ドゲンジャーズハイスクール第9話

nico.ms

9話……おもしろかった……。

いや毎週おもしろいんだけど、ジェットコースターみたいに見終わってからあーおもしろかった!って言ってるのが常なのに対して、今週はもう見てる最中からおもしくておもしろくて。
最初のヤバちゃんとシャベちゃんの博物館侵入のくだり、もう好き。ほんと好き。何回も見てしまった。出禁くらって膝から崩れ落ちる悪役初めて見た。
多分元ネタがわかったらさらにおもしろいんだろうなーというところが多々あっても、こんなにおもしろいんだもんなぁ。私は警備員さんが誰かすらわからず広島の友達に教えてもらった。ちなみにバイオハザードマジレンジャーもわからない。
今回大活躍のエクスくんのこれまでの活動のことも知らないのだけど、こんなん大好きになっちゃうよー!と思いながら見ていた。しかし放送前日のキャスのアーカイブ聴いてたら、エクスくんがシャベリーマンさん並みにメンヘラになっていてびっくりした。いやこんな良い話、見てる方はファン爆増じゃんとしか思わないのだけど実質この話の主演となるとプレッシャーも違うのかな。

「進路指導」というサブタイトルで、お母さんが真子ちゃんになにかアドバイスを与えるのかなと思っていたら、まさかのエクスくんの指針がヤバちゃんによって詳らかになるという。
てか、オーガマン回かと思いきや先生回、エルさん回かと思いきやテツ回と思いきや影ちゃん回、そして今回って、こうなってくるともう「◯◯回かと思いきや」の前提が間違ってるんだよな。相変わらず予想が何一つ当たらないドゲンジャーズはこんなことすら当たらない。まさか今週、真子ちゃんの問題が1ミリも進展しないとは思わなかった。
お母さん素敵だったなぁ。お母さんも完璧ではなく描かれてるのが好き。大人だって怖くないわけじゃない、でもどーんと構える覚悟がある。お母さんの大人としての余裕と、ヤバちゃんの悪役としての余裕が対偶になっていたけど、この二人は直接はそんなに戦ってないんだな。ほぼ単騎でヤバちゃんに勝ったエクスくんすごい。

ところで今回の社長完璧すぎないか。完璧に好き。

エクスくんの覚悟を引き出して、ドゲンジャーズに一目置いて、お母さんのセリフの間待ってて、見事にやられて、エクスくんが決め台詞言うまで爆発も待ってくれる。悪役は待ってくれる。最高の悪役だよ社長ー!
いやもう今回出てくる人出てくる人全員最高だったんだわ。シャベちゃんの切袴の隙をついた(つけてなかったけど)作戦も、そのあとのアクションもたまんなかった。スーツに長剣のアクションはいつ見てもいいものですね。そしてなにより! 人間であることの有効活用! それで初回で人間なこと明かしてたのかー! すげー! あと単に笹井さんファンとして素面見られて嬉しー!(後ろ姿だけど)
エクスくんもシャベちゃんも、テーマ曲背負って出てくるのが熱い。ドゲンジャーズはいつも各々のテーマソングを効果的に使うけど、今回は特に音楽の力を感じた。
実在の彼らとドゲンジャーズの中の彼らはイコールではないけど、現実の覚悟を持ち寄って演じるフィクションを、最高の台詞と音楽とアクションで盛り上げられたら、もう全キャラクター好きになっちゃうのは仕方ない。ドゲンジャーズは本当に箱推し製造機だ。

問題は全く解決していないけど、それはそれとして目の前の切袴を大事にできる真子ちゃんはほんとに良い子。真子ちゃんの目下の悩みの種の変身して「特別」になったことが、お母さんが変身できたことによって揺らぐのかなぁ。
アイデンティティが揺らぐといえば、ヤバちゃんはいろんな正義を相手にするために特定のモチーフを持たないデザインのはずだけど、今回のフォームは完璧に殿だった。これはどうなるんだろう。マーク4みたいにずっとあれでいくのか、へし切長谷部戻したら元に戻るのか。これは予想ではないです。当たらないから。

画面外の覚書

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メイキングの印象=顔がいい


twitcasting.tv

上にも書いたエクスくんの放送前日キャス。見かねたシャベさんがコラボしてきて開口一番「落ち着け」と言っていておもしろかった。


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本編配信後のシャベさんの告知。よしもと行ける人は行ってあげてほしい。関東の田舎民、火曜はどうあっても無理なのよ。正しく言えば金土日月しか無理なんだけど。

あとはイベント告知が多かった。
シャベさんが正木くんのバーイベのMCをするのと


最終回上映会と


ドゲコン!


