写真展の思い出

会場全体が「ワープロから打ち出しました」感に溢れる写真展だった。入口の上に貼られた「若」「林」「正」「恭」「ぶ」「っ」「て」「る」「写」「真」「展」の一枚一字が特に。アンケート用紙を配るテーブルの上に写真家の言葉を印字した紙がおかれていて、それもワープロ感満載だった。でも今の日本でワープロ使ってる会社なんてめったにないか。


私自身、写真を撮るセンスが皆無なので、若林氏の写真は、たいへんに親近感を持つものだった。構図全体にピントがあってて、すみずみまであかるいあたりがふつーの人がふつーに撮った写真だった。
アンケート用紙に並んだタイトルを見て、「これはどれがどれだかわからなくなるな」と思ったので見ながら脇にわかりやすくかいておいた。「俯瞰」→「猫」、「どいつもこいつも」→「公園」、「真を飛ぶ」→「平面みたいな風景」、「緑の話」→「観葉植物と椅子三脚」などなど。後で思い出すときに大変役に立った。


タイトルがちょっとひねった感じになってる所が「ぶってる」と思ったくらいで、写真自体には特にどうこうと言うこともなかったなぁ。いちばん「これは」と思ったのは、「クエスチョン」。リポDとかの金属製のふたがひっくりかえって道に落ちてるのがど真ん中に写ってるだけ、という写真で、一番下の一周分が裂けて離れてて「?」の形に見えなくもない写真だった。そのど真ん中具合とタイトルがいちばん、言ってみれば「ひどい」。


以前の放送でちらっと出た「かまいたち」は、結構好きだった。赤いペンキ一閃。