードリーの影響力もあるかも知れませんが、私のように見た人の感想を読んで行こうと思った人や、なにより米騒動自体が好きなリピーターを地道に増やしていった結果の即日完売であったのだろうと思います。そして、どんな理由であれ来た人をファンにしてしまうすごい力のあるライブです。ええ次回も万難を排していく決意をしましたよ。
ツイッターの方で、オードリー云々のことを気にされている方が何人かいたので、長めに前置きしてしまいました。確かに潜在異色の水道橋では、私も大声で話すオードリーファンにいらっとしたので、気にされる向きが多いのも仕方ないかと。


そんで本編の感想なのですが、ネタの内容を細かく書く時間はない上に笑いすぎてあんま覚えてない。のでざっくりと。
とにかく全組好きになってしまう楽しすぎるライブだった! ネタ順はクジで決めるという、けっこう驚愕のシステム。出順て大事って聞いたよ(笑)? 最初4組はネタ見たの初めてかも。
ゲストのキャン×キャンがOPMCをやらされた上に1番手という巡り合わせながらかなり受けてました。子どもの頃にやった遊びから、能の真似のような動きのあるネタ。次に出てきたヴィンテージが、キャン×キャンが受けてたから緊張したというくらい(笑)。
そのヴィンテージ、ひとり仕事でカリブ海に行っていたしゅん氏が、のぶ氏に「お前ひとり忙しいもんなぁ」と言われて、かなり本気っぽい口調で「いや、いっしょに行けたらなって……」。のぶ氏が「ここで感動させられると思わなかった」。コンビで売れたいんだなー。ほっこりしました。合コンで9点の女が馬鹿にしてくる、4点の女あるあるなど。
ラヴドライブは、スニッカーズしか覚えてない(笑)。えんにちは、ファミレスでチンピラが働いたら、というネタ。
エルシャラカーニはいつものしろうワールド炸裂漫才をすごいボリュームで。前にFuで見たときより格段に完成されてものっそいおもしろかった! どんだけ笑ったか。
マシンガンズは相撲の野球賭博ネタとか、W杯、池上彰とか。なんか、飴をあげるのあげないのという仲良しな行があったけどあれは一体(笑)。
マシンガンズの怒りはいつも真っ当で良く言ってくれた!と思うばかりなんだけど、今やってるW杯の「経済で勝っている!」て言うあれだけちょっと同意できなくて残念なんだよなー。個人的なことなんですが、オランダ型ワークシェアリングが真剣に羨ましいので。今の日本だと、単純に経済で勝ってるって言い切れない国も多いような気がするんですが、私が細かいだけでしょうか。
ハマカーンは「カブトムシ」とでも言うのかな? 浜ちゃんが切れるのはいつもの事ながら、神ちゃんをめちゃめちゃどつきまわしてた(笑)。終始拍手笑いのものすごい受け方。いやーおもしろい! 出てきてすぐだったか、「すいませんね、2組続けて切れて」と神ちゃんが言ってたのが印象的。


クジで決めたと思えないくらい、後半3組のどんどん加速していくような受け方がものすごかった! ほんとに息できないぐらい笑いました。
前の組のことに触れてからネタに入ったり、全体的に一体感がありました。自分たちでライブを作ってるという自覚が強く感じられるというか。
ネタが終わった所で思ったのが、漫才って良いなあ、という至極シンプルかつ幸福な感想。というのも、漫才は終わったときに「ありがとうございました」って言うから。立て続けに7組見て、皆最後のお礼の言い方が違って、あ、なんか良いなぁと。拳法の構えみたいなキャン×キャンとか、一本締めのえんにち、文句言い続けるハマカーン、帰る宣言するマシンガンズ、みんなそこにがっつり「らしさ」を込めて、最後まで自分たちを印象づけようとしながらお客さんの方を向いて帰る。その当たり前の最後の礼儀に、いい演芸だなぁって改めて思いました。そう思わせるほど楽しくて、本人達も楽しそうな、良いネタばっかりでした。


企画は「しょーもない王決定戦」。しょーもない勝負をして、勝ち上がるというか勝ち残ってしまった人2人でシャッフル漫才をするのが罰ゲーム。もし正規のコンビになったらさっきの本ネタをやろう!ということに。
「メッシ」(の物真似)が3回出たり、くじを引こうと思って底に敷いてたA4の紙を引いてしまって真っ赤になって泣く神ちゃんとか、奇跡続きのオチがまさかのマシンガンズの勝ち残り(笑)。どんだけ神がかってるライブか。
しかしここで素晴らしかったのがなんと言っても清和さん! マシンガンズが「さっきのネタやっても良いけど、長いよ」と言うと、さらっと、「5、6年前の、切れる前のネタやってほしい」と。すばらしい! まるで最初からそれが罰ゲームと決まっていたかのような、絶妙のネタ振り。OPからずっと、輪の中心でやいやいやるマシンガンズと、そこにちょっかい出すハマカーン、それを全部見渡して、さりげなく進行する清和さん(と後ろで立ってるしろうさん)という絶妙の役割分担でライブを作っていたのですが、ここで改めて清和さんの力を認識しました。この人すごい。
マシンガンズはいったんはけてネタ合わせをし、その間にやにやとステージ上で待つ出演者たち。皆で半円を描くように取り囲んで、その中でマシンガンズはネタをやることに。
マシンガンズの5、6年前のネタは……えーと終始「うわわわわわ!」と思っていたのでよく覚えてない……。滝沢氏が西堀氏に向かって切れていた気がする。たぶん。
いやー、今の声を合わせて切れる→客席ドカンの漫才がどんだけ爆発力のあるシステムかよくわかりました。


EDで告知ある人ーと聞くも誰も出てこない。「だんだん告知ってしなくなるよね」と言っていたのは西堀氏だったか。終始この10年目の落ち着きが良い作用をしているようでした。
最後はラヴドライブのダイゴ氏とエルシャラしろう氏が残され、企画の「好きな動物の鳴き声を大声で言う」での珍回答「ワン!」としろう氏の「にゃー!」で〆。


ほんとに楽しいライブでした。ライブそのものがこんなに好きになってしまったのは、言語遊戯王以来じゃないかなぁ。
最初に米騒動のことを知ったのは、エルシャラカーニがオードリーのシャンプーおじさんにゲストで来たときだったかな。たぶん。そもそもは、ハマカーンとか人気のあるメンバーがやっていた「ネタレンジャー」に対抗して、オンバトでオンエアされない芸人ばかりが始めたライブだと、その発起理由がおもしろすぎて興味を持ったのでした。こういう逆境カウンター好きだなぁ。
この日も、OPで清和さんがそのことを話していました。「毎回説明せないけない理由がわからん」とか何とか言いながら、でもその話が聞きたかったので嬉しかったし、メンバーや常連さんもなんべんでも聞きたいんじゃないかな。発起メンバー6組のオンエア率が30何分の4という驚異的な低さだというのはここで初めて聞きましたが(笑)。それに対してハマカーンの20分の18て! マシンガンズはそれから分母も分子も2増やしたと(笑)。


このライブを見て、芸歴10年の漫才師はもれなくかっこいい!と言う自分ルールができました。ぜひともこのままこのライブを大事に育てていって、どんどん大きな会場で、漫才のおもしろさを見せつけてほしい。で、会場が大きくなったら、ぜひマイクはサンパチにして頂きたいです。そこだけ残念だったのよ(笑)。鬼に金棒漫才師にサンパチマイク。