博多では撮影会もショーもあったし、ほんとにイベント増えてきたなぁ。

ドゲンジャーズハイスクール第8話

nico.ms

全部見どころだった! 8話!

冒頭の結社のシーン最高じゃなかった⁉︎ 堪忍袋の緒が短い怪人たち好きー煽るシャベちゃんも好きー。
やっぱり切袴はへし切長谷部なんですね。鞘が切袴で刀身が博物館にあるのかな。
博物館の話をしたのでラストシーンのこと先に書いてしまうけど、シャベちゃんとヤバちゃんが別働隊なことにやばいほど滾りましたね。私やっぱりこのコンビ好きなんだわ。他にも好きなコンビいっぱいあるけど。二人で博物館に潜入とか次回が楽しみすぎる。なんか黒いのに包まれてたけどヤバちゃんまた姿変わるのかしら。

さて本編。最初完全不審者だったけど、キタキュウマン言ってることはまともと言うか、映え重視のところから一切嘘はついてないし、食堂での宣伝とは何かのくだりとかはすごい良いこと言ってるんだよなー。最終的には自分で台無しにしてるけど。
キャスとかラジオとかで滝さんの方の物言いを聴いてるときって、実はデリカシーないと思ったことがない。不遜な言い方はするけど全部自分のスペックに対してだし、全部事実だし。
なので実在の方に比べてドゲンジャーズのキタキュウマンてだいぶデリカシーないんだろうと思うんだけど、でも憎めないんだよなぁ。あんなスペック完璧ヒーローを、ただかっこよく仕立てるんじゃなくて、心置きなく「サイテー!」って叫べるし全く戦わないけど最終的に嫌いになれないキャラクターにするのって、ものすごいバランス。演技と声も相まって。

キタキュウマンのいう「素敵なものを知るきっかけ」というのは、プロダクトプレイスメント(この単語が全然覚えられない)を使っているドゲンジャーズそのものとも言える。私はドゲンジャーズを見るまで知らなかった八洋食品さんの七味八珍が食べてみたくて仕方ない。再開お祈りしております。関東工場で試作してるらしいんだけど、全部九州持って行かないでちょっと関東に置いてって売ってくれないかしら。販売網ってそういうものじゃないって知ってて言ってるけど。

今回アクションも激熱すぎたんだけど、知識がないので何がどう熱いのか具体的に説明できない。でもここまですごければど素人の私にもわかるというあれで、なんか、縦の空間の使い方が凄かった……博多織ダイナミックの演出定番にならないかしらCG大変そうだけど。もっかい見たい……。
あと今更なんだけど、グレイト2くんの鈴木勝大さんアテレコほんとにうまいなと、メイド執事さんと戦ってるところで思った。特撮経験者は声優さんに引けを取らないくらいうまい人多いけど、それにしたってうまいなぁと。戦いの緊迫感とMAKOとの会話の表情が同時に伝わるの、並のことじゃなくないか。

ラストの急転直下、理想の自分と現実の自分が乖離してしまうのは思春期にありがちなことだけど、視聴者からするとあんなに努力して勝ち取ったとしか思えないヒーローとしての姿も、やっぱり与えられたもので本当の自分とは思えないのかなぁ。いやまぁ失恋したと思ってるんだから自尊心は揺らぐわな。キタキュウマンの「やっぱり普通の高校生だな」の言葉は含蓄がある。
しかしほんと毎週、よくこんなに乙女心を理解した上に描ききれるな……!と感服してしまうんだけど、でも乙女というだけでは説明がつかない。恋する女の子で、自分で戦う強いヒーローで、友達思いで、失恋したと思って泣いちゃうあの娘は今までのどんなヒーローともヒロインとも違う「真子ちゃん」。告白されて、戦って乱れた髪型気にして、鏡見て自分の姿に気づくヒーローってかつていたか。いないわ。真子ちゃんでないとこうはならないわ。
主人公が男の子か女の子かで見方を変えてしまいそうになるから私の視点はぐらぐらするのだけど、性別より先に「真子ちゃん」がいて、その真子ちゃんは揺るぎなくかわいい女の子であるという順番がやっとわかってきた。

変身する力を得て、普通から脱却する若しくは普通を受け入れる物語かと思っていたら、普通じゃなくなったと思えた途端本当の自分となにかという問いを持つ。ちょっと見事すぎて唸った。
こんな見たこともないような物語なのに、要所要所お約束の安定感があるところがしみじみすごいと思う。「好きな男の子が、変身した自分を好きになっちゃった!」なんてクリィミーマミからの伝統芸じゃん。最高。先生回は教師もの、エルさん回は人情噺、王道を押さえながらもまずキャラクターたちがいて、展開のために粗末にされる人が一人もいない。そう確信して次回を待てるドラマが同時代に放送されているのは、本当に幸運なことだ。

画面外の覚書

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一挙放送のアンケートで「普通」が0%という、なんか奇跡が起きていた。


シャベさんのやってた悪の秘密結社チャンネルが6月で終了。残念だけど毎月忙しくて月末ギリギリでやってたの知ってるから無理も言えぬ。4期始まったらまた3ヶ月だけ副音声解説やってくれないかなぁ。

ドゲンジャーズハイスクール第7話

nico.ms

しみじみ良い話だった。7話!

エルさん回で、テツ回で、ウザギちゃんのみならず影ちゃん回。
先生回があったので、テツさんを掘り下げることにはそこまで驚かなかったのだけど、まさかウザギちゃんと影ちゃんにこんなにスポットが当たるとは。ほんとうに当代随一の誰一人として損をさせない脚本家だよシャベリーマンさん。

エルさんとおやっさんの、心から人の善性を信じてまっすぐすぎるくらいまっすぐなところ、ほんとうにいいよなぁ。小賢しさの全然ない、ストレートな思いやりがいかに大切か。気を回しすぎて何もできないよりずっと人に届く。こういう衒いのない人情を見せてくれるから、八幡建設さんが出てくる回は好きなのよ。

クラスメイトと先生に見られながらの変身、激熱だったな……。特撮と魔法少女のいいとこ取りというか。歩きながらのクールな変身かっこよかった。またその後の戦闘中も、明峰ちゃんと先生は心配そうなところが良かった。毎週一人ずつ好きにさせてのこれ、グッとこないわけがない。
「後輩です!」の一言で納得&信頼しちゃうエルさんもよかった。来週の人は大丈夫かしら(笑)。

今回はすごいなぁと思ったところが二箇所あったのだけど、一つが、テツの「そこにはなんの物語もなかった」という台詞。物語の中でこれを言うのかー!
なにか自分が納得できるストーリーがあれば、無くても無理矢理作ることができれば前に進めるのに、それもできなかった虚しさと、物語の強さをあんまりにもさらっと言い表すから唸ってしまった。

もう一つは真子ちゃんが大輔くんに向かって(心の声で)「あなたの方がかわいいー!」と叫んだところ。

3期は2期に比べてわからないことがない、と書いていたけど、実は最初からずーーーーーっとわからないことが一つあった。わからないのだけどどう書いて良いのかもわからず、めちゃくちゃ見当はずれのことを書くことになるかもしれないし、最終話まで見たらわかるのかなと黙ってたんだけど、この台詞で、「あ、これは最終話まで見たところで私に推し量れる底の深さではないわ」と思ったので、もう書きます。

なんでドゲンジャーズハイスクールの世界は、こんなに男女平等なんだろう。

「この物語はジェンダー平等に配慮しています」という作品は、だいたい視聴者に目配せがあるものだ。たとえばドゲハイがそういうのを意識して作られた作品だったら、真子ちゃんのクラスメイトの女の子が制服でスラックス履いてると思う。この物語は現実の不均衡を意識し、それに抗い、理想とする世界を描いていますよ、という導線がある。
でもドゲハイにはそういうサインがない。なんの説明もなく普通の福岡ですという顔をして、ガワがうろうろして女の子のヒーローが活躍する。女の子であるという説明もなしに。
真子ちゃんが女の子であることにとらわれない主人公であること、女体を強調されない変身姿であること、女子高生の書き方があまりにフラットなことには何度も感動していたけど、そもそも、女性に対して(それが未成年であろうとも/未成年だからこそ)男性の眼差しが一切感じられないフィクションって、完全に女性向けで女性が作ったものを含めても私はほんとうに少ししか目にしたことがない。
女の子を描いているのに、そこに男性の眼差しが感じられない。あまりにもストレスフリーで見られることに、私は逆にずっと戸惑っていた。要するに脚本を見ただけでは、この物語を、
ジェンダーに配慮した男性が書いているのか
・かつて女子高生だった女性が書いているのか
・女の子になってセクシービームを撃ちたい成人男性が書いているのか
さっっっっっっっぱりわからないのである。こんなことは今までになかった。シャベキャス聴いてるから三番目だってわかるだけだ。

今までもそうだったら戸惑わないのだけど、1期と2期は、現実と同じくらいだった。最後は長刀振り回していたけどゆきちゃんは守られるヒロイン、アイドールちゃんは悲運の女幹部の範疇にとどまっていた。
2期はウザギちゃん以外ほんとに全く女がいなくて、それは現実のローカルヒーロー界隈の男女比からして無理からぬことなのだろうけど、この年になると「女性がローカルヒーローを続けることに男性より困難がある」ということ自体に社会の傾斜を見てしまうので、それをそのまま引き写したフィクションにも傾斜を感じる。
とはいえ3期も正面切ってジェンダー平等に配慮してるとも断言できなくて、ナンパが加害かというのは見る人によって差があると思うけど(私はアオイロンのときは全然気にならなかった。未公開シーンのシャベさん見て、ちょっと気になったくらい)配慮を優先するならわざわざナンパシーンは入れないんじゃないかなぁと思う。
でもそれを「男女差別だ」と批判したいわけじゃない。もっというと、自分の価値観が先進的で正しいからジャッジしてやろうなんて考えているわけでもない。日本社会でここまで生きてくる間に、女であることの不利益と理不尽さに打ちのめされすぎて、フィクションでまで嫌な思いをしたくなくて許容できるものがものすごく狭くなってしまっただけだ。たまたま「女」という、性別において足を踏んづけられる側だったから、その痛みがわかるだけで、自分の属性以外の痛みには無頓着だし、知らない誰かの足を踏んづけているとも思う。

もしも「普通に書いたらこうなっただけですよ」と言われても、そんなことできるのか⁉︎と言うと思う。若い会社の若い人が作る作品だから、も理由になると思えない。ものすごく才能があってものすごく若い人の舞台を見に行ったら、当然のように「女は結婚したら性別を変える」という前提で話が進み、座して待ってて時代が変わるならそりゃ先人はあんなに苦労してないよなと思ったことがある。
価値観の話なので、脚本家の力量を信じているのとは全然別の次元のことで、意識して現実の不均衡を均そうとする努力なしに、この日本で、フラットなフィクションが作れるとどーーーーしても思えない。社会がそれだけ歪んでいるから。フィクションの中でこそ、男性の眼差しに晒されきた女性を見てきたから。私自身が、男の男による男のための少年漫画を読んで育ってきたから。

真子ちゃんが「あなたの方がかわいいー!」と言ったのを聴いて、全然驚くようなシーンじゃなかったのに度肝を抜かれた。視聴者としても、読者としても、私にはこの台詞、全く想像できなかった。
歪な社会とフィクションに腹を立てるほどに、私もそれに囚われている。私は「フィクションの中で女の子は男の子にかっこいいというだろう」と思っていた。女の子が真子ちゃんで、男の子が大輔くんなら、「かわいい」は至極当たり前なのに、それよりも「女の子」「男の子」のステレオタイプに引っ張られたのだ。

最終話まで見たらわかるのかと思っていた。でも、最後まで見たところで、画面に映ったものの中から私の理屈に合う材料を探す以上のことはできず、この物語に貫かれる精神、若しくはそんな精神全然ないのかは、私にはとてもわからないだろうと思った。あの一言で。

ドゲハイを見て毎週「どうしてこんなにフラットに描けるのかわからない」と思い、終わるたびに「今週もがっかりしなかった」と思う。喜ぶより先に戸惑う自分に、私はここまでフィクションに希望を持つことを諦めていたのかと知った。
それでもフィクションに救われてきたから、現実がどれほどしょーもなくても、虚構によって未来を照らし、いつか現実もこうあれと希望を持たせてくれるのは、やっぱりフィクションだから。

現実に失望しすぎて、フィクションにも失望しすぎて、ガイドなしにフラットな物語を見せられてもすっかり疑心暗鬼で見方がわからなくなっていた。わからないまま最後まで見るのだと思う。勝手に期待して勝手にがっかりするのだけは嫌だから、ただ、すべての登場人物が自分らしく活躍する様を楽しみに。その点については、価値観がどうとかすっとばして全幅の信頼の置ける脚本家が書いているから。

そんな脚本家と兼業の人がラストでびっくりしてましたが、金印をほんとに福岡市博物館から盗んでいたことにも驚いたんだった。いやそうだよね見てきたけど、ど頭に「どやっ!」と言わんばかりに展示されてるの見たけど。
なんか勝手に、ドゲの世界の福岡の金印はどっかの遺跡にあったりしてそういうとこから盗んできたのかとなんとなく思っていた。展示物……展示物にあのすごいパワーが……いやそうなんだけど……。
アジトのシーンは今週も全部最高に可愛かった。

画面外の覚書

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なんと言っても放送当日の、ピザクックさんとキューサイさんのコラボ企画が羨ましかった。
ドゲンジャーズ経済圏まじうらやま。


ドゲンジャーズミュージアムでの撮影会が始まり、個室撮影会で大変なことになっている様子がTwitterから伝わってきた。修羅様とメイド執事さんの回に行く人大丈夫かな。

花束アクスタが発売されて、通販サイトはメイド執事さんと修羅王丸様が早々に売り切れていた。